ダンジョン発見の報告
『主よ、戻ったぞ!』
モンスターを探しに行っていたフェンが戻ってきた。
「なんか良いモンスターはいたか?」
『スライムがこれを吐き出してきたんだが、これは何だ?』
これは……真珠だな。パールスライムってところか。普通に売っている真珠より2回り程大きくてご婦人たちが黙ってなさそうだ。
『あとはこのゴーレムだが、鉱石や水晶、貝殻なんかで出来ていた』
「このシェルゴーレムだけでかなり高く売れそうだな」
この階層は全体的に鉱石や水晶などに関係するモンスターばかりでやはり金策にはもってこいな場所だ。
『あと1番奥にいたのはこの蟹だ!きっと美味いぞ!』
これは、パールキングクラブというのか…甲羅は全部水晶で覆われているから直接炙って蟹味噌は難しいか?どうにかして食べられないだろうか。
『我はまだ探してくるから主たちはここで採取を頼んだぞ!』
カニクリームコロッケですっかり蟹にハマったフェンが追加で探しに行ったから俺たちはまた鉱石探しをすることにした。
「綺麗な虹色だ…」
この綺麗な虹色の水晶は、虹光結晶だ。長いこと生きてきた俺でも異世界で1回しか見たことないぐらい希少な水晶だ。
全属性の魔力に対応していて魔力の増幅効果などもある。これは売らないで俺が持っておこう、売るとしてもかなり高値じゃないと売らない。
「あれも真珠なのです?」
「いや、あれは真珠石って言うらしい」
真珠が壁の中で結晶化したものを真珠石か。ということは、パールスライムが吐いた真珠が原因で真珠石になるっていうことだな、面白い。回復魔法との相性が良く聖職者の装備などに使うと良さそうだという鑑定結果だ。
俺は回復魔法を使う時に杖などを使わないから関係ないが、これも少しだけ採取して買取に出そう。
『戻ったぞ!他にはモンスターがいなかったのでな、先程のパールキングクラブをもう1体狩ってきたぞ!』
また蟹を狩れて嬉しそうなフェンがシッポを揺らしながら帰ってきた。
「この鉱石を採取したら地上に戻るか」
深海星鋼…これも初めて見るが水が近くにある場合にしか生成されないらしく、軽く錆びない鉱石だという鑑定結果だ。
これは包丁にしたら最高ではないか?地上に戻ったら作ってもらわないと。
「よし、このぐらいでいいだろう。攻略はまた今度にしてギルドに報告しに行くか…」
フェンとメリルは話が長くなりそうだから1度家に戻り留守番してもらうことにして、俺は那覇支部までやってきた。
受付とのやりとりはスムーズに終わり、室長室まで案内された。
「久しぶりって言う程でもないが久しぶりだな。また面倒事でも持ってきたか」
「おいおい、面倒事なんて持ってきたことないだろうギルマス」
厳つい顔した金城のおっさんが呆れた顔をしているが俺は面倒事なんて持ってきた記憶がない。ただ海龍蛇と友人になっただけだ。
「まあ、それはいいとして何があった?」
「未発見のダンジョンを見つけた」
──ガタッ!
「未発見のダンジョン、だと?」
ギルマスが勢いよく立ち上がるが、我に返ったのだろう、すぐに落ち着いて聞いてきた。
「ああ、だが運がいいのか悪いのか多分ほとんどの冒険者は行けないな。海の底深くに入口がある」
「それをお前さんたちは行けたのか?」
「海龍蛇から貰った鱗でペンダントがあるからな、水中呼吸の恩恵がある」
「羨ましい限りだな、これでは中の調査にも行けないか…」
「攻略はしていないから何階層まであるかはしらないが3階層までのモンスターや鉱石なら多少買取には出せる。それと水中呼吸の魔導具なんかを使ってダンジョンに行くのは勝手だが1階層からBランク冒険者ぐらいじゃないと厳しいぞ」
「それはモンスターが強いということか?」
「いや、モンスターはDランクぐらいでも倒せるだろう。だが海だ、空を飛べる奴かモンスターがいる海を泳いで行ける奴でないと厳しいという事だ」
「なるほどな…」
それから俺は更に詳しく出てきたモンスターの特徴や鉱石、未発見の物の手続きなどに1時間以上かかって帰宅した。
未発見のダンジョンを発見したことや新しい鉱石の情報などで報酬を貰いまた金が増えたがそろそろ使い道がなくて寄付とかしたほうがいいか迷ってきた。
ギルマスにはダンジョンを調査してくれと頼まれたが、とりあえず行けるのは俺たちしかいないんだ。別に今調査しなくてもまだ猶予はあるだろうということで後日気が向いたら行く。行けたら行く、多分な。




