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異世界で最強の冒険者は現代グルメに敗北する〜美味い飯に感動していたら最強従魔が太りました〜  作者: 砂糖


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期間限定という誘惑

翌朝、果物とヨーグルトというなんとも健康そうな朝食を食べながら今日の日程や作り置きのレシピを調べたりしていた。


「肉や野菜なんかはあるけど麺類と、パンがちょっと少ないか…明日から来る新人冒険者はさすがにホテルに泊まるだろうから夜とかは食べないとしても、俺たちと行動する時の食事はあった方がいいよな」


俺たちが昼に美味いものを食べてる最中に、あげないで待ってろというのも酷である。うちには大食いのフェンがいるのだ、今さら少し増えたところで大して変わらない。

──え、めちゃくちゃ大食いとかじゃないよな?ちょっと不安になってきた。


「フェン、パンとか買いに行ってくるけど何か欲しいものはあるか?」


『うむ、そうだな…初めて食べたコンビニのチキンがいいな!』


お、いいな。俺も久しぶりに食いたいから帰りに買って帰ろう。


「それじゃあ行ってくる」



────────────────────


スーパーでパンや麺、調味料などを買い近所のコンビニに着いた。


「──ん?」


コンビニの入口に“期間限定チョコ尽くしフェア開催中!”と書かれていた。俺は思わず早歩きで店内に入り、商品を物色していく。


チョコシュー、ダブルチョコエクレア、フォンダンショコラに生チョコプリン。


「なるほど、これは危険だ。目に入る商品ほとんどにチョコの文字が書いてある」


そう呟きながらも商品をカゴに入れる手は止まらない。


チョコクロワッサンに、チョコメロンパン。先程パンを買ったばかりだというのについついパンも買ってしまう。


「期間限定、か」


期間限定という言葉はずるい。今買わなければ二度と食えないかもしれないという可能性を匂わせてくるのだ。もちろん定番商品も美味いが期間限定は今しかない…


「つまり実質今全部買えということだな」


だがここまでチョコだけで商品を揃えるとは、企業努力を感じるな。敬意を払わなければ。


──敬意の方向性を間違えてる気がしたが気にしたら負けだ。


カゴにいっぱいになったチョコ尽くしの商品を見てリックは呟く。


「これは仕方ない、期間限定だからな。調査のためだ…」


そう自分に言い訳しながらレジへ持っていった。


「チョコお好きなんですか?」


「──まあ、嫌いではないな」


カゴには9割チョコの商品で誰が見てもチョコ好きだとわかるのになぜか若い女性店員に聞かれ恥ずかしかったのか嘘だとバレるような回答になってしまった。さっさと帰ろう。


「あ、やべ。フェンに頼まれてたチキン買うの忘れてた」


すっかりチョコ尽くしフェアに夢中でチキンを買い忘れてコンビニに戻るリックだった。


「ただいま〜」


『主よ、おかえり。チキンはあったか?』


「ああ、ちゃんと忘れずに買ってきたよ。それより、今日デザートの作り置きをしなくても良くなった。コンビニでチョコ尽くしフェアが開催してたんだ」


『なに!?食いたいぞ!』


「ああ、空間に入ってメリルにも食べるか聞いてくるよ」


結局俺たちはみんなで商品を食べレビューをしていた。


『このチョコシューというやつは文句なしに美味いな、星5だ』


「私はこのフォンダンショコラが好きなのです!大きさも食べやすくてちょうどいいので、星5なのです!」


「うん、この生チョコプリンも美味い。カラメルこそ至高だと思っていたがチョコもいい。星5だな」


調査という名目で買ったのだからと始めたレビューだが結局美味くて全員星5になってしまった。


「なぜ、こんな美味いのが期間限定だというのだ。定番化すればいいじゃないか…」


『うむ、意地悪なのか。それとも期間限定にして敢えてたくさん買ってもらうという戦略なのか』


「カカオを育てるべきなのです?」


俺たちは期間限定が終わる前にコンビニをハシゴして買い尽くすことを決めた瞬間だった。


「はっ、待て。チョコ尽くしフェアがあるということは他のフェアもあるのか…?」


『む!?』


俺はスマホで過去にどんなフェアがあったか調べた。


「抹茶や苺尽くしフェアなんかもあるが、ご当地フェアもある。値段変わらず増量キャンペーンだと?」


なぜいつもと同じ値段で増量なんかできるのだ……?それでは赤字ではないか。


『コンビニというのは素晴らしいな』


「ああ、俺たちはコンビニに一生勝てないらしい」


またしても敗北した瞬間だった。

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