突然の連絡
『我、復活したぞ!』
苺サンドを食べて元気になったフェンが先頭で4階層を探索して行く。この階層も火山エリアだが、出てくるモンスターが魚系になっているらしい。俺は魚も好きなのだが、フェンがどちらかというと肉が好きなのでついつい肉料理ばかりになってしまうのが最近の悩みだ。海鮮丼は気に入ってくれてたが、他の料理も気に入ってくれるだろうか。あれ、でも鮭とば好きだよな?
『ここでは何を倒すのだ?』
「何種類かいるみたいだけど何にしようか」
『我は肉の方がいいのだがな…』
うるさい、俺は魚も食べたいんだよ。フェンが食べたことあるのは異世界でよく流通されてる干物だからな。きっとパサパサで苦手なんだろう。
「美味く調理するから大丈夫だ」
『それならいいが…』
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「ん?フェン、ちょっと待ってくれ。電話がかかってきた」
珍しい。ギルマスから連絡がきた。俺はそもそも連絡先を交換してる人が少なすぎて、電話がかかってくることなんてほぼないのだが…
「もしもし、どうしました?」
「すまないね、君が今北海道にいると聞いていたのだかちょっと困ったことになってしまって」
ギルマスが連絡してくるってことはよっぽどのことなのだろう、別にダンジョンにはいつでもこれるからいいか。
「今すぐ、ギルマスの部屋に転移しても大丈夫ですか?」
「あっ、ああ。よければ来て貰えると助かる」
そうして俺とフェンは4回層の途中で1度横浜支部に戻ることとなった。
「お久しぶりですね、ギルマス」
ギルマスの部屋にはなぜか宮本さんまでいた。え?あなたサブマスなの?
「数日ぶりですね、リックさん。いつも受付におりますが本来は副ギルドマスターとして職員や冒険者に目を光らせているのですよ」
え〜こわ。怒らせたらダメな人だこの人。
「ところで、困ったことというのは?」
「東京の浅草ダンジョンでAランクのベテランパーティーが予定の期間すぎているのに戻らなくてな」
「浅草ダンジョンはまだ踏破されたことがなく、今回Aランクの“希望の光”というパーティーが53階層以降の未踏破エリアに向けて出発したのが1ヶ月ちょっと前なんです。それに連絡すらつかなくてね」
情報をまとめると、まだ何階層まであるかわからない浅草ダンジョンの攻略にAランクパーティーが向かったけど予定してた1ヶ月を過ぎても戻ってこないと。そして連絡すら出来ない状況であると。
「彼らも容量はそこまで多くはないがアイテムバックを持っていて、食料などの心配はしていなかったのだが怪我で動けないのか、モンスターにやられてしまったのかわからなくてな」
「Aランクがやられるほどのモンスターかもしれないことと、そこまでたどり着けるパーティーが浅草にはいらっしゃらなくて。それでこちらに要請がきたということです」
確かに、Aランクがいなくなってしまうとその都市も困るか。
「断ってくれても大丈夫なのだが、一応助けに行ってくれるとこちらも助かる。」
「いいですよ、場所を調べて見ましたがこれなら電車やタクシーより走った方が早そうですね。今回はダンジョンの攻略とかは無視するのでモンスターなどはスルーして人命救助優先で動きます」
「は、走った方が早いのか?」
「ええ、さすがに全速力で走ると周りがびっくりしそうなので自分に隠蔽をかけて走ります。大体20分ぐらいで着きそうです」
「助かります、報酬なのですが希望の光が生きていたとしても亡くなっていたとしても浅草支部と横浜支部から200万ずつ、そして希望の光が生きていた場合そちらからも多少払われることとなります」
「それで大丈夫です。手持ちにポーションなんかもありますし、一応回復魔法も使えるので。俺には空間魔法があるのでパーティー全員を空間に入れ脱出することが可能です。亡くなっている場合も遺体があれば持って帰ります」
「こんなこと頼めるのが君しかいなくてすまないね」
大丈夫だ、戦争へ行けだの敵国の軍隊を1人で壊滅してこいだの言われるよりよっぽどマシだ。
「それでは急ぐので失礼します」
「無事に帰ってきてくれることを祈るよ」
そうして俺たちは浅草に向かって走り出した。




