第十三幕 搾取される魔王
薄暗く陰湿な空気が漂う部屋の中、中央には魔法陣。周囲には篝火が周囲を照らしている。奥に座っている魔王こそ、異世界デイカオスの魔王、カオスデキオン。
椅子に座り頬をつき虚ろな目で魔方陣を見ていた。
彼の周囲には誰もいない。かつての栄光に思いを馳せているのだろうか?
「おうおう!相変わらずしけた面してやがるなあ!」
そこへ扉を蹴り飛ばし、明らかにチンピラ風の人物が三名ほど部屋に入ってきた。中央のリーダー風の男は、勇者ギリ。左右に勇者マク、勇者ゼオだ。
「よ、ようこそ。お越しいただきまして・・・」
ふんぞり返っていた魔王カオスデキオンは、椅子から飛び降りて正座する。
「こっちはてめえの辛気臭い面見に来たわけじゃねえんだ。魔力はたまっただろう?早く奴隷を出せ」
異世界デイカオスでは、魔族は人族の奴隷として売買されている。新しく魔族を生み出す能力を持つ魔王カオスで気温はここに監禁されているというわけだ。
「へ、へい。しかし、魔力は・・・」
「ああ?魔力がなんだって?」
「い、いや別に・・・」
正直魔力はまだたまっていない。とはいえここで断るとどうなるか分からない。仕方ないので、カオスデキオンは魔力を込め、魔法陣から魔族を生成することにした。
「おう!エロいやつを頼むぜ!」
「ああ。雌型の方は最近は高く売れるからな!」
「は、はい」
カオスデキオンはあまりの屈辱に顔をしかめ頬をかむが、すぐに儀式に取り掛かる。
すると魔法陣が光り、魔族が姿を現した。
「・・・ふざけてんのか?」
出てきた魔族は、拳サイズほどのスライムだった。
「し、しかし。これは雌型でして・・・」
スライムはプルプルと動きながら、女性のような形になりセクシーポーズをとる。カオスデキオンはそれを見て、媚びるようにニンと笑った。
「なめんじゃねえ!」
勇者ギリは、カオスデキオンを蹴り飛ばす。
「ぐわ!」
カオスデキオンは吹き飛ばされ、後ろにある扉に激突し自室へ飛ばされた。カオスデキオンは普段この部屋で過ごしており、儀式のときだけ儀式の間に待機しているということだ。
「も、もう余の魔力は底をつきておる・・・」
とカオスデキオンはのしのしと近づいてくる勇者に怯えながら言い訳をする。勇者ギリはカオスデキオンの胸ぐらをつかみ。
もう一発殴り飛ばした。
「だったらてめえは処分するまでだな!」
といって、剣を抜く。
「おい。ちょっと待って。ギリ」
「どうした?マク」
「そこ見てみろ。誰かいるぞ!」
「なに?今まで気づかなかった。なんだてめえは?新しい魔族か?」
「だが男だな。というか人間に見えるが」
その人物こそ最強の魔術師、マドー・マホー。マドーは現在読書中だったので、我関せずを決め込んでいたのだった。




