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レジスタンス  作者: 藍
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9話 混沌の名前

本来なら眠り続ける筈のもの、生死などとっくに踏破した末に自ら歩み寄った。


大きく二つに分別出来る〔陰気な自分〕と〔陽気な自分〕、二つにどちらが上や下なんて適用は既に通り越す、混ざり、濁るで無くより純粋に、繰り返した魔女の回す釜茹は遂にして透明な一つのスープを完成させた。


魔女は、灰色にも見えるそれを完全で有ると言った。


もはや男女の二元性が在った、それは光が闇を生み出し光はそのまま光から対比される対照的なものとして光を完全に欠如した闇を導き出し光は光と同時に闇を含んだ、闇は潜在的なものとして闇だけでなく光も含んだ、男女の二元性にもそのようになっている。


男には男性と女性が含まれる、女にも男性と女性が含まれる、そこから更にそれぞれでまた分たれ、分別されて二元性は呼び名を変えて、二元性が二元性自体を含むことを”多様性”と形容した、また分けること自体が”多様化”とし、これは論理的に無限に繰り返せるだろう。


偏見や先入観として表面的にある直感的な像、男性像に有る勇ましさや格好良さ、女性像に有る愛らしさや可愛さなんてのも、崇拝的なもの、肯定するべき解釈では無い、男性が可愛いくたって良い、女性がカッコ良くたって良いのだ。


男らしさ、女らしさ、そんなものは無い、縛られるものではなく、虚像、大きな型の様なものや、そのような理論から演繹的に導かれた属性は偶像とはまた違う、帰納的に導かれたそれだってまた事実で有り正しいのだ。


人は業や罪と同時に生きるうちに一つの多様などれかしらの属性に囚われて背負う事に成る。


「はぁ〜」


だがそれは自身、堂嶋へと原点回帰したのだ、そして零れ落ちて、希釈されていく概念のフラクタルを目視した、彼はそれを指でなぞり水滴同士をただ一なる全へと押し込めた。


初めは、混沌に呑み込まれていく、混沌としながら秩序然としたそれは不自由の中に真の自由を導き出した。


自由で在りたい、それ自体が自由と言う概念に縛られることなのだとすれば、自ずと答えは見えてくる、自分は自分に縛られると言うループ構造は自己を完結させ、自由とも不自由とも言い表せぬものであろう。


〔悉皆全滅の道理〕堂嶋が見た自己完結、完全無欠、そして自分と言う一如へと、そしてそれに近づくもの、自他共にすべてが滅び、そこに不滅が見えてくる洗礼再誕そのもの、動的な運動そのものを言い表し、これ自体に網羅的に真理があると言って良いだろう。


全体に浸透し、すべての真理の背後に有る道理を理解した、固定することが不変の真理の超越を促し、恒久的に非固定なそれ、捉え、その度に上がり、言葉にすることが可能で有ると言う命題を偽とし、ジェスチャーや指を指すと言う失礼なこと程度、ソレと言う認知、それやアレ、そう言う言い方しか出来ない、否、それすらもあくまでそれと言う解釈、あれと言う解釈と言う感じに、其々で理解を超越した領域の原理を理解したのだ。


、、、。


「湘南グループのすべてが、貴方に付いていく所存、敗北者一同、あなた様に」


「ならば手始めに、グループの解体と再構築だ、平塚市フィファリスカンパニーを中心とし、湘南を統一する、八市ではない、もはや湘南=湘南だ」


「いっそフィファリスカンパニーも、堂嶋組にしましょう!(やはり貴方を押し上げてよかった、堂嶋総裁)」


皮膚は回復し、脳を弄り思考速度をみんなの平均値に無理矢理押し込めて、関節を組み替えて可動域を狭め、筋肉に力が入らない様にし、常時重心移動を極める、内臓運動もまた緩やかに、髪色はいつもの黒に戻る、堂嶋はいつも姿形に戻った。


「堂嶋様万歳!堂嶋様万歳!堂嶋様万歳!」


言わずもがな全員がそれを理解していた、名前を付けられないものに、どれだけ枠に当て嵌めようとて流動的、つける事自体が無意味、否、当て嵌まらないものに、その真理に、何かを当て嵌めるならば?皆が総称的仮称として〔灰之鬼神〕と、もはやこれ以外には無かった。


名付けは無く、真理とは言うまい、条件からも抜けては、認識不能と言わざるを負えぬ、言葉の限界の先にあるそれを神と呼ばざるしてなんと言うのかと、皆考え方は、真理論的思考で有った。


「んで、神奈川暴力装置、お前らはどうすんだ、湘南グループとの関わり方は」


「我々と同盟関係を築きましょう」


「、、、ふむ、属湘南化した方がいいかな豊」


「ここは対等な方が宜しいかと」


「分かった」


こうして堂嶋は名前も知らない相手のトップと握手を組み交わした、、、それから月日は驚くくらいスピーディーに流れ始めた。


「堂嶋組も随分と大規模な組織に成りましたね、湘南から始まり、着々と版図を広げ、堂嶋組はいつしかこんなにも大きく成りましたね」


「あぁ、すべては皆んなのお陰だ、僕なんかただの象徴でしかなかった、灰之鬼神なんてのも馴染んで来たよ」


灰之鬼神とは、権威ではなく、また理解でもない、掴めるものではなく、技術でもない、混沌の形容だった、、、。

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