新たな恋
後日談
実は私が帰ったふりをしたあとの二人をずっと見ていた私は、あーちゃんを無事に送り届けた彼に声をかけた。
「おつかれさま」
「盗み聞きとは趣味が悪いぞ、旭日」
「気付いてたのね」
「俺がいた位置から丸見えだった」
「それはしくじったわね」
「まったく・・・話があるんだろ、聞くよ、今ここで」
「あーちゃんが見てるかもよ?」
「いいんだよ、もう大丈夫だ」
「そう、―――私ね、貴方の事が好き、だから、その・・・」
「な、何だ?」
「わ、私と・・・私と、付き合ってくださいっ」
「こ、こちらこそ、よろしく・・・」
そんなわけで、私たちは付き合い始めたのだった。
この時にわざわざ、あーちゃんの家の前で告白させたのは、
実はあーちゃんに告白するところを見たいと言われたからだ。
という事は、それから1週間が過ぎた日に告げられたのだった。
それが約2年3ヶ月前の事だった。
私たちは1年前、とある理由で別れている。
私が一方的に振ったのだが、何せ手紙で振ったものだからその後の関係がひどくギスギスしたものとなった。
そんなことを思い出しつつ、私は校門を通る。
今日から晴れて高校生となった私は、実は好きな人がいた。
あやと、・・・橘の事ではもちろんない。
入学試験の日に起こった運命の瞬間。
あのお方こそが、私の王子様!
こほん・・・つい顔がにやけてしまった。
ふと、この学校の近くに神社があったのを思い出した。
「そういえば、あいつと一度近くの神社の境内で待ち合わせてミニデートをしたなぁ」
そんな昔の思い出を置き去りにするようにして。
私は大きな一歩で踏み出した。
桜並木の向こうに見える、運命の王子様に声をかけるために。
END




