冒険者ギルドへ行く
冒険者ギルドに着いて中に入ろうとしたが従魔の登録もあるならまとめてした方がいいかと思い先にフェンを召喚しておいた。
扉を開けた瞬間、酒と肉の匂い。鎧姿の男たちに壁に貼られた依頼書、怒鳴り声と笑い声が混ざり合う騒がしい空間に、リックは思わず足を止めた。
「────懐かしいな」
異世界では毎日のように通っていた場所。
だが、日本へ来てからはコンビニもホテルも静かで綺麗で、“整いすぎて”いた。
だからこそ、この雑多な空気が逆に心地いい感じがして懐かしく思えた。
「グルル……」
隣の従魔も鼻をひくつかせる。ギルドに併設されている酒場兼食堂の肉を焼く匂いに反応しているのだろう。
すると奥の冒険者たちがざわつく。
「おい、なんだあの狼……」
「デカくねぇか?」
「魔物連れてんのか?」
リックは気にした様子もなく空いている受付へ向かう。しかし受付嬢は笑顔のまま固まったままだ。
理由は、リックが無意識に纏っている“圧”。
長年S級として戦い続けた者だけが持つ、生き物としての格の違い。
「ご、ご要件をお伺いします…っ」
なぜか怯えた様子を見せる受付嬢になぜ怯えてるんだろう?と首を傾げるリックだがとりあえず要件を告げようとした時、上から急いで階段を降りてくる気配を感じた。
マ、マスター!と受付嬢が呼ぶとリックはなるほどと、少し強そうな気配があるなと思っていたのだがギルドマスターだったらしい。
「初めましてだね、あまりにも急に強い気配がして降りてきてみたら君みたいな人がいるだなんて…。これでは受付どころではないね、他の冒険者たちもちょっと怖気付いているから良かったら上に来てもらえるだろうか?」
ギルドマスター直々に対応してもらえるらしい。リック自身、対応してもらえるなら誰でもよかったので着いていくことにした。
「従魔もいいだろうか?」
もちろんだよとリックとフェンは室長室に案内された。
部屋に入るとソファーに案内され、僕が入れたのでごめんねと言いながらお茶を用意してくれた。うん、お茶もうまいな。
「それでさっそく要件を聞いてもいいかな?あ、自己紹介をしておくね。一応この冒険者ギルド横浜支部のギルドマスターをしている高木という。ギルマスでも高木でも好きなように呼んでくれていい」
目の前のまだ40代ぐらいに見える荒事は得意じゃなさそうな雰囲気の男性が挨拶してきた。
「リック・ハンストンだ。昨日この都市に来て冒険者登録をしようかと思ったのと、従魔の登録などが必要てあればしてしまおうと思ってギルドに来たんだがなぜか受付嬢が怯えていてな」
怯えていたのはお前の圧のせいだよと言いたいギルマスだがそれよりもこんなに強そうで歴戦の猛者みたいな雰囲気を出しておいて冒険者登録をしていないことの方が気になった。
「───登録か?他国であっても作っているならそちらを見せてもらえたら新しいのを作らなくても日本のと紐付け可能だが…」
確かに見た目は外国人っぽいからアメリカとかその辺の冒険者だと思われても仕方ないが、なんせリックは異世界アステリア出身なのだ。そこのギルドカードが使えるとは思わないが一応出して聞いてみた。
「俺が使っていたのはこのカードなんだが使えるだろうか」
カードを見せ、多分どこのとも違うし文字も読めないだろうなとは思いつつも一応聞いてみる。ギルマスぐらいになら事情を話してもいいだろうか、悪人にも見えないし話したところで便宜を図ってくれるならそれでもいいのではないだろうかと思いだした。
「すまないが私には読めないみたいだ。どこの国とも違うしどうしたもんか……」
ギルマスは少し悩んだ。
「君次第ではあるが、私は看破というスキルが使える。相手が嘘をついているかどうか見破れるスキルだ、ここに書いてあることを自己申告してもらい嘘ではないと確認がとれたらその情報でギルドカードを作ろう。どうだろうか?」とこちらにしてもありがたい事を言い出した。
「ありがたいがそんな都合よくしてもらっていいのか?昨日来たばかりの男だが…」
構わんよ、君みたいな強い人を初心者にしておく方が不利益だと笑っていた。
情報を伝えて国に縛られるのは嫌だが当分は日本にいるつもりだしあちこちに情報を言いふらさなければ日本に何かあれば協力するのもやぶさかではないかと思いギルドカードの情報と異世界から来た話をギルマスに話し始めた。




