名古屋観光
翌日俺たちは昼過ぎに名古屋に到着していた。
「主さまっ、早く行きましょう!あそこから甘い匂いがするのです!」
いつもならフェンの方がはしゃぐのだが、あまりのスイーツの多さと甘い香りにメリルの方がワクワクし、フェンは孫を見守る爺さんみたいだ。
『メリル勝手に行っては迷子になるぞ』
「フェンたん!あそこに行きたいのです!」
『うむ、我が一緒に行こう』
でもこれはまた凄いな…異世界の市場とは違ってここは若い子が多いな。
「お、メリル。あそこにいちご大福があるぞ」
「はわっ、苺食べたいのです!」
これは串に刺さっていて食べやすそうだ。なるほど、こうすれば食べ歩きが出来るというわけか。たくさん買っておこう。
「この苺も美味しいのですが大福ももちっとして美味しいのです!」
『うむ、一口で食べられるサイズで良い』
メリル用に果物だけじゃなくて色んな甘い物がここで買えそうだな、これだけで今回の旅行を名古屋にして良かったと思うよ。
『主、あれはなんだ?肉の匂いがするが』
「あれは小籠包っていうらしい餃子の仲間みたいなもんだ。食ってみるか?」
『うむ!』
てっきりスイーツだけかと思っていたのだが、小籠包やパン、ポテトなんかもあるみたいでフェンでも楽しめそうだ。
『あちっ!』
「はふっ、美味いなこれも」
この中から出てくる肉汁が熱いけど美味い!
『おかわりだ!』
他の客や店員たちも小籠包を頬張る狼を見て微笑ましそうに写真を撮ったりしている。
肩に乗っているメリルも苺を持っている可愛さゆえに写真を求められることもチラホラあり、俺たちはいつのまにかこの商店街の歩く広告塔だ。
「メリル、苺専門店があるぞ!」
「全部買うのです!」
そうして俺は人生で初めて“端から端まで全部ください”と言ったのだった。
「この苺のパフェ最高なのです!」
『うむ、我も気に入った!』
甘党の2人ならなんでも気にいるだろうが。
だが、美味いな。普通の苺でここまで美味く、メニューも多い。クリスタルストロベリーで作ったらどんだけ美味くなるのか帰ったら参考にして作ってみよう。
『ところで主よ、明日からはどうするのだ?ダンジョンでも行くのか?』
「それでもいいんだが、この名古屋の近くに昔の王の墓じゃないかと言われている遺跡があるらしいんだが見に行ってみないか?特に何も発見されなかったらしく学者たちもあまり調べてないみたいなんだが、ダンジョンとは違った楽しみがあるからな」
『ほう、遺跡か。異世界でも主と何度か行ったがアーティファクトが見つかったこともあったな』
「楽しみなのです!」
「よし、決まりだ!明日からは遺跡探索だから、そうと決まればまだまだ食べ歩きするぞ!」
そうして俺たちはまだまだ始まったばかりの食べ歩きを再開していた。
そして俺は今、猛烈に感動している。
それはプリン専門店に来ているからだ。前に喫茶店で食べたような固めのプリンや、トロッとした柔らかめのプリン。俺は全種類頼み全部を味わった。
「プリンだけでこんなにも種類が……」
「私はこのトロッとしたのがいいのです!」
『うむ、我もだ』
どっちがいいかなんて決められない。それぐらいプリンは美味いんだ、やはりプリンを作ったやつが国王になるべきだな。
最近思うのだが、日本はかなりの食文化で飯が美味いと聞くが、海外はどうなのだろうか。日本食ではないまた違った美味さがあるのではないかと。今はまだ日本で行きたい場所の方が多いし、楽しめるが俺は不老だ。
そのうち海外にも行ってみてもいいかもしれない、言語理解スキルで通訳には困らないからな。海外のスイーツはどのようなものなのだろうか、とても気になる。
そんなことを思っているうちにみんなプリンを食べ終えたようだ。
しっかりと追加でテイクアウト分を注文し次のお店に向かった。
「ふぅ、主さまっ!これ以上食べると夜ご飯が食べられなくなるのです!」
『我は食えるがな』
フェンは一旦置いておいて、確かにかなりの店を食べ歩きした。身体が小さいメリルにはお腹いっぱいだろう。
夜はひつまぶしを食べに行く予定だし、今日1日で商店街を全部回らなくてもまたいつでも来れる。よし、ここまでだな。
「じゃあ街を見たり買い物をしたりして時間を潰そう。その後夜ご飯だ。遺跡の情報なんかは調べたりするとつまらないから今回は何も調べないで行こう」
そうして俺たちの名古屋観光1日目が終了したのだった。




