従魔も食事とホテルに感動する
『ところで主よ、我は腹が減った!飯を食いたいぞ!』
フェンが空腹を訴えてきたのでそろそろ飯にするか。俺はさっき軽くパンやおにぎりなんか食べたからそこまででもないが大食いの神狼ならお腹がすいている時間か…と思いインベントリから焼いてあるオーク肉を出してやった。ハフッハフッと食べているフェンの横で俺は買ってきた弁当を取り出し食べ始めた。
『────主よそれはなんだ?』
なんか横からすごい視線を感じるなと思っていたらすでに肉を食べ終えていたフェンがこちらを見ていた。
「コンビニっていうところで買った弁当だよ、食ってみるか?」
そう聞くと、もちろんだ!と嬉しそうに目をギラギラさせたフェンがそわそわし始めた。
そういえば買ったチキンもあったな、あれもあげるかと思い弁当と一緒にチキンも出してやった。
『────ワフッ!?主よ!何だこの肉は!なぜこんなに美味いのだ!?』
チキンを食べたフェンがはち切れんばかりにシッポをフリフリし始めて落ち着きなく興奮している。…そんなに美味かったか、オーク肉なんかよりやっぱり日本のチキンの方が好きか。フェンとはやはり食の好みが合いそうだ。
やっと落ち着いたフェンは食べ終わってしまったのを思い出したのか、悲しそうな顔をしている。異世界で災害級だとか国1つ簡単に滅ぼせる神狼がチキン1つでこの世の終わりみたいな顔をしている、ちょっと面白いなとクスっと笑ってしまった。
『主よ!笑っている場合ではないぞ!このチキンとやらをまた買いに行かねば…!』
早くコンビニに行くぞ!となんかバカなことを言ってるが久しぶりにはしゃぐフェンを見て可愛いやつめ…とニヤニヤしているリックである。
「フェン、チキンは明日もまたコンビニに寄って買ってやるから今日は行かないぞ。チキンの他にも色々あったからまた明日たくさん買うよ」
ちょっと不貞腐れてるが、わかったと納得してくれた。…そういえば受付が部屋にお風呂があるって言ってたよな?フェンは入るかな?
「フェン、そういえば風呂があるんだけど一緒に入るか?」
風呂とはなんだ?と言うフェンに水浴びの温かい感じで石鹸とかで身体を綺麗に出来るし風呂上がりにブラッシングしてやるぞと言えば久しぶりのブラッシングが嬉しいのか、早く入るぞ!と言い出した。……お湯貯めるから待ってくれ。
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「ふぅ……気持ちよかったな。王宮や高級宿にも風呂はあったが、このシャンプーとやらは異世界の石鹸と比べるまでもないな。こんなに泡立つものなのかと少しびっくりしたぞ」
さすがにフェンは大きすぎたので少しサイズ変更してもらい小さくなったところで一緒に入ったのだが従魔用のボディーソープで洗ってやると毛の汚れも綺麗になりフェンも嬉しそうにしていた。
頭と身体を洗ってからフェンと一緒に湯船に入ると俺もフェンも、はぁぁああと声が出て仲良くお風呂を堪能した。フェンは水浴びはあんまり好きそうではなかったが風呂は気に入ったらしい、綺麗好きになるのはいいことだな。
その後ブラッシングしてやるかとベッドにあがるとそのフカフカさに俺もフェンもびっくりした…今日はもう驚くことはないと思っていたのだがこれは1度寝たら起きるのが億劫になりそうだと苦笑いした。
ブラッシング後に一緒にベッドに入り今日1日あったことを色々と思い出してみた。
神だと思われる爺さんに会い日本に連れてきてもらい、コンビニの食事に感動してホテルも素晴らしいものだった。どれも異世界では味わうことの出来ないものばかりだ。
「────もう異世界に戻りたくはないな」
その小さな呟きに『うむ』と小さく返すフェン。たった1日で現代日本に永住してもいいかと思うリックとフェンであった。




