表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白亜の華  作者: 文記佐輝
初めての『色』
PR
2/5

感情とはなんだ

「………」

ニャ〜オ

可愛い猫が挨拶をしてくれている。

…いや、ただ伸びをしているだけか。

私はリュックの持ち手を握りしめ、再び歩く。

今日は、学校だ。

「おはよう。」

校門では、決められた言葉しか口に出さない先生が立っていた。

「…おはようございます」

私は小さく会釈し、教室へ向かう。

いつもと変わらない日常。

いつもと変わらない風景。

…………

教室へついても、誰も話さない。

音は最小限で、大きな音は聞こえない。

私も席につき授業の支度を終わらせる。

キーンコーンカーンコーン…

チャイムが鳴る。

先生がすでに決まっている言葉を言う。

「今回は15ページから始めます。皆さん、教科書を開いて。」

先生の声は、淡々としていて、どこにも感情はない

……………

…感情って、そもそもなんなのだろうか?

ふとペンを止め、教科書に載っているその文を見つめた。

(…感情…?)

そこにはこう書かれていた。

『それは人が人であるための必要な要素。

人は感情が無ければ生きていけない…。』

じゃあ、私たちはなぜ生きているのだろうか?

教科書に書かれている文字に対して、私はそんな疑問を投げかける。

感情もない、色もない…。

もしこの教科書に載っていることが本当なのであれば、なぜ私は生きているのだろうか。

(わからない…)

小さく息を吐き、黒板に書かれた白い字をノートに書き込んでいく。

その時ー…

「……あっ。」

ガッ、カチャンッ…

ペンが落ちる音が、教室に鳴った。

クラスメート全員が、ほぼ同時にこちらを見てくる。

「…白井。何してる?」

「…すみません。ペンを落としてしまいました…。」

先生は真っ黒な目で私を一瞥した。

彼は軽く注意をして、再び授業を再開する。

皆も私から目を背け、黒板に書かれた文字をノートに書き始めた。

私は静かに椅子を引き、そのペンを拾おうと屈んだ。

「…?」

机の下に何かあることに気づいた。

(なんだろう…。この紙…)

それを取るか否かを考え、私はそれを取るのをやめた。

今日も、何ら変わらない一日を終えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ