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都市開発スキルで楽々異世界街作り!  作者: 井上みつる/乳酸菌/赤池宗


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救国の提案1 77

「あ、マルセスさん」


「む? もう帰ってきたのか?」


 地下道を通って地下駐車場に移動すると、どこからか持ってきたのか。マルセスが毛皮のベッドで横になっていた。切り分けた肉が大量に積まれているのを見るに、どうやら大きめの魔獣を狩ってきたらしい。


 突然戻ってきた為、マルサスは驚いているようだった。


「その魔獣の肉、分けてもらって良い? セルディカ神聖国の人たちが食料が足りなくて困っているみたい」


 お願いしてみると、マルサスはベッドに腰かけるような格好になり、頷いた。


「構わん。外にもう一体魔獣の死体があり、困っていたところだ」


 あっさり許可が下りた。ありがたい。


 そのついでに、もう一つ厚かましいお願いをさせてもらう。


「……そ、それで、申し訳ないんだけど、ちょっと運ぶの手伝ってもらっても良いかな?」


 そう告げると、マルサスは首を傾げつつ了承した。


「運ぶ? 構わないが、地上をか?」


 段々と地下生活に慣れてきたようなマルサスの言い方に笑いつつ、首を左右に振る。


「いや、この地下室と城塞都市バシムを繋いだんだ。まぁ、地下駐車場の扉は締め切っているから、出入りは地上からしかできないけどね」


「あの壁のある街と繋いだ? 地下道で……?」


 突然言われた言葉に混乱するマルサス。とはいえ、協力は惜しまないとのこと。有難く、魔獣の肉を運んでもらうことにした。


 観光用建築物のトロッコを地下道の奥に設置し、レールから外して自由に移動できるようにする。


「……もうちょっとCPがあったら駅を作って電車を走らせるんだけどなぁ。いや、電力が足りないか。車を走らせるには石油採掘所と製油所、ガソリンスタンドを設置しないといけないから、まだまだ先だしなぁ」


 そんなことを呟きつつ、マルサスの押すトロッコの後に従って歩いた。


 地下街の入り口まで運んでもらうと、マルサスは周囲を警戒するように見て、口を開く。


「人間たちがいるのだろう? 我は再び家で待つ」


 それだけ言って、マルサスは地下駐車場に戻っていった。思いの他、地下駐車場が気に入っているのかもしれない。


 地下道には千人いても食べきれないほどの肉が山盛りになってトロッコに載っており、ある意味で恐ろしい光景になっている。


「それじゃあ、セーレさん達を呼んでこようかな」


 そう言って、ミド達と一緒に地下街の入り口の方で待っているセーレ達を呼んできた。そして、地下道入り口にある大量の肉を見て、驚愕する。


「な、なんと!?」


「これほどの食料を、いつの間に……」


 フロンスを含め、騎士達が驚きながらトロッコを取り囲んだ。


「す、全て購入して良いのでしょうか?」


 セーレが心配そうにそう口にするので、笑いながら頷く。


「どうぞ。無償でお譲りします」


 そう答えると、セーレやトロッコを取り囲んでいたフロンス達が目を丸くしてこちらを見た。そして、目を瞬かせる。


「あ、それと、この地下街であれば外部から攻撃されることもないと思います。なので、いつでも避難できるように物資を運び込んでおいた方が良いでしょう。あと、水も使い放題で料理もできるし、トイレもあるので、地下街で暮らすこともできると思いますよ」


 そんなアドバイスを送り、セーレ達から祈りを捧げられるような形で返事をされる。


「あ、ありがとうございます!」


「賢者様の御言葉、しかと胸に刻みましたぞ!」


 セーレとフロンスがそんな返事をする。本当に先ほどまでと全然違う態度なのだが。


「そ、それじゃあ、後はどうしようかな? リリーさん達はどうして欲しい?」


 そう尋ねると、リリー達は顔を見合わせた。そして、何やら真剣な顔で話し合っている。あ、ラウムがセーレとフロンスを手招きして呼んだぞ。今度は五人で話し合っているようだ。護衛の騎士達はそんな五人を固唾を呑んで見守っている。


 ミドやカラビアと顔を見合わせ、首を傾げながら待っていると、ようやくリリー達がこちらに振り向いた。


「あ、あの、よろしいでしょうか?」


「よろしいですよ?」


 恐縮した様子のリリーの顔を見て苦笑し、聞き返す。すると、リリーは胸の前で手を合わせ、顎を引いた。


「もし、可能でしたら、王都や西部、南部の都市と地下通路を繋ぐことはできませんか? もし、帝国が大規模侵攻を仕掛けてきた際、その地下通路があれば安全に脱出することができます」


 と、リリーが願いを口にする。その内容に、まず心配だったのはCPなのだが、別の問題も思い浮かんだ。


 しかし、言い難い。腕を組んで唸り、どうしたものか考える。


「ど、どうされましたか?」


「やはり、あまりにも厚かましかったのでは……」


 リリーとフォルがオロオロしながらそんなことを口にした。


「いや、怒ったりはしないけど、微妙に気になる点が……」


「気になる点、ですか?」


 リリーがきょとんとする。それに頷き、手のひらで地下街の奥を指し示した。


「さっきも伝えた通り、この地下街は幾つも出入口があるけど、扉を開けることができるのは指定された人物だけなんだ。だから、各都市を地下通路で繋いで、地下街を使ったりすれば、簡単に戦争に勝つこともできるようになると思う」


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