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死に損ない④

敵国の城門の前へと辿り着いたが、そこには関所よりも厳重な入国検査が行われてるようで、長蛇の待機列が出来ていた。

ボクはその最後尾に並び順番を待っていた。

『。。。』

待つのは別に苦ではない。

待つ事によって上手く行くことも知っているからだ。

その証拠に前方で待つ事が出来ず騒がしくしている旅人らしい男性が敵国の兵士に連れていかれた。

その旅人は数時間経ちボクの順番が進んでも戻ってこなかった。

中に入れたと容易に考える者が何人か居て騒いで連れていかれたが、商人は騒がなかった。

商人達は分かっているのだと思う。

列の進み具合からして、入念な入国検査をしている国であり何かを抱えていると言う事実に、、、

そんな入国検査前に騒ぐ愚行がどういう結末を向かえるのか、、、

『世界は平等ではない。。。』

ボクは暗くなり始めた空を眺めながら、荷物の取捨選択をした。

明らかな武器は小太刀以外は夜の内に捨てよう。

そうしないと入国出来なくなる。

後は泥を衣服に塗って貧困を装う。

他国の通貨にはなるが信用のある大国の通貨の枚数と使い道を考えた。

小太刀以外の武器が無くなると現地である程度は作らないといけなくなる。

武器も槍や弓等あからさまな武器は作れないが簡易な道具はきっと作れると思った。


参


夜になり松明を持った兵士が城壁に等間隔で並んでいるのが遠目でも確認出来た。

ボクは目の前の商人の馬車に矢と弓等明らかな武器をそっと入れた。

城内で商人の馬車から回収が出来るなら良いけど恐らく出来ないだろうとボクは思った。

少し進んでは止まる列の中、ボクは紋章を握りしめて隙を見て靴の中に隠した。

少しずつ進む入国検査前にボクは少しずつ準備を進める。

時にはよろけて転び、時には片膝を着いたりして衣服に泥や砂をつけていく。

後方からは舌打ちが聞こえるが何もしてこない。

過剰な防衛反応をしてる敵国の兵士に騒いでいる所を見られたらどうなるか商人からの口伝で知ったのかも知れない。

商人としても喧嘩を吹っ掛けられて商品に傷がつく可能性もはたまた、兵士に連行される可能性があるのだから自己防衛として口伝を広めたのだろう。

それでも後方の方では騒ぐ者が居て駆け付けた兵士によって連れていかれた。

連れて行かれる度、前方は大人しくなる。

その為ボクは策を進める事が出来た。

日が明けてお昼になる頃、後方の列が少なくなってきた。

噂と言うのは広まるのは早く、肥大化するものだから商人達の伝達方法は分からないが、敵国に向かう者が少なくなっているのだと思った。

「次!」

とうとうボクの番になった。

ボクの身嗜みを見て門兵は一瞬ボクを見下すように鼻で笑った。

「国へは何用か?」

「旅のために必需品を買うために来ました」

「滞在期間は?」

「そんなにお金は無いので1泊2日の予定です」

「。。。荷物の確認をする」

少し訝しむ門兵がボクに近付いてくる。

身体検査もあるのは予想通りだった。

「。。。コレを」

ボクは近付き身体検査をする門兵にボクは門兵にだけ聞こえるように小さい声で伝え通貨をこっそりと渡した。

門兵は小太刀に気付いていたがザルのような身体検査をすると、通って良いとジェスチャーを送った。

ボクは門を潜ると路地裏を目指した。

「。。。ぐっ」

路地裏に着くとボクは声を圧し殺すように吐いた。

仕方ないと言え敵国に媚びを売ったボクの事を部下達は許してくれるだろうか?

ボクはどこまでも澄み渡る青空を忌々しく睨み付けた。

前哨戦

ゆっくり更新します

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