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第12話 特訓の成果

 第2関門の舞台に立つりょう

 観客が静まりかえる。


 マイクを持った瑠華るかの声が響く。


「それではカエルくん、スタートです!」


 凌が深呼吸をした。

 と、詩織しおりが声をかける。


「次の方には、私の方から質問をしたいと思います」


 意外な流れに観客が驚いた。

 客席では美月みつきの表情が曇る。


「まずい! 何をかれるか読めないわ……」


 詩織が微笑みながら喋り出した。


「平凡な質問だから心配しないでね。休みの日はどう過ごしておられますか?」


 凌は落ち着いて答える。


「この3ヶ月間に限って言えば……特訓を受けていました」


 詩織が怪訝けげんな表情で訊き返す。


「特訓って?」


 凌は頷きながら答えた。


「このゲームに出場するための特訓です」


 観客席からは「おおーっ!」という歓声が響いた。

 少し考えてから凌が続ける。


「実は従姉いとこがこちらの高校に通っていまして……彼女と友人が3人がかりで僕を鍛えてくれたんです」


 思わず横から瑠華が割って入る。


「わざわざこのゲームのために?」


 凌は瑠華に向き直る。


「もちろんです。学園祭のゲームに出場するからには、一生懸命取り組むのが僕の使命だと思ったんですよ」

「まあ、ありがとうございます!」


 瑠華と詩織が同時に叫んだ。


「僕が真剣にやることで、このゲーム、そしてこの学園祭が盛り上がるんじゃないかと思って頑張りました」


「おおーっ!」と観客がどよめいた。


 凌は構わず続ける。


「さて……詩織さんの次の質問を予想してみましょうか?」


 詩織が笑って頷く。


「ええ、お願いします」

「僕の従姉とその友人の名前、そしてどんな秘密の特訓をしたのか……ですよね?」


 凌の質問に詩織が微笑む。


「そうですね。是非お伺いしたいです」


 ちょっと間を置いた凌が尋ねる。


「では、僕を優勝させてください。そうしたら皆さんに答えをお教えしますよ」


 観客席からは「そんなあ」「教えてーっ!」という声が聞こえてくる。

 再び瑠華が割って入る。


「私も知りたいです。詩織さん、是非ともカエルくんを優勝させて下さい。お願いします!」


 観客席からも「お願いしまーす!」という声が。


「やるもんだねえ、あのリョウが……」


 玲奈れなが笑いながら言った。

 でもマドンナ役の詩織はあくまでも冷静だ。


「でも……もう1つ関門があるんですよね」


 観客からは「えっ?」という反応が返ってくる。


「すべての関門を終えてから決めても?」


 そう尋ねた詩織に慌てて瑠華が答える。


「そうでした、そうでした。それでは詩織さん、第2関門の勝者2人を選んでください!」


 詩織は一瞬の間を置いた後、勝者の名前を告げる。


「それでは……ウルトラマンとカエルくんが決勝進出です!」


 観客席から「おおおおお!」という歓声が聞こえてきた。

 ここに来てゲームがにわかに盛り上がり始めた。

 司会の瑠華が2人の出場者にマイクを向ける。


「ではお二人の名前と学校名をお伺いしましょう」

一ノ瀬(いちのせ)颯介そうすけ陽南ようなん高校2年3組です」

北村きたむら りょう、同じく陽南高校2年3組です」


 驚いた瑠華がさらに尋ねる。


「ということは……お二人はクラスメートなんですか?」

「そうみたいですね。声からして凌くんかな、と思ってはいましたが」

「僕の方は気づいていました。ということは、僕たちどっちが勝っても詩織さんを陽南高校に連れて帰ることになるんですね」


 観客席からは「ホントだ」という納得の声。

 すかさずウルトラマンにふんした颯介がマイクを取る。


「こんな美人を連れて帰ったりしたら、ウチの女子たちが黙っていないだろうな」

「さすがにお上手じょうずですね!」


 瑠華は颯介の当意即妙とういそくみょうなコメントに感心していた。


 観客席の玲奈たちも驚く。


「あのウルトラマン、なかなかの強敵だわ」

「リョウくんも最初の頃とは別人みたいよ」


 しかし外見担当の優花ゆうかは真剣に心配している。


「でもリョウくん、マスクの中は丸坊主まるぼうずなのよね」




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