今日も同じ?
ニャーオ。
「………」
猫が、今日も挨拶ではなく伸びをしている。
まるで、そう仕込まれているように、昨日と同じ場所で。
リュックの持ち手をギュッと握り、私は今日も学校へ向かおうとする。
シャンッ…シャンッ…
「…鈴?」
その音に、私は思わず足を止めてしまった。
猫には首輪は付いているが、鈴は付いていない。
(じゃあ…いったい何が…?)
疑問に思いながら、音のした通路を見つめる。
シャンッ…シャンッ…
(また聞こえた…。)
その音は、最初よりも鮮明に聞こえたが、その正体を見つけることはできなかった。
仕方なく、私はその場を後にする。
学校へ着くと、いつものように決められた言葉を言う先生が今日も立っていた。
「おはよう。」
「おはようございます。」
いつも通り挨拶を返した私を、なぜか先生は真っ黒な目を大きく見開いて見てきた。
ビクッと身体を震わせ、足が止まってしまった。
「……し、失礼します…」
私は小さく会釈し、少し足早に教室へ向かう。
(なんだか…今日は変…)
いつも変だが、今日はいつもよりも息苦しい。
時計の針が、一拍ほどズレているような…
その違和感が、喉につっかえて、空気が入らない…。
私は、授業に身が入らなかった。
「ーであるから、ここの公式はこう…。白井…。」
「…?」
今日は何もしていないのに、先生がこちらを見てきた。
それと同時に、クラスメートまでこちらを見てくる。
「白井…。何してる?」
「え…何って…。普通に…」
先生の目はいつもよりも黒く、私のことを長く見つめた後、授業を再開した。
(…なんだったんだ…)
困惑する私は、机の上を見る。
「…え…」
そこには何も出ていなかった。
私は、授業の準備をし忘れていたのだ。
(…忘れて…た。)
明確な異変。
今日は、それらの違和感が、明確な異変として私に訪れていた。
授業は通常通り再開されているが、私だけは何もしていない。
(…何が起きているの…)
教科書をリュックから取り出そうとしたが、いつも入っているはずの教科書と筆記用具が無い。
戸惑っていると、あの音が再び聞こえてきた。
シャンッ、シャンッ
(…!また…)
明らかに朝よりも明確に聞こえたそれを、私は探した。
やはり、そこには何もない。
だが、私は知っていた。
音のしたその場所が、私の席であることを。
そしてそれを見つけていた。
私は屈み込み、それを見る。
(……紙…。)
昨日は取らなかったが、私は自然とそれに手を伸ばしていた。
そしてー…




