第20話:遺跡最深部! 古代の超兵器と、三者三様の連携
『忘却の迷宮』の最深部。俺たちの前に立ちはだかったのは、全長5メートルを超える古代の自動殺戮兵器**『アーク・センチネル』**だった。
四本の腕に魔導兵器を構え、その全身から溢れ出す威圧感はこれまでの敵とは一線を画している。
「……ッ。デカいな。おい、みんな、気を引き締めろ!」
「はい、大翔先輩。……でも、そんなに力まないで? 私がちゃんと、先輩の横でサポートしてあげますから」
カスミが俺の腕にそっと触れ、計算された完璧な微笑みを向ける。魔力測定用の眼鏡越しに、彼女はすでに敵の弱点を解析し終えていた。
「グオォォォォン!!」
アーク・センチネルの魔導砲が火を噴く。
「マリアさん、正面! カスミ、障壁でマリアさんを固定しろ!」
「お任せください、リーダー! ……ぬぅんッ! 盾の重さは、昨日のディナーの重さです!」
マリアが咆哮と共に大盾を地面に突き立てる。直撃の衝撃で腕の筋肉が跳ねるが、彼女の『体力:B+』がそれを強引にねじ伏せる。
「『聖なる防壁』! ……先輩、見ててください。私がマリアさんを『完璧に』支えますからね」
カスミがマリアの背後に回り、盾の裏側に精密な魔力回路を接合。衝撃を分散させ、マリアの守備力を限界まで引き上げる。
「よし、ユフィ! 最大出力で奴の砲台を焼き切ってくれ!」
「おっかまぜてぇぇーっ! 今日は朝から元気いっぱいなんだからぁ!!」
ユフィが杖を天高く掲げる。彼女の体内から、制御しきれないほどの膨大な魔力が光の奔流となって溢れ出した。
「くらえぇぇ! 『超・きらきら銀河の超絶大爆発』!!」
「ちょ、ユフィ! 出力が高すぎ――うわああかっ!?」
放たれたのは、もはや「弾」ではなく「光の津波」だった。
アーク・センチネルの腕を狙ったはずの攻撃は、あまりの勢いに標的を通り越し、背後の壁もろとも遺跡の天井を豪快に吹き飛ばした。
(ドォォォォォォン!!)
「……っ、あはは! ちょっと出しすぎちゃった!」
ユフィがテヘペロと笑うが、その暴走した魔力の余波でアーク・センチネルの装甲が熱でドロドロに溶け始めている。
「……おい、今だ! 奴の核が剥き出しだぞ!」
俺はこの機を逃さず、懐から「特製の太い枝」を抜き放った。
「必中スキル、発動! ターゲット――ドロドロに溶けた装甲の、その奥にある核!」
シュパッ!
俺が投げた枝が、ユフィがこじ開けた道を通って、センチネルの心臓部へ突き刺さる。
(バチバチッ!)
魔力の逆流が起き、古代の超兵器が内部から崩壊を始めた。
【リザルト:レベルアップ!】
■ 大翔:Lv 15 → 16
* ステータス: 力:D+ / 器用さ:C+ / 幸運:A
* 備考: 順調に成長中。誠十郎との差はまだ絶望的だが、実戦経験で補っている。
■ ユフィ:Lv 9 → 10
* ステータス: 魔力:B+ / 命中率:G / 幸運:E
* 備考: 魔力量はパーティ随一。出力調整のスキル習得が急務。
■ カスミ:Lv 11 → 12
* ステータス: 魔力:C+ / 知力:A / 器用さ:D
* 備考: 補助魔法の精度が向上。大翔への物理的距離も着実に縮めている。
■ マリア:Lv 12 → 13
* ステータス: 体力:B+ / 守備:B / 素早さ:G
* 備考: 鉄壁のタンク。レベルアップにより、さらに「空腹への耐性」が……つかなかった。
「……ふぅ。やりましたね、リーダー。……お腹、空きましたね」
マリアが盾を置き、聖女のような微笑みでこちらを見る。だが、その目はすでに戦利品の魔石を食費に換算しているようだ。
「……あはは、大翔、私の魔法すごかったでしょ!? 褒めて褒めてー!」
ユフィが抱きつかんばかりの勢いで寄ってくる。
「……先輩。ユフィさんの暴走を止めるのは私の役目ですが、先輩が彼女を甘やかすのは、私の『計算』外ですよ?」
カスミがそっと俺の隣をキープし、ユフィを牽制するように微笑む。
「……。あー、みんな最高だったよ。……さあ、王都に帰って、マリアさんの胃袋が満足するまで食いに行こうぜ!」
俺の言葉に、三者三様の歓声が地下遺跡に響いた。
(続く)
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