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異世界で最強の冒険者は現代グルメに敗北する〜美味い飯に感動していたら最強従魔が太りました〜  作者: 砂糖


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ベヒモスで宴

俺たちは浅草支部に戻ってきた。


「あれ、リックさん忘れ物かなにかありました?」


みんなに買い出しの指示やバーベキューコンロの準備をしようとしているサブマスが俺を見つけて声をかけてきた。


「踏破してきた」


「──え?」


「60階層でやはり終わりだったぞ」


「いや、あの。まだ先程向かわれたばっかりでは……」


『強いやつだが我らにかかれば大したことではない』


ギルド内がシーンとして誰もが信じられないような顔をしている。


「リ、リックさん。ところで60階層は何だったんですか?」


「ああ、冬弥。ベヒモスだぞ、見るか?」


「っ……ベヒモスですか、火竜といいベヒモスといい最近はすごいモンスターばかり見る気がします」


「サブマス、解体するから解体場借りるぞ」


「ええ、解体場の職員には先程すでに伝えてあります」


さすができるサブマスだ。俺はベヒモスを見たがっている連中を引き連れ、解体場に向かった。


「これが、ベヒモス…兄ちゃんまたとんでもねえものを」


火竜の時にもいた解体場のおっちゃんは初めて見るベヒモスに目を輝かせていた。


「俺が解体するからおっちゃんはやり方を見てるといい、それなら次からなら解体できるだろ?」


おっちゃんはニヤリと笑って当たりめえだ!と背中をバシバシ叩いてきた。


「おお、すげえいい肉だな」


「そうだな、どんなモンスターが出るかわからなかったからとりあえずバーベキューの予定にしてたがそれで正解だったみたいだ。おっちゃんもたくさん食ってけよ」


「俺みたいなやつまで誘ってくれてありがとな!」


他の解体場の連中もみんなベヒモスが食べられると知り嬉しそうだ。


「あ、ダンジョン産の美味い酒もあるからな」


“うおおおおおおお”


解体場にはおっさんたちの雄叫びが響いていた。



「サブマス、準備はどうだ?」


「ええ、問題なく準備出来ていますよ。そちらも無事に解体が終わったみたいですね」


ギルド横には大勢の人が集まっていた、希望の光はもちろんギルマスや他の新人冒険者、中堅どころもみんなだ。あ、真羽も連れてくるか。


「フェン、ちょっとワンコ連れてくるわ」


『そうだな、あいつも呼ばないと拗ねるぞ』


そして俺は真羽に連絡を取り転移で迎えに行った。


事情を知らない冒険者たちは突然消えたリックにびっくりして何かあったのかとソワソワし始めた。


『弟子を迎えに転移しただけだから気にするな』


「転移……だと」


「弟子がいるのか……」


「強い人はやっぱり規格外なんだな」


みんなそれぞれ納得していたところに真羽を連れてリックが戻ってきた。


「あ、おまえ!前にギルドでうろちょろして希望の光に付きまとってたやつか!」


「はい!!あの時はご迷惑おかけしてすみませんでした!無事に師匠の弟子になれました!」


“うおおおおおおお”


ここでも大歓声だ、なんだかんだこいつはどこでも可愛がられるタイプらしい。


「ワンコうるさい」


「はい!!」


確かにこれは犬だな、とみんなまた笑った。


「よし、そろそろバーベキュー始めるぞ。サブマスいいか?」


「はい、開始の音頭はリックさんお願いします」


「あ〜、あまりこういうのは得意ではないんだが少しだけ。いつもここで活動している冒険者なら誰しもが最下層に行き初踏破したかったことだろう、それなのに他所の支部の俺が美味しいところだけ奪った形になってすまない。だから代わりにこの美味い肉をたくさん俺から奪う気持ちで食ってくれ!そして、今日は函館のグルメダンジョン産の酒も出そう!それでは、乾杯!」


“かんぱ〜い”!


みんながそれぞれ何ヶ所かに別れて置いてあるコンロの前でベヒモスを美味そうに食っている。その美味そうで嬉しそうな顔をみて、異世界では味わえない楽しさがここにあるんだな、とリックも嬉しい気持ちになった。


『ベヒモスを食ったのは何十年ぶりかだが、やっぱりこのアウトドアスパイスというやつをかけたら美味いな!』


「みなさん飲みすぎはだめなのです!ほどほどなのです!」


フェンも美味そうに食ってるし、メリルはおっさんたちに注意しながら楽しんでいるようだ。あれ、真羽は?


「んっ、グスッ、ふぇっ」


え、なんで泣いてんの?


「どうしたワンコ」


「ふぇっ、師匠〜!俺、こないだミノタウロス食って感動したばっかりなのにその次がベヒモスだなんて!もう普通の肉が食えなくなったらどうするんですか〜!!」


こいつは酔っ払ったら泣き上戸になるらしい、覚えておこう。


たまにはこういう宴もいいな、また機会があれば是非やりたい。

そして楽しい宴は夜まで続いたのだった。

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