第11話 続く熱戦!
着替えに戻った聖桜女学院の控室にて——
玲奈が声をかける。
「リョウ、いい感じだったじゃん!」
素早く優花が凌のシャツを脱がせる。
「さぁ、次のために着替えて!」
優花が新しい服を差し出しながら話しかける。
「これ、ちゃんとアイロンかけておいたから」
「さすが優花。準備完璧!」
凌がジャケットを着る。
別人のように見える凌が舞台に上がった。
すかさず瑠華が場を盛り上げる。
「おっ、カエルくん。急にイケメンオーラが出てきたんじゃない?」
ここからはトーク勝負だ。
まずは仙人のマスクを被った出場者が舞台に立つ。
司会の瑠華が仙人に声をかける。
「では仙人さん。マドンナに質問してみましょう!」
どうやら彼は練習をしてきていなかったらしい。
「えっと……趣味は何ですか?」
仙人の質問はありきたりなものだった。
「読書です」
「そうなんですね! じゃあ、好きなジャンルは何ですか?」
「ミステリーです」
ぶっつけ本番ではうまく行くはずもない。
「ああ、なるほど。ミステリー、いいですよね!」
静まり返る観客席。
これ以上の進展なしと読んだ瑠華が場を引き取る。
「……終了です。ありがとうございました!」
悪くはないが、全く盛り上がらない会話だったのは否めない。
「読書が趣味」と言われたらどう答えるべきだろうか。
そう思いながら凌は見ていた。
次は般若のマスクを被った出場者だ。
「では般若さん、スタートです!」
しかし、自慢話で空回りしてしまう。
「実は僕、この前の模試でトップを取りまして……」
「ええ」
「あと、生徒会長もやってますし、英検も1級持ってます!」
「すごいですね」
「いやいや、それほどでも……」
またもや観客席の反応は薄かった。
「それがどうした!」という声がきこえなかっただけマシかもしれない。
「はい、終了です!」
場を盛り上げようと明るい声で司会をする瑠華の声がかえって痛々しい。
次は他の3人よりも余分に懸垂をやったウルトラマンだ。
「さあウルトラマン、スタートです!」
ウルトラマンの自信はマスクの上からでも読み取れる。
「詩織さん、今日は思ったよりドレスが地味ですね」
「えっ?」
虚をつかれた詩織、ザワッとする会場。
「いや、昨日の写真で見たやつの方が華やかだった気がしたんですよ」
「えっ、ええ」
「でもそういう控えめな感じも……意外といいかも」
会場からは「おおーっ!」と感心する声が聞こえてくる。
「ありがとうございます」
ニコッと笑いながら詩織は礼を言った。
「まあね、人を見る目には自信があるから」
どこまでも余裕のウルトラマンだ。
「終了です!」
瑠華の声が響く。
彼女もまた眩しそうにウルトラマンを見つめていた。
玲奈たちがざわめく。
「一瞬ディスった後に褒めて落とすテクニックかぁ」
「そこまでやるとは……さすがね」
美月も賛同した。
「リョウくん、大丈夫かなあ」
優花は心配でならない。
まったく準備不足だった最初の2人は誰が見ても論外だった。
が、だからといって凌が上手くやれるとは限らない。
3人はそれぞれに心の中で凌の健闘を祈っていた。




