第17話:王都への旅路! 街道の罠と、ユフィの受難
ギルドからの推薦もあり、俺たちは王都へと続く一本道『黄金街道』を進んでいた。
Dランクに昇格したばかりの俺たちにとって、この旅は実力試しの遠征でもある。
「ふふ〜ん、王都かぁ! 美味しいスイーツとか、可愛い服がいっぱいあるんだろうなぁ!」
ユフィが上機嫌で杖を振り回しながら歩く。だが、その足元には嫌な予感しかしない。
(ぐにゃり)
「わわっ!? なにこれ、滑るぅぅーっ!」
ユフィが何もない平地で派手に転倒した。運悪く、そこだけが昨夜の雨でぬかるんでいたらしく、彼女の自慢のローブは一瞬で泥まみれだ。
「……ユフィ、前を見て歩けって。お前の『幸運』、最近底をついてるんじゃないか」
「そんなことないもん! たまたまだよ! ……あだだ、腰打ったぁ……」
「先輩、ユフィさんの不幸は放っておいて、前方を見てください。……街道を塞ぐように、ガラの悪い連中がいます」
カスミが冷静に指摘した先には、武装した盗賊団が十数人、道を塞いでいた。
「ヒャッハー! 景気の良さそうな冒険者じゃねぇか。大人しく荷物と女を置いていきな!」
「……マリアさん、出番だ。お前の『お肉』を邪魔する奴らだぞ」
その言葉を聞いた瞬間、マリアさんの碧眼が鋭く光った。
「私の……聖なる食事の時間を奪う不届き者め……! 許しません、神に代わって、その不遜な口を盾で塞いで差し上げます!」
マリアさんが大盾を構えて突撃する。
「『聖なる突進』!!」
ドゴォォォン!!
正面の盗賊三人が、盾の一撃で文字通り吹き飛んだ。マリアさんは空腹であればあるほど、食に対する執念が攻撃力に変換されるらしい。
「よし、ユフィ! 援護だ!」
「まかせてっ! 『きらきら星の……あ、あれ!?』」
ユフィが魔法を放とうとした瞬間、足元の小石に躓いて体勢を崩した。
放たれた光弾は、盗賊たちの頭上を大きく外れ――なんと、街道脇の崖を直撃。
(ガラガラガラッ!!)
「ちょ、ちょっと待て! 土砂崩れが起きてるぞ!」
「あわわわ! ごめん大翔ぉーっ!」
運悪く崩れた岩が、俺たちの退路を塞ぎ、さらに盗賊団の半分を生き埋めにした。敵を倒したのはいいが、俺たちも進めない。
「……はぁ。やっぱりお前今日調子悪いな」
俺は溜息をつきながら、岩の隙間を縫って逃げようとする盗賊の頭に向け、予備の枝を投げつけた。
「必中スキル、発動! 逃がさねぇよ!」
シュパッ! と刺さった枝が盗賊の足を止め、マリアさんがトドメを刺す。
なんとか盗賊団は壊滅させたが、俺たちの前にはユフィが作った巨大な岩の壁が立ちはだかっていた。
「……。よし、みんな。これ、どかすのに半日はかかるぞ」
「うぅ……ごめんなさい……。王都のスイーツが遠のいていく……」
俺は、自分の幸運をユフィに少し分けてやりたいと心から願いながら、岩をどかす作業に取り掛かった。
【レベルアップ!】
大翔:Lv 13 → 14
(地味な岩どかし作業も、経験値1.2倍でしっかり身になる)
ユフィ:Lv 9
カスミ:Lv 9
マリア:Lv 11
(続く)
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