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俺のチート能力で異世界無双計画はどこいった?〜「木の枝」と「経験値1.2倍」でダンジョン探索〜  作者: KATARIBE


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第57話:Bランクの初仕事! 消えた村人の捜索と、背後に蠢く新たな教団

「……よし。これで、確かに受理されたな」


ギルドの受付で、俺は新しく発行されたBランクの冒険者証を握りしめた。


「お待たせ。Bランク一発目の依頼が決まったぞ」


俺の声に、真っ先に反応したのは白銀の甲冑を纏った聖騎士だった。


「待っておりましたわ、大翔さん! さあ、速やかに依頼を完遂し、誠十郎様へ捧げるに相応しい強靭な肉体を作るための聖なる食事を摂りに行きましょう! 私の胃袋は、既に誠十郎様への愛と同じく、無限の空虚を抱えておりますわッ!」


マリアがヴァルキリー・ドレスの輝きに負けないほど瞳を爛々と輝かせ、俺の腕を掴む。彼女は回避タンクとして極限まで身を削る分、燃費が凄まじく悪い。誠十郎さんへの信仰心が彼女の「心」を動かすなら、食事は「体」を維持するための絶対的な燃料なのだ。


「あはは、マリアさん、よだれが出てるよ。大翔、早く行かないとマリアさんがギルドの看板を聖なる供物として捧げ(食べ)始めちゃう!」


ユフィが聖杖を振り回しながら、元気いっぱいに笑う。彼女の底抜けに明るい声は、どんよりとしたギルドの空気を一気に塗り替えてくれる。


「先輩。マリアさんの暴走を止めるためにも、効率よく稼ぎましょう。……。ふふ、そんなに困った顔をしないで。私がしっかり、背後から支えてあげますから」


カスミがふわりと隣に寄り添い、俺の耳元で囁く。その計算された距離感と、どこか確信犯的な微笑み。言葉にせずとも、彼女が俺の緊張を見抜いて、それを楽しんでいるのが伝わってきた。


【神隠しの村:クヌギ村の異変】

俺たちが向かったのは、辺境にある『クヌギ村』。

最近、村人が次々と姿を消す「神隠し」が起きているという。

村に到着すると、そこには不気味なほどの静寂が広がっていた。


「……おかしいな。人の気配はあるのに、生活の音がしない」


俺が刀『比翼』の柄に手をかけたその時、村の中央から紫色の霧が立ち込めてきた。


「先輩、下がってください! この霧……。……ただの自然現象ではありません」


カスミが即座に『無限符の書』を展開し、周囲に障壁の符を走らせる。

霧の中から現れたのは、黒い法衣を纏った一団――『虚空の教団』の信徒たちだった。


「――ほう。誠十郎の弟子が来るとはな。……。よかろう、お前たちの命を我が神への供物として捧げよう」


【実戦:盾なき聖騎士と、必中の枝】

教団の呼び声に応じるように、霧の中から巨大な影の魔物『シャドウ・オーガ』が三体、姿を現した。


「ユフィ、一発デカいのを頼む! マリア、引きつけられるか!?」


「お任せくださいませ! ――このオーガを倒した暁には、村の特産品を誠十郎様の面影と共に味わい尽くしてみせますわッ!!」


マリアが地面を蹴る。盾を捨てた彼女は、巨体のオーガが振り下ろす棍棒を、木の葉が舞うような身のこなしですべて回避していく。その動きはもはや重装騎士のそれではなく、白銀の閃光だ。


「馬鹿な、一度も当たらん!? この女……残像を見ているのか!」


敵が焦れた瞬間、マリアの強烈なカウンターがオーガの懐に突き刺さる。食欲という名の執念が、彼女の回避性能を極限まで引き上げていた。


「今だよ! ――『光輝の閃光シャイニング・ボルト』!!」


ユフィの放った純粋な光が、影の魔物を根こそぎ焼き払う。彼女の魔力は、Bランクに上がってからさらにその純度を増していた。

逃げようとする教団の司祭。俺は足元に落ちていた「木の枝」を拾い上げた。

転生時に授かった、唯一の、そして絶対のチート能力。


「【木の枝(必中)】――逃がさない」

(シュッ!)


俺の手を離れた枝は、逃走する司祭の足首を正確に射抜き、彼を地面に縫い止めた。


「ぐわぁ!? な、なんだこの枝は……抜けない……!」


「理屈じゃないんだ。俺が投げれば、当たる。……さて、消えた村人の場所を吐いてもらおうか」


【エピローグ:勝利の報酬】

村人を救出し、司祭を捕らえた俺たち。

教団の影が誠十郎さんを狙っているという不穏な予感は残ったが、今は目の前の問題が先だ。


「大翔さん! 見てください、村長さんがお礼にと、最高級の猪肉と特産の山菜をこんなに……! 誠十郎様、私は今、誠十郎様と同じ世界で息をし、同じ肉を(概念的に)食している喜びを噛み締めておりますわッ!」


マリアが涙を流しながら、山盛りの料理を次々と平らげていく。その凄まじい食べっぷりに、村人たちも圧倒されながら笑っていた。


「あはは、マリアさん、そんなに急がなくてもお肉は逃げないよ!」


「先輩。マリアさんに全部食べられる前に、私たちも確保しておきましょう。……。ほら、あーんしてください」


カスミが猪肉を一切れ、俺の口元へ運んでくる。

その含みのある微笑みに翻弄されながら、俺はBランクとしての第一歩を、確かな手応えと共に噛み締めていた。


(第58話・完)

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