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俺のチート能力で異世界無双計画はどこいった?〜「木の枝」と「経験値1.2倍」でダンジョン探索〜  作者: KATARIBE


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第27話:3階層・毒霧の回廊! 護符の限界とカスミの献身

翡翠の洞窟は、ここから不気味な紫色の霧に包まれていた。

『翠玉の虚空』3階層。通称「毒霧の回廊」。

ただ呼吸をするだけで体力が削られ、視界も数メートル先が見えない最悪の環境だ。


「……っ、先輩。私の『清浄の護符』、これが最後の一枚です。……。これを使い切れば、あとは私の魔力で直接、皆さんの肺を保護し続けなければなりません」


カスミが俺の右腕に強くしがみつく。彼女の手にある護符は、すでに端が焦げ茶色に変色し、霊力が底を突きかけていた。


「……悪いな、カスミ。ユフィ、前方……何か来るぞ。風の動きで読み取れ!」

「……うん、やってみる! ――『魔力集中・風のウィンド・アイ』!」 


ユフィが杖を短く持ち、魔力を周囲に薄く広げる。誠十郎さんの特訓で学んだ「空間把握」だ。


「……右から二体! 速いよ、大翔!」


霧を割って飛び出してきたのは、Cランクの魔物『ヴェノム・スナッパー』。

毒の牙を持ち、霧に紛れて音もなく襲いかかる。


「マリアさん、前だ! 盾は使うな、霧の抵抗を減らして回避しろ!」

「了解です! ――『柳のように……流します!』」


マリアさんは背負った大盾をあえて動かさず、自身の体幹だけでスナッパーの突進を回避。すれ違いざまに、鎧の肘当てを魔物の眉間に叩き込んだ。


「――『吸魔の符』!」


カスミが最後の一枚に近い護符を投げ、霧の一部を強引に吸い寄せて一瞬の視界を作る。


「ユフィ、今だ!」

「――『一点集中・貫通光ライト・ピアッサー』!」


視界が開けた瞬間、ユフィの放った極細の熱線が、二体の魔物の核を同時に串刺しにした。


「トドメだ。必中スキル、発動。ターゲット――霧の奥に潜む、ボスの心臓の音!」


俺はボロボロになった双剣の一振りを地面に突き立て、手に持った「鉄芯の枝」に全神経を集中させる。見えない敵。だが、三日間の地獄で叩き込まれた「気」の察知が、霧の向こう側の鼓動を捉えた。

(シュパッ!!)

重い枝が霧を切り裂き、奥で「グシャッ」という鈍い音が響いた。


【リザルト:3階層突破・レベルアップ!】

大翔ひろと:Lv 22 → 23

* 力:C+

* 器用さ:B → B+(盲目状態での投擲成功により、感覚がさらに鋭敏化)

* 幸運:A

* 備考: 双剣を使わずとも、周囲の「気」だけで敵を仕留める術を覚え始める。

■ ユフィ:Lv 17 → 18

* 魔力:B++ / 命中率:C → C+(悪条件下での精密射撃により、集中力が向上)

* 備考: 杖のヒビが限界に近いが、魔力の出力バランスを完璧に制御している。

■ カスミ:Lv 17 → 18

* 魔力:C++ / 知力:B++

* あざとさ:A → A+(魔力供給と称した密着術が、もはや芸術の域へ)

* 備考: 護符が全滅。ここからは自らの魔力のみでサポートする過酷な領域へ。

■ マリア:Lv 18 → 19

* 体力:B++ → A(毒霧の中での激しい運動により、心肺機能と根性が覚醒)

* 守備:B+ / 素早さ:E

* 備考: ついに体力がAランクに到達。不屈の重装歩兵として完成されつつある。


「……ふぅ。……。先輩、護符……なくなっちゃいました。……。ここからは、私の指先で直接、先輩の肌に術式を書くしかありません。……。ちょっとくすぐったいかもしれませんけど、我慢してくださいね?(クスクス)」


カスミが俺の首筋に冷たい指先を這わせ、あざとく微笑む。

だが、その視線の先、4階層からは不気味な「音」が反響していた。


「……次は4階層、共鳴する魔。……ユフィの『耳』が頼りだ。行くぞ」

(続く)


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