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四十九万 虚頸のデュラゴン

「やれ」

「ヴァア!」


 羽ばたく双頭の黒竜が、息を吸い込み……街に向かって、漆黒のブレスを吐く。


「金全部よこせ!」

「どうぞ」

「仕方ないね」


 ヴァルのポーチの中に金が集まる。

 合計二十万。観光目的なので、最低限しか持ってきていなかったのが仇になった。


 不安が残る金額だが、仕方ない。


「〈スキル強化〉〈水放〉!」


 飲み水を生み出す生活魔法を大金で強化して、急流を漆黒の炎に横から当てた。

 水が凄い勢いで蒸発し、ブレスを相殺する。


「……やべぇ、今ので十万飛んだ」

「そんなに!?」

「……あのドラゴン、こっちを向いてないですか?」


 双頭の竜は、水の発生源であるヴァルの方を向いた。

 降りて来る気は無いのか、また空気を大きく吸い込み、大きなブレスを吐く。


「〈スキル強化〉〈水放〉!」


 あと一回しか防げないことを危険に感じるが、復興を終えたばかりの街を燃やすワケにはいかない。

 もう一度十万の水で、ブレスを相殺する。


「ヘッグ、銃の部品だ!」

「うん」


 ヘッグが一番手慣れた銃である、AK‐48の部品が一瞬で錬成された。

 同時に、リサがそれを瞬時に組み立て、それを完成させる。


ダダダダダダダダ!


 上空の竜に狙いを付けたリサが発砲し、大量の銃弾が竜に襲い掛かる。

 しかし、竜の竜鱗に弾かれ、まともなダメージは入らない。


「ダメだな。あそこまで遠いと、この銃では威力が出ない」

「クソッ」


 そんなことをしている間に、三度目のブレスの兆候。

 エルシオン以外にも、ノスバット中の戦闘称号持ちが奮闘しているが、竜騎士を撤退させられるほどでは無い。


「……リサ、その銃を貸せ」

「良いけど、どうするつもりだい!? 金はもう無いだろう!?」

「……まだ使えるものはある。〈――消費〉」


パァン!


 一発の銃弾に全てを込め、金弾一閃。

 銃弾が、双頭の片方をふっ飛ばした。


「ッ――よし」

「おいヴァル、今、何を懸けた?」

「……その話は後だ」


 もう一発ぶっ放そうとしたが、代償の頭痛で立ち眩みが起こり、狙いが定まらなくなる。

 その間に……破壊した竜の頭が再生する。


「何だアレ」

「再生能力ですね。あの類なら、頭を一気に両方ふっ飛ばすのが有効なのでは?」

「そうか……」


チャッ!


 また銃を構え、今度は一気に二発撃とうとしたが、また頭痛が発生し、銃が撃てなくなる。

 瞬間、黒炎のブレスが放たれた。


「退避!」

「ッ――」

「〈アイアンウォール〉!」


 動けないヴァルをナートが運び、ヘッグが盾でブレスを防ぐ。

 しかし、その全ては抑えきれず、街の建物に燃え移った。


「うああああああああああああ!」

「街が、燃えてる」


「いきますよ!〈源租・堕貫穿〉!」


 瞬間、ミナのものと思われる矢が天に登り、頭の片方をふっ飛ばした。

 それも直ぐに再生するが――


「……こんなものか」

「ヴァア!」

「待て、長居はできない。退くぞ」


 デュラゴンのドラゴンに乗る騎士が手綱を引き、攻撃を続行しようとするドラゴンを諫めた。

 そのまま、方向を変えて、魔物領の方に退いていく。


「キャアアアアア!

「火を消せええ!」


 下手に追撃はせず、ノスバットは火消しに尽力する。

 そこら中で水魔法が飛び交う中、ヴァルは震える手を伸ばして、水魔法を行使しようとし――。


「……!」

「止めなさい!」


 ナートに首の後ろを叩かれて、気を失った。




 目を覚ますと、


「何やっとるんや」

「……お前、どうしてここに」


 マーチェに膝枕されていた。


 ヴァルが懸けているものについては次回。

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