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俺のチート能力で異世界無双計画はどこいった?〜「木の枝」と「経験値1.2倍」でダンジョン探索〜  作者: KATARIBE


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第14話:ギルドマスターの特命! 迷いの森の怪異を追え

翌朝。俺たちは、マリアさんの胃袋に消えた昨夜の食費……もとい、報酬の残骸を数えながら、重い足取りでギルドの最奥にある執務室へ向かった。


「失礼します。Eランクパーティ『白星の枝』、入ります」

「おお、来たか。待っていたぞ」


出迎えたのは、全身傷跡だらけの巨漢、ギルドマスターのバルカスだ。彼は机の上に一枚の古ぼけた地図を広げた。


「お前らに頼みたいのは、街の北西にある『迷いの森』の調査だ。最近、あそこで不自然な魔力の乱れと、姿の見えない『怪異』の目撃談が相次いでいる」

「迷いの森……。あそこはCランク以上の冒険者じゃないと立ち入り禁止のはずですよね?」


俺が眉をひそめると、バルカスは不敵に笑った。


「普通ならな。だが、目撃された『怪異』の正体が、どうも実体を持たない、あるいは極めて素早い何かだという報告がある。正面から斬り結ぶ剛の者より、お前さんのような……その、搦めからめてに長けた者の方が適任だと判断した」


「搦め手……。枝のことですね、わかります」 


俺は溜息をついた。要するに、正攻法が効かないから「お前の変な戦い方でなんとかしてこい」ということだ。


「報酬は金貨30枚。さらに、調査結果次第ではDランクへの飛び級昇格も検討しよう」

「金貨30枚……!」

「大翔! それだけあれば、お肉が山ほど食べられます!」


マリアさんが食いついた。彼女の胃袋の咆哮が静かな執務室に響き渡る。


「……受けます。背に腹は代えられませんから」


数刻後。俺たちは霧が立ち込める『迷いの森』の入り口に立っていた。


「……先輩、ここ、嫌な予感がします。魔力が霧に混ざって、感覚を狂わせようとしています」


カスミが杖を構え、警戒を強める。


「大丈夫だよ! 私の光で霧なんて吹き飛ばして……えっ? 魔法が、出ない!?」


ユフィが慌てて杖を振るが、小さな火花が出るだけで、いつもの光弾が形にならない。


「……魔力霧マジック・ミストか。魔法を霧が吸収して拡散させてやがるな。ユフィとカスミ、お前らは下がってろ。マリアさん、前を頼む」


「はい! 盾は魔法ではありません、物理です! ……ですが、敵の姿が見えませんね」


(シュッ……!)

背後で、空気を切る音がした。


「そこだッ!」

俺は咄嗟に腰の双剣を抜き、音のした方へ斬りつけるが、手応えはない。

代わりに、俺の頬に一筋の切り傷が走った。


「速い……。いや、消えたのか?」

霧の中から、薄ら笑いのような、甲高い声が響く。


姿なき敵。魔法は封じられ、盾は空を切る。

絶体絶命の状況だが、俺の口角は自然と上がっていた。


「……見えないなら、見えるようにすればいいだけだ。マリアさん、今から俺が合図したら、その場で盾を叩いて大きな音を出してくれ」

「え? はい、了解です!」


俺は懐から、粘着液をたっぷり染み込ませた「綿毛の付いた枝」を数本取り出した。

誠十郎さんなら「目で見ず、気で捉えろ」と言うだろう。だが、俺は俺のやり方で行かせてもらう。


「作戦開始だ。――必中スキル、発動!」


【現在のパーティステータス】

大翔ひろと

* レベル: 11

* ステータス: 力:D+ / 器用さ:C / 幸運:A

* 備考: 特殊環境下での生存戦略に特化し始めている。

■ ユフィ

* レベル: 8

* 状態: 【魔力沈黙】により、魔法の威力が大幅ダウン中。

■ マリア

* レベル: 9

* 状態: 空腹度40%。まだ盾を振る元気はある。

(続く)


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