表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新たなる世界へ  作者: パルス
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
32/72

第32話 「打ち直される力と、それぞれの武器」


工房の扉を開けた瞬間、熱が押し寄せてきた。


炉の炎が唸り、鉄の焼ける匂いが空気に満ちている。

規則的な打撃音が、空間の芯を叩いていた。


――カン、カン、カン。


「……持ってきたか」


振り向きもせずに言うバルドの前へ、リックは荷を置く。


黒い箱。

魔力結晶。

黒鉄山の鉱石。


バルドの手が止まる。


「……触るな、それ」


低い声。


シルヴィアが一歩前に出る。


「……結社素材です」


「見りゃ分かる」


軽く叩くと、箱がわずかに脈打つ。


「“流れてる魔力”だ。制御を誤りゃ、全部吹っ飛ぶ」


沈黙。


だがシルヴィアは目を逸らさない。


「……制御します」


バルドが鼻で笑う。


「言うじゃねぇか」



素材が並べられる。


「黒鉄山の鉱石……上質だ」


「魔力結晶……通りがいい」


そして黒い箱。


「……問題はこれだ」


リックが短く問う。


「使えるか」


「使う。ただしそのままじゃねぇ」


視線がシルヴィアへ。


「分解して薬に落とせ」


「……はい」



「全員分、打ち直す」


その一言で空気が変わる。



リックの杖が炉に入る。


「魔力の流れが雑だ。整える」



リリアのハンマー。


「打て」


逃げ場はない。



エレノアの弓。


「風に合わせる。軌道を制御しろ」



そして――


バルドが布を広げる。


二振りの剣が現れる。


シルヴィアの目がわずかに動く。


「……それは」


「前に作ったやつだ」


静かに置く。


「だが今回は違う」


黒い箱を見る。


「打ち直す」



炉の火が強くなる。


刃が赤く染まる。


結社素材が混ざる。


魔力が揺れる。



叩く。


整える。


流れを作る。



やがて――


二振りの剣が再び形を得る。


だが以前とは違う。


静かに、危険な気配を帯びていた。



「持て」


シルヴィアが受け取る。


右手、左手。


魔力を流す。



右の剣。


「……拡散」


薬が自然に馴染む。



左の剣。


「……固定」


床の一部が石化する。



リリアが引く。


「それヤバくない?」


「……制御できます」



バルドが言う。


「右は広げる刃」


「左は止める刃だ」



リリアは打つ。


何度も。


「違う……」


だが。


「……分かった」


音が変わる。


炎が宿る。



エレノアは弓を引く。


矢が飛ぶ。


風が乗る。


軌道が曲がる。


命中。


さらに霧が広がる。



リックは杖を握る。


魔力が整う。


石を浮かせる。


撃つ。


一直線に飛ぶ。



ルナは槍を突く。


氷が走る。


分断が完成する。



セレスティアが手を合わせる。


光が広がる。


全員が強化される。



シルヴィアが二刀を振るう。


右で斬る。


霧が広がる。


左で突く。


対象が固まる。



「……眠り、麻酔、毒、石化」



数日後。



「できたぞ」



全員が武器を構える。



セレスティアがバフ。


エレノアが風。


シルヴィアが拡散。


ルナが分断。


リックが石を撃つ。


リリアが炎で叩く。


石化が止める。



一瞬で終わる。



バルドが言う。


「……やっと戦える形になったな」



リリアが呟く。


「……できた」



リックが全員を見る。


「……いける」



短く。


「次で終わらせる」



炉の火が揺れる。



戦いは、次の段階へ進む。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ