魔導具店へ行く
宝飾店から歩いて数分の場所に紹介された魔導具店はあった。
「いらっしゃいませ〜」
受付にいた女性に宝飾店から紹介されたことを伝えると、店長を呼んできます!と走って行った。
何か良い商品がないか見ておくか。
「これいいな」
【迷子防止ブレスレット】
対になっていて登録した相手が魔力を込めると自分に相手の居場所がわかるというやつだ。なにか危険なことがあればすぐに向かえるし、知っている場所ならすぐに転移可能な俺にはぴったりだ、これは真羽に渡そう。何もないに超したことはないんだがな。
「お待たせ致しました、店長で魔導具技師の宝田と申します。兄からのご紹介だとか」
「ああ、さっき宝飾店の方に行ったんだがこちらで付与をしてもらった方がいいと言われてな。この海龍蛇の鱗なんだが」
「──なるほど、これはこちらの方がいいかもしれないですね」
「これを3つペンダントにしてほしいんだ。付与はおすすめがあれば聞きたい」
「そうですね……この素材の良さを引き出すとすれば水属性の耐性付与と、魔力回復の付与などいかがでしょうか?」
「そうだな、それで頼みたい」
そして俺たちは細かなデザインなどを話し合って決めた。
「ついでにこの迷子防止ブレスレットを買いたいんだがいいか?」
「珍しいですね、これを買われるのは子供用の方が多いのですが」
「子供相手みたいなもんだ。心配なんでな」
真羽はこれからもダンジョンに果敢に挑戦していくからな、守れる力があるなら守る。それが師匠っていうもんだろう、多分。
「他にもおすすめがあれば買うがなにかあるか?」
店長が何個か商品を持ってきてくれた。
「これは結界石といって、野営の時などに設置することでオークぐらいまでのモンスターなら結界が壊れることもありませんよ」
「いいな、買おう」
俺はダンジョンで野営する時なんかは人がいなければ空間に入れば安全なんだが、いざという時のために持っておいてもいいだろう、それか冬弥たちが持っていなかったらあげてもいい。
「あとこれはかなり金額が高いのですが、私が作った中では最高傑作で、アイテムリングです。容量は家1軒分ぐらいしかないのですが時間停止機能付きです」
バックじゃなくてリングなのがいいな。荷物にならなくて済むし、これはフェンに装着することが可能なのではないか?そしたら中に飯を入れておけば好きな時に取り出して食べられるようになる。これは間違いなく最高傑作と言っていいだろう。
「金は気にしなくていい、これももちろん買わせてもらおう」
そしてペンダントが出来上がったら連絡をくれるよう伝え、帰宅した。
「あっ、師匠!お帰りなさい!」
リビングでフェンとメリルとテレビを観ながらお菓子を食べていた真羽が俺に気付き声をかけてきた。こいつ自分の家かっていうぐらいくつろいでないか?まあ、いいか。
『海龍蛇の鱗は加工できそうだったか?』
「ああ、魔導具技師に付与を付けてもらうことにしたよ」
『ほう、それはいい』
俺は買ってきた魔導具を真羽とフェンにあげようとして気付いた。
「メリルに買ってくるの忘れた……」
「どうしたのです?」
今からでも何か買ってくるべきだろうか?
それとも今日の所はスイーツで許してくれるだろうか……
「いや、魔導具店でワンコとフェンに必要な魔導具を買ってきたんだがメリルの分も何か買ってくれば良かったと思ってな」
「私は小さいので魔導具は使うの大変なのです!だから甘いものが欲しいのです!」
「あっ、ああ!スイーツならたくさん買ってあるからいっぱい食べてくれ」
メリルがスイーツの方がいいと言ってくれて助かった、今度また追加で買い溜めしておこう。
「じゃあまずはこれ、ワンコ腕を出せ」
こいつはやっぱり迷いなく腕を差し出してくるが、本当に騙されないか心配になるな。
その腕には俺があげた剛力の腕輪をまだ律儀に付けている。
「これは迷子防止ブレスレットだ」
「っ、師匠!俺子供じゃないですよ!」
「俺からしてみれば子供だ。それにこれはお前が危険なことに巻き込まれたり、何か困ったことがあれば魔力を込めろ。俺が駆けつける」
そういいながら俺も自分の腕に対になっている迷子防止ブレスレットを付け、魔力を込めた。
「ありがとう、ございます師匠…っ」
なんだかんだ可愛いところもあるもんだ。
「フェンにはアイテムリングだ、容量は少ないが時間停止機能が付いているから飯を入れておけば俺がいない時でも何時でも食えるぞ」
『む!それはいいな、バックだと邪魔だがリングだと我の前脚に付ければ問題ないな』
「ああ、ダンジョンでもフェンが狩ったモンスターを一時的に入れておけば効率もよくなるだろ」
『うむ!』
また何かいい魔導具があれば買うのも悪くない、生活の質を良くするためには金は使った方がいいんだからな。
「ほらワンコ、泣きそうになってないでテレビの続き観てろ。今日も飯食ってくんだろ」
「っ、はい!!」
そして俺はキッチンに立ち夜ご飯の準備を始めるのだった。




