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都市開発スキルで楽々異世界街作り!  作者: 井上みつる/乳酸菌/赤池宗


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城塞都市バシム3 75

 リリーの口添えもあり、街の改造許可を得た。まだセーレ達はこちらを信用しておらず、リリーを騙しているのではないかとすら思われている感じだが、街を改造さえできるならこちらのものである。


「……本当に何故、こんなことを……」


「いたずらに住民を刺激したくはないのだが……」


 セーレとフロンス達に案内をお願いして、街の端から端まで案内をしてもらっていると、二人はぶつぶつと愚痴のような言葉を呟いていた。それに、ラウムとフォルが付きっきりでフォローをしている。


「こ、これにはちゃんと意味があるのだ」


「そ、ソータ様に聞こえます。どうか、お静かに……」


 二人はこちらに意識を向けつつ前を歩いていた。リリーも隣に来て心配そうにしていたが、ぶっちゃけ仕方がないことだと思っている。国難の時に、見た目も若い謎の男を簡単に信じろという方が無理だろう。


「そ、ソータさん。大丈夫でしょうか?」


「うん、多分ね」


 心配そうなミドにそう答えつつ、タブレットを操作してマップの確認をする。マップはきっちり街の中を表示しており、もう少しで全て埋まるところまできた。カラビアは意外にも街中の様子を見るのに夢中でセーレ達の反応を気にしている様子もない。


 今は、見たことがない景色を見れるだけでも嬉しいようだ。


「……よし、これで街中と周囲は全て確認できたかな?」


 マップの状態を確認してそう呟き、足を止める。


「あ、もう大丈夫です!」


 フォルが声を掛けると、セーレ達も立ち止まって振り返った。周りにはリリーの護衛の為にバシムの都市騎士団数十名が並んでおり、物々しい雰囲気だ。


 一時間近く大勢で歩き回っていた為、住民達もだんだんと集まってきていた。周囲にかなりの人々がいるが、隠れてやった方が良いだろうか。いや、もう大勢から顔を見られているのだから、今更隠れても意味がなさそうである。


「それじゃ、ちょっと街を改造するよ」


 そう告げてから、街の中を見て回った時に目星をつけていた場所をチェックする。城塞都市は思ったより広く、マップで見る限り、地形に合わせて楕円状の形をしているようだ。距離のある部分だと直径は三キロ以上ありそうである。


 かなり広かった為、少し記憶が曖昧である。


「えっと、ここが空き地で……?」


 地図を見ながら首を傾げていると、後ろから見ていたカラビアが指を差してきた。


「これ、今の場所?」


「え? うん、そうだよ」


 答えると、カラビアは頷いてから何か所か指を差す。


「此処と、此処、此処も空き地だった。後、此処は、廃墟だから、大丈夫、って」


「おお、ありがとう!」


「う、ん。見るの、面白かったから、覚え、てた」


 カラビアは少し照れた様子でそう口にしたが、とんでもない記憶力である。俺なんて、初めて入った団地とかだと迷ってしまうくらいだというのに、これだけ広い街の景色を良く覚えることができるとは。


「よし、それだけあれば十分だね。それと、この広場は使えないかな?」


 そう言って周りを確認し、広場の端を指差した。


「セーレさん。そこの部分をもらっても良いですか? そこの馬を繋いでいる場所くらいの範囲なんですが」


 そう尋ねると、セーレは戸惑いながらも頷く。


「そ、その程度なら……」


 セーレのその言葉を聞き、お礼を言ってからタブレットを操作した。画面をタップして起点を指定、そこから範囲を広げていく。今が街の南西にいるので、そこから北東に向けて画面の上で指を滑らせ、大きさを決定する。右下に消費CPが表示されているが、千近くにまで達している。


 だが、問題はない。躊躇うことなく決定を選択した。直後、震度二ほどの地震と地鳴りが起き、周囲の騎士や住民が大いに混乱する。


「う、うわぁあっ!?」


「何事だ……っ!?」


「大型魔獣の攻撃か!?」


 地震がない地域なのだろうか。誰一人地震という単語を発することはなかった。悲鳴と怒号が至るところから聞こえてくるが、ミドやカラビア、リリー達は焦らない。


「こ、これは何が……!?」


「ぬぉおおおっ!?」


 セーレとフロンスも警戒したように腰を落とし、周囲を確認している。説明してから行うべきだったか。そう反省しつつ、広場の一部に出来上がった地下道への入り口を見た。


「な、なんだ、あれは!?」


 誰かが声を発し、その地下への入り口を指差す。


 良く駅前で見るような屋根付きの地下へ続く階段だ。大きさとしては幅三メートル程度の階段が地下一階まで続くといったものだ。天井付きの大型を選んだ為だろうか。階段の端と真ん中に手すりがサービスで付いていた。少し豪華。


「とりあえず、避難所を作りました。説明をするので、付いてきてもらって良いですか?」


 そう声を掛けると、セーレとフロンスは目を丸くしたままの顔で振り返る。


「はい。お願いいたします」


 代わりにリリーが答えて、花が咲いたような笑顔ですぐ傍まで歩み寄ってきた。それにフォルとラウムが続き、ようやくセーレ達も付いてきた。


 何故か無言で階段を下りていき、壁にある黒い板に触れて住民登録を行う。俺やミド、リリー達に加え、セーレとフロンスも登録しておいた。


 扉を開けて、中に入る。


 地下に作ったのはザガン族の皆の住居として作った地下街の拡大版だ。城塞都市バシムに入る前に外の街道脇に地下の住居と地下道への道を作っていた為、そこに地下街を繋げている。ついでに、送電線と上下水道も接続したので、電気と水は問題ないはずだ。


「な、なんだこれは……」


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