3階層へ行く
「あち〜」
次の日、3階層へやって来た。早く氷魔法使って冷気を纏わせないと。
「よし、美味しそうな食材探すぞ!」
『うむ!』
俺たちは火山エリアの溶岩近くにやって来た。いるとしたらここら辺にいると思うんだけど…
「お、いたぞ。マグマボア!」
マグマボアは溶岩近くの高温の場所を縄張りにする傾向があり見た目は赤黒くゴツゴツとしていて、全体的に微弱な炎を纏っている。単独行動が多く、怒ると背中の亀裂から熱された蒸気を発するのが特徴的だ。
剣などで斬ると炎の熱さで武器などがやられてしまう。だから……
「ブモォ!」
「────《断熱結界》」
これでマグマボア周囲の炎そのものが消える。
「炎がなきゃお前はただの猪だよ」
「ブゴオオオォ!」
リックは一撃で首をはねた。
「これはシンプルにボア丼かな?」
『うむ、それがいい!』
食べることしか考えてないリックたちだった。
ん?あれはなんだ?歩いていると洞窟近くの岩場に鶏系モンスターがいるのを見つけた。コカトリスに似ているがちょっと違うな、
鑑定。
「──フレイムコカトリスか」
初めて見たが赤黒い羽根に燃え盛るようなトサカ。尾は大蛇のタイプだな。コカトリスは見たことあるが、それの炎タイプってところだろうか?
『あれは、我がやろう』
「──ギャアアアア!」
くちばしから火のブレスを吐いてきたが、それより先にフェンが動きだしていた。
一気に加速して近付く。フレイムコカトリスが威嚇するように翼を広げ灼熱の羽根を撒き散らしてくるが、フェンは全く怯えていないな。
熱風の中を突っ切り、岩場を蹴って喉元へ一直線に向かい鋭い牙が首筋へ食い込んだ。
「グギャアア!」
フレイムコカトリスが暴れ、火花が散るがフェンは離さずにそのまま地面に叩きつけた。
数秒後、動かなくなったフレイムコカトリスの上でフェンがドヤ顔していた。
そしてこんがり焼けた匂いのするフレイムコカトリスを見てシッポを振っていた。
「おまえ、もう食うことを考えてるだろ」
『うむ、美味そうだ!』
戦う姿を見てちょっとかっこいいと思ったがいつも通りのフェンだった。
『主よ、この階にはあと何がいるのだ?』
「牛がいるよ、それもめちゃくちゃ美味そうな牛が」
『む、どこにいるのだ!早く行くぞ!』
そんなに焦るな、ちょっと遠いんだから無駄に体力使わないでくれ。
牛というのは黒曜牛のことで火山エリアの鉱石地帯を縄張りにしている事が多い。火属性の鉱石や黒曜石を好んで食べるからだ。
漆黒の毛並みに身体に黒曜石のように光る角が特徴的だ。
「いたぞ、あいつだ!」
やべっ、今にも突進して来るかのように足踏みして地割れが発生してるじゃねえか!
また、断熱結界を使ってから倒してもいいがそれだとつまらないよな?
「凍れ───《氷牢結晶》」
するとあっという間に黒曜牛が凍ってしまった。だが、自身の熱でじわじわと溶けてきている。すぐにインベントリからハンマーを取り出し、
「あーら、よっと。ふんっ!」
ホームラン!振りかぶると頭が綺麗に飛んで行った。
『主よ、それはどうなのだ…?』
「え?」
『光っていた角は良かったのか?』
「──あああ!そうじゃねえか、取りに行くぞ!」
無駄に走る羽目になって余計な体力を使ってしまった。反省反省。
「危なかった。見つかって良かった……」
無いならそれで仕方ないんだけど、この素材で何か作れるかもしれないしな。取っておくに越したことはない。
「フェン、次の階層も火山エリアだから今のうちにどっかで休憩して軽くご飯食べるか」
『うむ!それがいいだろう』
ちょっとだけ暑いかもしれないが近くにセーフティーエリアなどないので隅の方で食べよう。
『我は苺サンドと苺ミルクが食べたい!』
「そんな甘いものばっかり食べて大丈夫?最近太ってきたよね?」
絶対に前より太ってきている、そりゃあ毎日、美味いもんばかり食べて甘いデザートも食べていたら太るか。食事減らす事は無理そうだし、ドッグランか?いや、ウルフランか?
もっと運動させるべきか…
『ぐぬぬ、食後のデザートを3日に1回にするのでどうだ!?』
まあ、それで様子見かな。
『よし!それでは苺サンドと苺ミルクを寄越すのだ!』
──やっぱり痩せるのは大変そうだ。




