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異世界で最強の冒険者は現代グルメに敗北する〜美味い飯に感動していたら最強従魔が太りました〜  作者: 砂糖


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友人の説明

港まで戻ってくるとさっきのおっちゃんを見つけた。


「に、兄ちゃん海龍蛇は討伐できたのか?」


「いや討伐はしていない」


「そうか……兄ちゃんでも無理だったか」


なんか勘違いしてないか?


「おっちゃん、討伐はしてないがもう暴れることはないぞ」


「──は?」


「とりあえず状況を説明したい。この港で漁師をまとめてるやつを知っているか?」


呼んでくるよ、とおっちゃんがどこかに走っていった。


「俺がここをまとめている比嘉だ。海龍蛇について話があると聞いたんだが」


「ああ。俺はギルドから海龍蛇の討伐の依頼を受けたS級冒険者のリック・ハンストンだ。ギルマスにも報告したいからギルドまで移動したいのだがいいだろうか?」


「っ……兄ちゃんS級だったのか」


またしてもおっちゃんが驚いていたが俺たちはギルドへ向かった。


まだ受付にいたギルマスに声をかけ室長室で改めて状況を説明した。


「──海龍蛇と話せるだとか友人になっただとか鱗をもらったとかツッコミたいところは多々あるんだがそれは一旦置いておいて、不法投棄か。」


「ああ、実際に海龍蛇の縄張り近くにはゴミが大量に捨てられていた。何百年も生きてきて多少はあったがここまでひどいことはなかったらしい」


「若手の漁師たちや冒険者だろうな。ここ沖縄では珍しいモンスターや海の幸が取れるからって年々若手の漁師や冒険者が増えていたんだ、それは育成の関係もあるから喜ばしいことなんだが……」


「ルールも守らなければ言うことも聞かないのか」


「ああ、俺にもっと力があればな。完全に俺の監督不行届だな」


だが、実際難しいだろう。このまとめ役のおっちゃんも50過ぎだろうし、いくら強くても相手は体力も力もある若手の漁師や冒険者だ。返り討ちにされて殺されるなんてこともあるかもしれないからな。


だが海龍蛇にも犯人を探すって約束したし、どうせならどうにかしてやりたい。


「俺がボコボコにして二度と船に乗れないようにしてやってもいいんだが、それだと問題だよな……」


「いくらお前さんでもそれは厳しいんじゃ……できそうだな」


『ふん、主にすればこの街を消し炭にするのも容易いことよ』


「さすがにしないけどな」


「──出来ないとは言わないんだな」


人間兵器と呼ばれた男だぞ?出来るに決まっているだろうが。


「まあ、それは置いておいて。海龍蛇本人に聞くのがいいか」


「え?」


びっくりしている2人を無視して俺は念話で海龍蛇に話しかけた。


『さっき別れたばっかりだがちょっといいか?』


『どうしたのだリックよ』


『ゴミを不法投棄した奴らなんだが生意気な若手の漁師と冒険者なんだよ。二度と船に乗れないように俺がボコボコにしてもいいが海龍蛇はどうしたい?』


『ふむ、そうだな……我は今まで海と、そして人の子らを守ってきたつもりだったがもう人の子らを守るのはやめにしよう。お主ら友人だけだ。だから次そのような船を見かけたらやってしまっても構わんのだろう?』


『それで海龍蛇の気が済むのなら是非そうしてくれ。言ったところで聞くような奴らではないからな。こっちの偉い人たちにはそのように伝えておくよ』


『うむ、助かった。またいつでも連絡をしておくれ』


結局こうなってしまったか。何百年と海と俺ら人間を守ってくれていた、それこそ守り神みたいな海龍蛇が人間を切り捨てたのだ。

まあ、仕方のないことだろう。悪いのは人間だからな、関係のない街の住民にまで被害がないだけマシだと思うべきだ。


「おっちゃんたち、海龍蛇はもう人間を守ってはくれない」


「──どういうことだ?」


「今までこの何百年も安全に漁が出来てたのは海龍蛇が他の強大なモンスターを近付かせなかったりして俺ら人間を守ってくれていたからだ。だが今回のことで海龍蛇は人間を守ることをやめたということだ」


「そんな……本当に海の神様だったのか」


「今後はモンスターに船を襲われても自分たちで対処しなければならないし、また若い奴らが縄張りにゴミを不法投棄したらそいつらは殺されるだろう」


「っ……!なぜ、海龍蛇と話せるのにそれを止めなかった!」


ギルマスが怒っているがなぜ止める必要があるんだ?


「なぜ、止める必要がある。悪いのはどちらだ?海龍蛇は何一つ間違ったことはしていない、散々助けた相手に裏切られているようなもんだぞ、殺したくなって当然じゃないか」


「それは……」


「逆に聞くがその生意気な奴らを殺さないでくれって言って海龍蛇が余計に暴れてこの沖縄全部が更地になるのと、そいつらだけで済むのならどちらがマシだ?」


おっちゃんたち2人は何も言えなくなったみたいだ。そりゃそうだろう、いくら未来ある若手とはいえ何十人と沖縄の人口を比べればどちらが大事かなんて考えなくてもわかる。


「それより大変なのはこれからの漁だぞ」


「ああ、そうだろうな。船には必ず1人はモンスターを倒せる上位冒険者が必要だろう」


「魔術師の方がいいだろうな」


どうしても無理なら友人に頼むのは申し訳なく感じるが、人間を少しだけ守ってもらえるように口添えしておこう。対価は美味い飯で。


そうして俺たち初めての沖縄旅行はなぜか友人が出来て帰宅したのだった。


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