10階層へ行く
翌朝。
今日はダンジョンの10階層に行きボスを討伐しようと思っている。
行く前にギルドに寄って一応ボスの情報を聞いてこようとは思っているが楽しみだし、食べれるモンスターだと嬉しい。
───俺もすっかりフェンと一緒で食い物のことしか考えてないな…。
朝は作り置きを軽く食べギルドに寄ってからダンジョン向かった。
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ダンジョンに到着し、9階層まで転移した。
「フェン、10階層のボスはギルド情報ではミノタウロスらしいぞ」
『ほう、美味そうだ』
9階層のブルーウルフをスルーして、あっという間に10階層へ続く階段を見つけ、降りていった。
10階層はボス部屋と、その近くに休憩ができるセーフティーエリアしかない。
セーフティーエリアでは安全に休めることもあって他の階層探索で疲れたら休憩や、寝泊まりするパーティーなども多くいる。
『ボス待ちしてる冒険者がいないからすぐに入れるな』
たまたまかもしれないが、ボス部屋に入ろうと待機しているパーティーはいなくリックとフェンはすぐに入ることが出来そうだ。
「さて、ここがボス部屋か」
────目の前に巨大な扉がある。
今までのモンスターは準備運動にもならなかったからな。ゴブリン、コボルト、オークですらリックにとっては苦戦する相手ではない。
隣を歩くフェンも欠伸しながらシッポを揺らしている。
リックは特に気負う様子もなく扉に手をかけ、重低音と共に扉が開いた。
広い円形の広場、その中央で巨大な影がゆっくり立ち上がった。
“ゴォォォオオオオッ!!”
雄叫びが響く。
2メートルを超える巨体に牛の頭部、赤黒い毛並みに、太く丸太のような腕に握られた巨大な戦斧。
「久しぶりに見たな」
リックはどこか懐かしそうに目を細めた。
普通の冒険者なら恐怖で足が竦む存在。だがリックにとっては異世界で何度も狩ったモンスターの1種でしかない。
───ミノタウロスが地面を蹴り、巨体とは思えない速度で突進してきた。
「速いな」
そう呟きながら少しだけ身体をずらして回避する。
次の瞬間、戦斧が空を裂き、背後の石壁を粉砕した。
砕けた石が舞う。だが、リックの服には埃1つ付いていなかった。
「もちろん力もある、と」
ミノタウロスはすぐさま追撃してくる。
横薙ぎや振り下ろし、突進。暴風のような連撃。
リックはまるで散歩でもしているかのように回避していく。
「単調な攻撃だな」
斧を躱しながら呟く。
「その振り方、右側が甘いぞ」
その瞬間、リックの姿が消えた。ミノタウロスの側面へ高速で移動し、そして…
───ザシュッッ
鋭い剣閃が右脚を斬り裂いた。
巨体が大きく揺れ、リックはそのまま後方へ飛び、軽く剣を振って血を払った。
「ほら、自慢の踏み込みが死んだぞ」
ミノタウロスは怒り狂ったように咆哮する。
だが、もう動きは鈍い。
そこへフェンが飛び出し、鋭い牙がミノタウロスの腕に食い込む。
「ナイスだ!」
リックは床を蹴り、一瞬で頭上へ登る。
剣に魔力を流し込み、青白い光が剣を包み込んだ。
「────雷閃」
振り下ろされた一撃が雷鳴のような轟音を響かせる。
ミノタウロスの肩口から胸部までを一気に切り裂き、巨体がゆっくりと崩れ落ちた。
「倒せたか。───ん?」
倒したミノタウロスをインベントリに収納すると、近くに宝箱があるのを発見した。
「おっ、宝箱だ!久しぶりだな」
ボスを倒すと確定で現れる宝箱だ。道中にある宝箱と違って罠などもない。
蓋を開けると入っていたのは、
《剛力の腕輪》
無骨な腕輪だが、装備すると筋力と身体強化が少しだけアップすると鑑定結果で出た。
───俺には必要ないが他の冒険者なら割と当たり装備だな。売るのも良いが、今後誰かにあげてもいいかもしれない。
するとフェンが宝箱に顔を突っ込んだ。まだ、何か入っていたみたいだ。
「──魔力結晶か」
取り出したのは小さな赤い結晶。高純度な火属性素材だ。
武器強化にも使えるし、これを組み込んで調理器具を作ってもらうのもいいかもしれない。
「これは、料理が捗るかもしれないな」
『ワフッ!』
その言葉にフェンが勢いよく反応した。
「おまえ、完全に食べ物基準になっていないか?」
───ボスを倒したことで、下に降りれるようになったので、次回のために11階層に降りてから家に帰宅した。




