表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者パーティを追放された【費消士】、商人と組んで最強に至る  作者: カレーアイス
第三章 ノスバット防衛線
47/56

四十七万 リザールト

「……」


 リサは、防壁の一室で目を覚ました。

 そういえば、昨日はほぼ徹夜で作業していた。

 そこに銃の紛失という心労が加わって、いつの間にか寝てしまっていたらしい。


 最後の記憶にいたヴァルの姿は見えない。

 彼は彼で、銃を出回らせないために動いているのだろう。


「私も動き出すとしようか」


 思考を巡らせながら部屋を出る。

 すると、通路の奥からヴァルとミナの話し声が聞こえてきた。


「腕の良い【結界師】貸してくれない?」

「いいけど……何に使うの?」

「DEATH・WALKERが何故か蘇生してた。なんとか氷付けにしたけど、いつ動き出すか分からないから封印しときたい。本当は……聖女に滅して貰いたいんだけど、アイツは負傷者の治療で忙しいから」

「なるほど」


 ……寝ていた間に何があったのだろうか。

 話の筋が全く分からない。


「じゃあ、後の処理は任せていいか?」

「どうぞ任せて下さい」

「頼んだぞ」


 会話が終わったのか、声は途切れて、片方の足音がこちらに向かってくる。

 現状を知るために、リサはヴァルに話しかけにいった。


「お、リサ。よかった、探す手間が省けた」

「やあ。現状はどうなっているんだい?」

「この通りだ」


 ヴァルはポケットに手を入れ……幾つかの金属片を差し出した。


「これは……銃の引き金?」

「持って行かれたヤツのな。一個足りないけど、それもDEATH・WALKERの氷の中に確保してある」

「……え?」


 幻惑のような言葉に、思わず聞き返してしまった。

 だが、リサに手渡された引き金が、それを現実だと確信させる。


「……本当に、本当に銃を全て――」

「回収とはいかなかったけど、破壊はしてきたよ。疑うなら、ヘッグに聞いてくれてもいい」

「……」


 これで、銃が広がることは無い。

 それが、戦争で使われることも……人を殺すことも。


 いつの間にか、頬に涙が流れていた。

 人前で何度も泣いてしまうことを恥ずかしく思い、白衣の袖で涙を拭う。


「……私たちは、最悪の兵器を作った罪過を、背負わなくていいんだね」

「ああ、そうだよ」


 感極まって号泣してしまったリサを前に、ヴァルは気まずそうに目を背け……突然、リサを持ち上げた。


「失礼」

「え?」

「見て欲しい場所があるんだ」


 金は無いのか、素のままの力でリサを抱えて、防壁の階段を登っていく。


「重たい……お前、何を持ち歩いてんだよ」

「女性に重量の話をするな」

「はいはい」


 軽口を叩きながら、階段を登り終え……防壁の頂上に着いた。

 丁度夕暮れ時なこともあり、美しい自然の景色が広がっている。


「……戦争の血が無かったら、もっと綺麗だっただろうにね」

「見て欲しいのはそっちじゃない。こっちだ」


 ヴァルは、反対方向の……街の方をさした。

 目に移ったのは、活気あるノスバットの様子。

 人々は、街の近くで戦ったせいで傷ついた建物の、修復をしていた。


「こっちに木材持ってきてー!」

「ちょっと待て、今持って行く」

「そろそろご飯ができますよ」

「おう、楽しみにしてるぞ」


 まだ戦争が終わってから半日も経っておらず、日常が戻ったとは言い難いが、街には間違いなく活気が、笑顔があった。


「……」

「胸を張れよ。この光景を守れたのは、間違いなくお前の決断と、行動のおかげだ」

「そうかい」

「……今回は、守れたな」

「……うん」

 

 一際大きな風が吹き、彼女の白衣が風に(なび)いた。

 一応書いておくと、現実で銃を作った人にとやかく言うつもりはありません。

 そもそも誰が作ったとかではなく、歴史の流れとして少しずつ性能が上がっていったものだし。

 リサが苦しんでいるのは、平和な池に外来種を持ち込んだとか、そういう意味なので。


 これで第三章は終了です。

 ブックマーク★★★★★感想よろしくね。多分、更新頻度上がるよ。

 次は遂に最終章。この物語の結末は?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ