函館ダンジョンへ行く
翌朝。
朝食を食べ、函館ダンジョンに向かった。
ちなみに、食べたのは函館で買ったハンバーガーだ。中に甘辛い唐揚げが入っていてフェンも気に入ったらしい。これはまた買いに行ってインベントリに入れておかないと…
昨日のうちに函館の冒険者ギルドに顔を出してダンジョンに潜ることを伝え、各階層に出るモンスターの情報を貰っておいた。北海道では人気のダンジョンらしく、特に買取に出さなくても間に合ってるみたいだ。
──さて、函館ダンジョンに着いたな。
「フェン、1階層には色々なスライムが出るらしいぞ」
『普通のではなくてか?』
フェンが知らないのも無理ないだろう。異世界にはスライムは1種類しかいなかったのだ。
だが、この地球ではたくさんの種類のスライムがいて、日々増えたりしてるのだとか…
「あ!フェン、そのスライム捕まえてくれ!殺すなよ、動けなくするぐらいだ!」
『む、殺してはだめなのか』
───プシュウウウウッ!
俺は慌ててインベントリから大きめの樽を用意した。そう、これはミルクスライムだ。口から酸ではなく、ミルクを吐き出すのだ。
極上のミルクで、北海道の高級飲食店なんかはこれを使用しているらしい。
2樽、いや3樽は持って帰ろう。
「よーし、いいぞ〜もう逃がしてやれ」
スライムはポヨンポヨンと逃げていった。
「──なにしてんの?」
『うむ、これはうまい!』
しっかり溢れたミルクを舐めていた。ちなみに、ロイヤルミルクスライムという超激レアなスライムがいるのだが吐き出すのはロイヤルミルクティーで、飲むとMPが回復するらしい。
探索中に見つけられたら幸運らしく、魔法使いなんかは飲んで回復するみたいだ。
──俺はステータスで唯一、運の値だけ上がらないんだよな…
「フェン、次はあれだ!」
『うむ、任された!』
なぜか逃げていくスライムを追いかけ、捕まえる。次はそんなに量はいらないので少し大きめの瓶を用意して……
『これは、なんなのだ?』
「クリームスライム、生クリームを吐き出すんだって。フェンの好きなアイスクリームの素だよ」
『なに!?そんな小さな瓶では足りぬ!もっとたくさん持って帰るぞ!』
結局大きな樽に入れることになった。このスライムをブンブン振ったらバター吐き出したりしないかな?……やっぱり可哀想だからやめとこ。
「すげえ、やっぱり色んな種類のスライムがいるな」
あれからずっと1階層でスライムを追っているリックたちだが、2階層へ行こうと思っても、次から次へと初めて見るスライムに樽を持って追いかけ回していた。
周囲にいる他の冒険者パーティーが樽を持って走っているリックと目がギラギラしてる狼にギョッとした顔をしてたのはきっと気のせいだと思おう。
「オイルスライムやチェダースライム、ヨーグルトスライムなんかも良かったが個人的にはこのコンデンススライムがお気に入りだな」
オイルスライムはエクストラバージンオイルを、チェダースライムは熱々のチェダーチーズを吐き出してきた。もちろんウッキウキで確保したのは言うまでもない。ヨーグルトスライムはあんまりまだレシピが思い付かないので朝食用に少しだけだけど、このコンデンススライムは極上の練乳を吐き出してくるのだ。毛皮がベタベタになりながらもフェンがずっと舐めていたので持ち帰ることにした。どうしよう、ずっと練乳をペロペロと舐める狼になったら…確実に太るな。太りすぎて動けなくなった神狼とか俺見たくないんだけど。
でも、苺にかけたら絶対美味そうだ。
───ところで糸が毛皮に絡まるから嫌だとか言ってなかった?練乳はいいの?美味しいからいいんだ……なんてちょろいんだ。
「あっ!あれ、宝箱じゃないか?」
通路に小さいけど豪華そうな宝箱を見つけた。罠もなさそうだしフェン開けていいぞ。
『む、これはバターの匂いではないか!?』
鑑定してみると“極上のミルクバター”と“幻のチーズ”が入っていた。これは当たりだ、絶対美味い。どんな料理がいいだろう…
その後もコーヒースライムやキャラメルスライムなどを見つけ満足したので2階層へ降りようと思ったが、喉が渇いたので結局フェンともう一度ミルクスライム探しに走ったのだった。




