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4 虎燈③
暁に連れられてきた場所は、野原にたたずむ木の下だった。
「いいか。お前はここで待ってろ。そのうち白夜が来るから」
言い残して暁は消えた。とはいえ、俺の試験だ。どこかで見てはいるだろう。
ほどなくして彼女はやってきた。
着物の裾を直し、髪を手櫛で整え、真っ直ぐに木の下に向かってくる。
俺を見つけた白夜は、顔を赤く染めて駆け寄ってきた。
近くまで来て俺を見上げた彼女の瞳はルビーの色をしていた。
(こんな色の石を持っていた気がする……)
高い音が耳の奥に響く。
俺に飛びつこうとする彼女から一歩離れて、心の臓に仕込み刃を振りかざす。
それを彼女は寸出で躱す。
白夜の顔が驚愕に歪む。
「なんで……?」
俺の目も耳も、現実を捕らえはしない。
俺は、彼女を、何度も、殺しに、行く。




