シギョン②
翌朝、ボクは教会へと足を運んだ。
早朝にも関わらず行列の出来る所を見るだけでシギョンの頑張りが伺えた。
『変わらないんだね。。。』
ボクは胸を締め付けられる想いしながら教会にギリギリ入室出来た。
あの日、ボクが戦場から逃げた日振りのシギョンはどうしてたんだろうか?
そんな事が頭を過りながら開始まで紋章を握り締めながら見守っていた。
物思いをしながら待っていると時間はあっという間に開始の時間になった。
シギョンは王女として聖女として教壇の前に立つと教えを透き通る声で説いていた。
『。。。』
自然と涙が出てきた、、、
理由も意味も分からない、、、
教義の高説の最中だが、居たたまれなく外に出た。
空は曇り無く青天だった、、、
『明日。。。ココを出よう。。。』
ボクは思い出を胸に宿へ歩いていると兵士に呼び止められた。
「キミ、王城へ来てください」
『???』
意味が分からなかった。
困惑してる間に兵士が次から次に集まりボクは取り囲まれてしまった。
「それでは今から向かいます」
「。。。拒否権は?」
「ありません。可能なら自発的に向かって頂けると私達の手を煩わせずに済みます」
「。。。」
兵士の数は時間経過と同時に増えて行く。
逃走は不可能である事は明白だった。
ボクは兵士に囲まれながら王城へと足を運んだ。
参
「久しぶりですね。常勝の神」
謁見の間に連れて来られたボクは玉座に座るシギョンに睨まれている。
「なぜ?途中で退室なされたのですか?」
「。。。」
「はぁ~。。。相変わらずですね」
俯きながら下を向いているボクにシギョンが近付いて来る。
「いきなり王都から居なくなった理由はやはり、アナタが常勝の神と呼ばれるようになったあの防衛戦が原因ですか?」
『アレは負け戦だ。。。』
ふと、頭に優しい感触を感じた。
「トールの事は届いてます」
「ぐっ。。。」
「アナタがトールの街を守ったのです。誇るべき功績です」
「違う!あんなのが!トールが犠牲の上の勝利なんて!」
「それでもアナタが欠けてもトールが欠けてもあの街は廃墟となっていたでしょう」
「それでも!。。。」
自然と涙が溢れてきた。
「アナタはそろそろ自分を許すべきです。話なら私が聞きます」
「なんで!あのバカトールが死ななきゃいけなかったんだ!防衛していれば大蛇は消えていたのに!」
「やはり、アナタはあの時の状況を知らないんですね。あの時、トールが大蛇の頭を潰した理由はアナタと言う希望を守るためです」
「。。。」
「大蛇の大口はアナタとトール双方を飲み込む構えと尾が巻き付く構えを取っていました」
「。。。」
「2人とも死ぬか。アナタを残すか。そんなことを迷うようなトールではありません。その為、最後の力を振り絞り大蛇を討ったのです」
知ってた、、、
だからこそ、ボクは、、、
優しい声が謁見の間に響くようにシギョンは続ける。
「私達に取ってアナタは常勝の神なのです」
「それでもボクは誰も救え。。。」
顔を上げようとするとドアが荒々しく開いた。
兵士がシギョンに耳打ちをするとシギョンは眉間にシワを寄せて悲しそうな表情をし始めた。
兵士は言伝てが終わるとお辞儀をして謁見の間から部屋を出ていった。
「。。。何かあったのか?」
考え事をしているシギョンに声をかけたが、シギョンは少し困った顔をするだけだった。
「。。。少し、外に出ましょうか」
シギョンはそう言うと歩き出した。
ボクは無言でシギョンの後ろを着いていった。




