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俺のチート能力で異世界無双計画はどこいった?〜「木の枝」と「経験値1.2倍」でダンジョン探索〜  作者: KATARIBE


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第7話:昇格試験! 泥塗れの奇策と、再会の太刀

「よーし二人とも、今日がEランクへの昇格試験当日だ。気合入れろよ!」


ギルド裏の訓練場。試験官を務めるベテラン冒険者の前で、俺は気合を入れ直した。

試験内容は、指定エリアに生息する魔獣**『アーマーベア』**を討伐、あるいは戦闘不能にすること。


「大翔、準備はいい? 私の『キラキラお星様スターダスト』で、ドカーンと道を作ってあげるからね!」


ユフィがポニーテールを揺らし、自信満々に杖を掲げる。


「ユフィ、お前は俺の合図があるまで待機だ。カスミ、俺の回避に全振りでバフを頼む!」


「了解です、先輩! 『聖なる守り(プロテクション)』!」


試験官の合図とともに、俺たちは森の奥へと踏み込んだ。


「グルゥァァァ……ッ!」

目の前に現れたのは、全身を鉄の針のような剛毛で覆われた巨躯、アーマーベアだった。


「硬ぇ!? アイアンツインブレードが弾かれる!」


俺の『力:E+』では、まともに斬り合っても勝ち目はない。ベアが丸太のような腕を振り回すたび、死の予感が背筋を走る。


「あわわ、大翔! 私が、私がやるーっ! 『流星群よ、降ってこーい!』」


ドォォォォン!!

ユフィが放った超高火力の光弾は、ベアの鼻先を掠め、背後の巨大な岩山を跡形もなく消滅させた。


「……試験官の顔が見てぇよ。今のは絶対減点だろ!」


「先輩、文句言ってる暇ありません! 来ます!」


絶体絶命。だが、俺の真骨頂はここからだ。

俺は双剣を鞘に戻し、地面から「木の枝」を拾い上げた。


「試験官さん、見ててくれ。これが俺の戦い方だ!」


俺は枝の先端に、カスミが用意した粘着液を塗りつける。


「ターゲット、鼻の穴と耳の穴! 必中スキル、発動!」


シュパパッ! と空気を切り裂き、泥と粘液塗れの枝がベアの顔面に突き刺さる。


「グガッ!? ギ、ギィィッ!?」


視界と呼吸を塞がれ、のたうち回るベア。さらに俺は、ベアの足元に枝を投げ込み、関節の動きを強引に阻害して動きを止めた。


「よし、無力化完了! ユフィ、今度こそ中心を――」


その時、森の空気が一変した。

凛として、一分の隙もない、圧倒的な「静寂」。

茂みを割って現れたのは、一切の無駄がない身のこなしの侍。腰に差した日本刀の鞘を鳴らし、彼は静かに歩んできた。


「大翔……。貴様、異世界に来てまで、そんな泥塗れの小枝を振るっているのか」


「……えっ?」


その声を聞いた瞬間、俺の記憶が十数年前へと引き戻された。

道場の冷たい床、厳しくも温かい指導、そして俺が一番憧れた背中。


「せ、誠十郎兄ちゃん……!?」


思わず、幼い頃の呼び名が口をついた。

誠十郎さんは、呆れたように溜息をついたが、その瞳には確かに再会を喜ぶ色が宿っていた。


「……修行不足だな。まずは、目の前の敵を片付ける」


誠十郎さんは静かに刀の柄に手をかけた。試験官が「待て、介入は――」と言う暇もなかった。


「香取神道流、巻雲まきぐも


一閃。

音も光も置き去りにした抜刀。

次の瞬間、俺たちが死に物狂いで足止めしていたアーマーベアが、静かに崩れ落ちた。


「……え」


ユフィが杖を構えたまま固まる。


「……はえぇ。てか、試験対象が……」


カスミが絶句する。


誠十郎さんはパチンと音を立てて刀を納めると、俺の目の前まで歩いてきた。

やっぱり、相変わらずかっこいい。その端正な顔立ちも、一分の隙もない立ち居振る舞いも、俺の知る誠十郎さんそのままだ。


「大翔。再会の挨拶の前に、その薄汚い枝を捨てろ。……それとも、もう一度最初から稽古をつけてやろうか?」


「……。い、いや、これは俺の立派な武器で……」


俺は一瞬、昔のように誤魔化そうとしたが、今の自分はもうあの頃の子供じゃない。


「……すみません、誠十郎さん。でも、俺はこの『邪道』で、仲間と一緒にここまで来たんです」


俺が真っ直ぐに見返すと、誠十郎さんは少しだけ驚いたように目を見開き、それからフッと口角を上げた。


「……ほう。少しは大人になったようだな。よかろう、その覚悟、後でじっくり聞かせてもらおうか」


こうして、俺のEランク昇格試験は、伝説の師範代との「衝撃の再会」という形で幕を閉じたのだった。


続く

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