最強軍師現る
投稿遅くなりもうしわけございません。
新作を投稿したのでこれから少しペース落ちるかもですがよろしくお願いします。
第一章竹中重治
岐阜城 信長の部屋
「ご用って何ですか?」
俺は信長に呼び出された。
信長は
「あぁ、ある男の登用を頼みたい」
「ある男とは?」
「竹中重治だ、覚えてないか?」
「もちろん覚えています」
竹中重治、戦国時代に最強の軍師と称された男、始めは美濃斎藤家に仕えた、その際織田軍の攻撃を何度も退けたという功績がある。
そして斎藤家の堅城稲葉山城をたった16人で占拠するという伝説も残している。
その時利家が信長の要請で稲葉山を開け渡すよう頼みにいきことごとく断られていた。
俺は
「なぜ突然竹中殿を?」
「無論上洛の為だ。重治の知略が必要だ」
「それはそうですけど、それにしては急すぎませんか?」
「仕方がないだろう。俺だって昨夜思い出したんだから」
「思い出したってまた思い付きですか!?」
「別に良いだろう!今回は思い付きでも確りと筋の通った思い付きだ!」
「そうですけど…」
「とにかく!重治の力があれば上洛が更に近づくんだ!」
俺はその迫力に気圧された。
だがこう言う時の信長の直感は良くあたる。
今までだってその直感に何度も救われたんだ今回だってきっと正しいんだろう。
まぁ、俺がもう少しちゃんと歴史を勉強しときゃ良かったんだけど。
そんな事を思いながら俺は決心を固めた。
「分かりました、その任しかと承りました!」
と言って頭を下げた。
北近江 小谷城下
北近江は現在浅井長政によって治められている。
そして信長の妹お市の方が嫁いだのもここ長政の元である。
「しっかし竹中さんはどこにいんだろ?」
そういって頭を掻いた。
その時だった。
「猿かっ!?猿ではないか!」
と女性の声が聞こえた。
何か嫌な予感が…
その予感は的中した。
俺は振り向くと手を振りながら走ってくる市の姿が目に入った。
「げっ、お市様…」
俺は小声で呟いた。
そして逃げようとしたが遅かった。
市は俺に飛び付いてきた。
「会いたかったぞ!猿!」
と言って市は俺の腰をギュッと抱いた。
俺は
「わかった!分かりましたから離れてください!」
そういって市を無理やり離した。
市はチョコンと俺の前に立つと俺の事を見つめた。
くそっ、やっぱりかわいい…
その時だった。
「市っ!」
と遠くから男の声が聞こえた。
俺はその方を見た。
そこには一人の男が走ってきている。
いや一人じゃないその後ろからゾロゾロと武士が着いてくる。
「浅井…長政…」
俺は震えた声で呟いた。
それも無理は無いさっきの事を見られてたら確実に斬られる。
落ち着け俺、大丈夫だ…!
長政はもう大分近くに来ている。
しかし本当にカッコいいな…
長政は本当にカッコ良かった、まるでモデル見たいなスタイル、爽やかで凛々しい顔、太く手入れの良くされた眉、現代ならば確実に芸能人になっている。
芸能人?そういえばどっかでみたような?どこだっけ?
長政は遂に俺の目の前に来た。
俺は身構えた。
「長政は
「市、突然走り出すようだから驚いたぞ」
長政は眉を歪めた。
良かった気づいて無いみたいだ。
長政は俺に気がついた。
長政は
「この者は?」
俺は会釈をして
「信長様に仕えている木下藤吉郎です。今日は信長様の命で城下町に用が出来参りました」
長政は温厚な目を向け
「兄上の家臣か、それは良く来た心置きなく我が小谷城下を楽しんで行ってくれ」
「はい、楽しまして頂きます!」
その時お市が
「猿はわらわが二番目に好きな者なのです!兄上の次に!」
おいっバカっ!
せっかくさっきのばれなかったのに!
俺は死を覚悟した。
でも長政は
「ハハハハッ!そうかこの者は市の好きな男か!ならばわしも市に認めて貰えるよう頑張らねばな!」
笑った?今笑ったよな?
まじか浅井長政は物凄く優しい人なんだな…
俺がそんな事を想っていると長政が
「藤吉郎と言ったな?ちと付き合ってくれんか?」
「付き合う?」
「あぁ、お主と話がしたい」
「あぁ、良いですよ」
俺は頷いた。
長政は市に振り返り
「少し二人きりになりたい人払いを頼む」
市は顔を歪め
「ですが、あぶのうございます」
「大丈夫だ、藤吉郎はお主の好きな男なのだろう?その者が信用出来ぬのか?」
「そんな訳はございません!それに猿は二番目
です!」
「ハハハっ、そうか二番目か!では頼んだぞ」
そう言って長政は俺の傍らを通ってった。
俺はあわてて長政を追った。
小谷城下 近隣の森
「良い所だろう?」
長政は振り返り言った。
「はい、良いところですね」
俺は微笑んだ。
もう夏は終わり落ち葉が目立ち始めたがそれでもまだ葉は青く葉の間からは木漏れ日が漏れている。
立っているだけで清々しくなってくる。
長政は俺に優しい微笑みを見せながら
「兄上は誠にすごい方じゃな」
「信長様のことですか?」
「あぁ、始めて兄上と会ったとき何と礼儀の知らぬ奴じゃと思ったのだか、最後別れ際にあの方はわしに『共に天下を取ろう』と申したのだ。まだ足利幕府も存在するのに天下など家臣達はうつけと申したがわしは違う兄上はうつけ等ではないむしろ出来が良すぎるのじゃ、なぜならわしは初めて会ったときどことなく恐ろしく感じたからな」
「恐ろしい?」
「あぁ、兄上は未だにわしに自分の全てを語ろうとしない、それ故わしは兄上が分からない、分からないという事は恐ろしい事だぞ、藤吉郎」
長政は小さく頷いた。
何だその顔は、分からない俺にはあなたが分からない…
その長政が
「ふっ、少し暗くなってしまったな、本題に入ろうお主に来てもらったのは、お主にわしの正体を知ってほしかったからだ」
「長政様の正体?」
「あぁ、お主はこれに見覚えは無いか?」
そう言って長政は懐から何かを取り出し俺に見せつけた。
「これは…!スマホ!」
「あぁ、その通りだ!わしもお主と同じ未来から来た人間だ」
「え、じゃあ長政様は…!」
「その通りだわしもタイムトラベラーだ」
「まじかよ…戦国時代って結構タイムトラベラーいるんだな…」
俺はブツブツと言った。
長政はそんな俺を心配して
「お、おいどうした?」
「あ、いや大丈夫です。じゃあ長政様はいつからから来たんですか?」
「2016年だ」
「それなら俺と同じじゃないですか!え、なにやってたんですか?」
「ふっ、芸能人だよ」
「芸能人…」
その時ふと俺の脳裏に記憶が蘇った。
「霧生陰翔真!」
「そう、良くわかったな」
「え、まじ!あの超人気アイドルの!?」
「元な」
「いや元でも何でも良いですよ!握手して
下さい!」
俺は右手を差し出した。
長政はふっと微笑むと豪快に俺の手を握った。
俺は興奮気味に
「いや初めて見た!しかも戦国時代で!」
「俺だって初めてだ、タイムトラベラーに会うなんてな」
「いや、俺は結構会ってます」
「え、そうなのか?」
「はい、結構いますよ。タイムトラベラー」
「なんだ、じゃあ俺達は特別でも何でも
無いのか…」
「特別?」
「あぁ、俺を突き動かしてた物の一つだ。自分は特別何だって思うことでダメになりそうな自分を奮い立たせてた。そうじゃなきゃとっくに死んでる」
長政はニッと笑った。
俺は
「そうですよね、こんな非日常な出来事何か支えが無いと直ぐにダメになっちゃいますもんね…」
「あぁ、お前は何かあるのか?そう言う支えみたいなの」
「支えですか…?革新への志ですかね?」
「革新への志?」
「はい、世の中を変える、いや時代を変える、その志が俺を突き動かしてます」
「時代わ変えるか…。だがそんな事をすれば消える事になるぞ?」
「…」
俺は何も言えなかった。
ついこの前死にたくないが為に弟を殺したばかりだ、まだその傷が癒えきった訳ではない。
その時長政が
「ふっ、まぁいい。この時代に生きているといろいろある…」
「ありがとうございます」
「あぁ、竹中重治だったな?」
長政が唐突に言った。
俺は
「え、あ、はい」
「そいつの家ならこの森を越えた所にある。急げ日が暮れるぞ」
長政は指を指した。
その方向に重治がいるのだろう。
俺は長政に
「あ、ありがとうございます!」
と言って頭を下げた。
長政は
「礼を言うのはこちらだ。しばらく忘れてた現代人の感覚を思い出せた。ありがとう」
「いえ、それじゃあ行きます」
そう言って俺はもう一度頭を下げた。
そして長政のさす方へ歩き始めた。
長政は藤吉郎が完全に見えなくなるのを確認
すると。
「あの男が奴の元にいるのか…厄介だな…」
と呟き城に向かって歩き始めた。
小谷城下はずれ 重治の家
「ここか…」
長政と別れて森を歩くことやか15分、ようやく一軒の民家についた。
長政の話によればここが重治の家と言うことに
なる。
「行くか」
俺は呟き民家に一歩踏み入れた。
「ごめんくださーい」
入ると2人の青年が目に入った。
一人は酷く落ち着いた雰囲気もう一人は逆に騒がしい雰囲気の持ち主だった。
その時落ち着いた方が
「やはり来ましたか、私が竹中重治です」
と言った。
こいつが竹中重治、予想道理の人相だな。
じゃあもう一人は?
重治が続けた
「この隣にいるのは重矩、私の弟です」
竹中重矩?
聞いたことがないってことはさほど歴史の表舞台には出ない人なんだろう。
重治は
「さぁ、そんな所に突っ立ってないで上がって下さい」
俺は促されるまま部屋に上がり重治や重矩と向かい合う形に座った。
重治が
「重矩少し出てなさい」
「な、なぜです!私も兄上といます!」
「出てなさい…」
重治が言った。
その声はとても恐い物だった。
重矩は渋々
「はい、わかりました…」
と言って部屋を出た。
フーッと息を吐くと重治が、
「私を登用しに参ったのでしょう?」
ば、バレてる?
でも何で?これが竹中重治の力なのか?
俺は
「はい、その通りです。今織田家では上洛の準備を進めています。その為には重治さんの力が必要なのです。最強の軍師が」
「最強の軍師ですか…。もうしわけございませんがその話は断らせて頂きます」
断った!?
でも何で?
俺は
「何故ですか?」
「私は最強の軍師等ではありません。私より知略のあるかたなら織田家にはたくさんいましょう、だからお断りいたします」
謙遜するのか?
これ程の頭脳を持ちながら?
そんな事を思うと酷く腹が立ってきた。
そして俺は怒りに任せて言ってしまった。
「ふざけるな!お前は俺でも知ってるような有名人だ!戦国最強の軍師とも言われる様な頭脳の持ち主だ!なら謙遜何てしないでさっさと俺らに力を貸せぇーっ!お前がいないと時代が動かないんだよ変わらないんだよ!だから頼む!俺と一緒に時代に抗ってくれ!」
全てをぶちまけた。
終わったそう確信した。
だがその時
「フフっ、ハハハハハハハっ」
笑った?
俺は呆然とした。
重治が笑ったのだ。
重治は
「す、すまない、まさかそんな勧誘をしてくる
とは」
重治はフーッと息を吐くと
「わかりました。貴方と共に時代に抗いましょう」
と言って右手を差し出した。
俺は目を見開いた。
重治が手をふり催促してくる
俺は
「ありがとうございます!」
と言って右手を握った。
とても強い力で。
ともあれ俺は重治の登用に成功した。
藤吉郎が完全に見えなくなるのを確認して重治は
「時代に抗ってくれか…ふっ、時代はそう容易い物では無いぞ…!我らは所詮手中の駒、打たれるのを待つしかない…」
と呟き笑った。
1週間後
岐阜城 信長の間
「お初にお目にかかります。竹中重治と申します。この隣のは弟の重矩です」
重矩は
「竹中重矩です。よろしくお願いいたします」
と不満げに頭を下げた。
今日重治と重矩が挨拶に来たのだ。
信長は
「待っていたぞ!お前達がいれば百人力いや千人力だ!」
と言ってはしゃいでいる。
だがその時
「もうしわけございませんが、信長殿の下にはつけません」
「え…?」
信長は間抜けな声を発した。
重治は
「藤吉郎殿の下につけて頂きたいのです」
「猿のか?なぜ?」
「藤吉郎殿は私の心を突き動かしました。今までそんな方の下につきたいと思っておりました。どうか私のわがままお聴き下さい」
信長は一瞬悩んだが
「わかった。猿、お前に重治と重矩を与力として授ける」
俺は
「は、はいわかりました!」
信長は頷くと
「よしこれで準備は整った。遂に来たのだ!皆のもの!上洛だぁーっ!」
遂に始まった信長の上洛、これを期に信長はどんどん勢力を拡大していく事になる。
そしてその勢力を一夜にして滅ぼす事になる。
信長のカウントダウンは始まった。




