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藤吉郎におまかせあれ  作者: ヤブ医者
美濃奪取斎藤家滅亡編
17/35

稲葉山城の戦い2

第1章最終決戦


織田軍 本陣


先程の戦いは織田軍の圧勝に終わった。

信長は家臣達の前に座り満足気に言った。

「お前達のお陰で先の戦いは我らの圧勝に終わった、だが戦いはこれで終わりではない、我々はこれより稲葉山城を落としに行くぞ!」

信長は立ち上がった。

家臣達は

『はっ!』

と威勢よく答えた。

信長は

「丹波秀長、お前は兵をいくつか連れて城の周りに鹿垣を築き敵を城に閉じ込めろ」

秀長は頭をさげながら、

「かしこまりました」

と答えた。

信長は皆に向き直り。

「それじゃ城譜代を決めよう」

と言った。

その後は城譜代を決めたりしてお開きとなった。

その間秀長は城の周りに鹿垣を築き敵を城に閉じ込めた。


稲葉山城 広間


「織田が我が城の周りに鹿垣を築いた?」

龍興は不満そうに言った。

龍興は続けた。

「いつまでも忌々しい奴じゃ!そもそも一鉄!お主が負けなければこうはならなかったのだ!」

「申し訳ありません…」

一鉄は顔を歪めた。

「まぁ良い、過ぎたことだ…」

その時一人の家臣が

「もう織田には勝てません!降伏致しましょう!」

龍興は怒鳴った。

「お主何を言うか!わしが織田に勝てぬだと!?ふざけたことを!まだわしには残っている!この稲葉山が!稲葉山は最強じゃ!負けはせん!絶対に負けない!」

その家臣は渋々さがった。

だがこの一見で家臣達の心は完全に龍興から離れていった。

そしてこの状態で戦は始まるのだった。


稲葉山城周囲 織田側


信長は稲葉山城を包囲した。

鹿垣によって龍興軍は城内に閉じ込められ身動きが取れない。

もうじき戦闘が始まる。

夏の空は雲一つ無い晴天、鎧の隙間から汗が滴り落ちる。

敵の兵士が狭間から鉄砲を覗かせている。

塀の上には弓を持った兵士がいる。

戦法は竹木砦のときと同じ鉄砲隊が突撃隊を援護する形だ。

信長は手をあげた。

兵士隊が槍を握りしめる。

俺も刀に手をかけた。

そして

「全軍!突撃ーっ!!」

『うぉーっ!!』

戦闘が始まった。

遠くからも声が聞こえる、どうやら他の門でも戦闘が始まった様だ。

俺は手をあげて叫んだ。

「鉄砲隊!放てーっ!」

ダンッダンッダンッダンッ

鉄砲隊が一斉に鉄砲を放った。

今回の俺の管轄は鉄砲隊だ

俺は即座に

「次弾装填!」

と叫んだ。

鉄砲隊は一斉に弾をこめる。

その隙をうめるのは秀長率いる弓矢隊。

秀長は叫ぶ。

「矢を放てーっ!」

シューッシューッ!

矢が風切り音をたて俺達の真上を通りすぎる。

矢は敵の頭上に降り注いだ。

だが狭間に隠れていた敵の鉄砲隊は矢が当たらなかった。

ズダァーンズダァーン

敵の鉄砲隊は我々の突撃隊に向かって鉛玉をぶちこんだ。

弾は突撃隊に直撃する。

突撃隊は血を吹き倒れていく。

だが彼らに死んでいく仲間を見送る余裕は無い。

生き残った兵士は仲間の屍を踏み越えていく。

そしてまた一人また一人と敵の銃弾に倒れていく。

だが俺には何も出来ない。

こんな時俺は強く思う、もっと早く連装の銃が産まれていれば、もっと時代が早く回ればと。

だが、俺が時代を嘆こうと何も変わらない、今の俺に出来るのは、今ある物でどうにかすること、そして諦めることだ。

すまない

俺は心の中で呟いた。

そして叫ぶ。

「放てーっ!」

ダンッダンッダンッ!

我々も鉛玉を放つ。

狭間に隠れる兵士めがけて。

そして敵の銃隊に鮮血を吹かせる。

敵の銃弾の数が明らかに減る。

突撃隊も少しばかり楽になった。

突撃隊は城門に取りつき。

馬鹿でかい丸太で門を叩く。

ガシャーンガシャーン!

門は凄まじい音をたてて軋む。

恐らく中では十数人の兵士が門を押さえているのだろう。

だが所詮人の力、限界がある。

バンッ!

門は遂に破られた。

味方が次々と走り込んでいく。

その中には信長の姿があった。

俺は叫んだ。

「我々も突撃だーっ!行くぞーっ!」

俺は馬を走らせた。

『うぉーっ!』

兵士達も後に続く。

俺達の行く道を阻む物はいない、俺達はあっという間に城内に侵入した。


稲葉山城内部 門付近


城内では既に戦闘が始まっていた。

広大な空間に大量の人間が犇めきあっている。

百数人の敵兵が侵攻してきた俺達織田軍を止めようと必死に戦っていた。

だが敵の戦況は確実に劣勢だった。

敵数百に対し我々は約800人近い兵力で戦って

いる。

こりゃ完璧にいじめだな。

集団リンチだ。

そんな事を思っているとふとあることに

気がついた。

敵に戦意が全く感じられないのだ。

辺りを見回しても逃げ惑い敵、降参する敵とまともに戦っている者など全くいない。

何だ?この敵たちは?

士気なんてあったものじゃない。

これは策略か?でもそれなら何の意味が?

その時信長が

「猿お前は先に行って、龍興の所に行ってこい。処遇は任せる」

信長はいつの間にか隣にいた。

信長は

「さっさと行ってこい!」

と言って俺の事を押した。

俺は思わず前に飛び出した。

だが飛び出した場所は丁度空いた所だった。

何故か個々だけぽっかりと穴が開いた様に空間が出来ていた。

俺は信長を見た。

信長はにっと笑った。

信長は俺に出世のチャンスをくれたんだ!

なら無下には出来ない。

俺は決心すると、駆け出した。


稲葉山城 通路


雄叫びはもう大分遠くから聞こえる。

そう言えばもう随分と敵にも会っていない。

今俺は本丸に続く坂をひたすら走っている。

通路は外にあり青空が見える。

幅は狭く2人位しか並んで通れない。

更に流石は堅城、坂は急だし入りくんでてまるで迷路みたいだ。

それに随所に敵の進軍を防ぐための造りも

見られる。

例えば行き止まりを作ってその上から鉄砲で蜂の巣にしたり等、様々だ。

今のうちに敵を減らしとかないと負けるな。

そんな事を思っていたその時。

ブンッ

横から刀が降り下ろされた。

俺はそれをギリギリでかわした。

「ふっ、流石だな」

目の前に男が現れた。

男は歳は20代前半がたいが良く肌黒ぐ目が鋭い、そしてこの時代では珍しいスキンヘッドだ。

侍と言うより地元のヤンキー見たいな奴だ。

俺は男を睨み付け。

「誰だ?」

と聞いた。

男は

「野村三十郎だ、一鉄から聞いてないか?」

「一鉄から?何も聞いてないが」

「ちっ、何だよ言ってねぇのかよあいつ」

三十郎は舌をならした。

「まぁ、良い」

三十郎が一瞬悪い笑みを浮かべた気がした。

その時、三十郎が刀を上げ俺に剣先を向けてきた。

「てめぇをこれ以上行かす訳には行かねーんだよ!悪いが死んで貰う!」

次の瞬間、三十郎は身を屈めて突進してきた。

速い!

それは凄まじい速さだった。

気がついた時には目の前にいた。

三十郎は突進の勢いをそのまま刀に込めて、刀を振り上げた。

俺はそれをギリギリ刀で受けて一歩後ろに踏み込み三歩程距離を取った。

だが三十郎は俺を逃がさなかった。

三十郎は俺が斬りかかると同時に斬りかかって

来た。

ガキンッ

甲高い音が鳴り響く。

俺は交差した刀を押し、一歩下がり回りながら

斬る。

三十郎はそれを避けて下がり距離を取った。

そして刀の剣先を俺に向けた。

三十郎は

「流石は一鉄と互角に戦った相手、一筋縄にはいかんか」

俺は三十郎を睨み付けている。

俺は

「もう戦っても無駄です。直に和が軍が来ますそうすれば貴方は確実に死ぬ、その前に降伏して

下さい」

三十郎は一瞬鼻で笑ったかと思うと刀を下ろした。

俺は安堵した。

その時三十郎が

「まだだ、まだ分からん、何事もやって見なければな!」

三十郎は足を踏み込みこっちに突っ込んできた。

くそっ!何故っ!

俺は心の中で叫んだ。

俺も足を踏み込み三十郎に向かって突進する。

刀は降り下ろしたままだ。

三十郎と俺の距離はみるみるうちに狭まっていく。

そして二人が交わった。

三十郎は刀を振り上げる。

だがその時下半身に隙が出来る、俺はそれを見逃さなかった。

降り下げていた刀を振り上げる、それと同時に三十郎の左太ももを斬った。

三十郎の太ももは血に染まった。

俺は三十郎の後ろに回り込み三十郎の背中を蹴り飛ばした。

三十郎はつんのめりうつ伏せに倒れた。

俺は倒れた三十郎の首に刀を突きつけた。

「動くなっ」

俺は吐き捨てる。

三十郎は恐る恐るゆっくりと仰向けになった。

三十郎はこちらを睨み付けている。

その時

バンッ!

三十郎は思いっきり俺の腹を蹴った。

俺は尻餅をついた。

ヤバイッ!

死ぬと確信した。

だが三十郎は俺を殺そうとはしなかった。

三十郎は素早く起き上がると刀を腹に突きつけた。

俺は驚いた。

そして急いで立ち上がり三十郎の手を蹴った。

刀は遠くへ飛んでいった。

俺は

「なにバカな事やってんだ!」

と怒鳴った。

三十郎は

「殺せっ!殺せっ!早く殺してくれっ!」

と訴えている。

目には涙が浮かんでいる。

俺は

「どうして?何故死に急ぐんだ!?」

「俺は負けた!武士なら負けたら潔く死ぬべきだろう!」

くっ、いつもそうだこの時代の人間は直ぐに死のうとする。

確かにそれも仕方ないのかも知れない。

武士はいつも戦の最前線にいるだから武士にとって敗北は死に直結する。

その為武士には負けたら潔く死ぬべきという固定観念が出来た。

でも俺はそんなの嫌だ。

失敗するからこそ人は成長する。

例えそれが戦場だとしても、負けたなら逃げれば良い、無理してその場に留まる必要は無い。

誰もがそうやって逃げる事が出来れば犠牲者も少なくなるはずなのに…

俺が考えている事は綺麗事だろうか…

三十郎は踞って泣いていた。

俺はそんな三十郎の背中に言い放った。

「立てっ」

三十郎はゆっくりと立ち上がる。

三十郎の目には大粒の涙が止めどなく流れてきている。

俺は三十郎に

「そんなに死にたきゃ殺してやるよ」

そう言って刀を振り上げた。

三十郎は目を見開いた。

俺は三十郎に構う事なく刀を降り下ろした。

三十郎は目を瞑って舌を向いた。

だが俺は刀を三十郎の首でとめた。

三十郎は恐る恐る目を開いた。

三十郎の目は怯えている。

俺は

「死ぬのは怖いだろう。これが死ぬ痛みだ、この心の痛みを絶対に忘れるなよ」

三十郎の目から涙が溢れた。

三十郎は

「死にたくない…死にたくない!俺は、俺は!死にたくない…」

と嘆いた。

俺は三十郎の肩に手を置き

「死に急ぐな、生き急げ」

そう言って三十郎に背を向けた。

そして三十郎から遠ざかる。

「あぁーっ!あぁーっ!」

遠くで三十郎の号泣する声が聞こえる。

「俺の夢はただの夢物語なのかな…」

俺は呟いた。


稲葉山城 広間


「何だと!?三十郎が織田方についた!?」

龍興は大声をあげた。

近くには数人の家臣、中には一鉄もいる。

一鉄は小声で

「三十郎…」

と呟いた。

他の家臣達も嘆いているがその中に三十郎を責める者はいなかった、皆仕方がないという様な声

だった。

これこそ家臣達の心が龍興から離れていっている証拠だった。

その時だった。

ガラッ

襖が勢い良く開いた。

龍興達の前には血だらけの刀を持ってそこらじゅう返り血のついた甲冑を着た武士が立っていた。

そうそれは藤吉郎だった。

龍興は

「だ、誰じゃっ!お主!?」

と怯えている。

他の武将達は俺に刀をむけている。

俺は高々と

「お前達に最後通告をしに来た!こちらに降伏しろ!しなければここで即刻斬り捨てる!」

周りの武将達は顔を見合わせた。

これだけでか?

これだけで動揺するのか?

俺がそんな疑問を持った時龍興が

「何をしておる!さっさと其奴を斬れ!」

と叫んだ。

家臣達は皆龍興を見つめた。

その目には葛藤が見えた。

その時だった。

「申し訳ございません!」

一人の家臣が叫んだ。

その家臣が

「わしはもう!殿にはついて行けません!」

その家臣に続く様に他の家臣達も

『わしも!』

『わしもじゃ!』

と言いながら。

刀を捨てていく。

そして俺の脇を通ってどこかに行ってしまった。

だが一鉄は何故か一人だけ残っていた。

龍興は

「お、おい皆の者!どこに行くのじゃ!何故わしを見捨てるのじゃ!」

そんな龍興の前に一鉄が立ち塞がる。

俺は一鉄が哀れに見えて仕方がない。

一鉄は龍興に

「ここはわしが食い止めます。殿は早くお逃げください」

と小声で言った。

その時だった。

バスッ!

辺りに鈍い音が響いた。

目の前に肩を斬られた一鉄が踞っていた。

その後ろにいる龍興の刀には血がついていた。

まさか!

そうそのまさかだった。

龍興が一鉄を斬ったのだ。

龍興は一鉄に

「もう、わしは生きている意味がない!ならば死のう!だが一鉄、貴様も共に心中ぞ!」

龍興は一鉄に向けて刀を振り上げた。

「イヤァーッ!」

龍興は雄叫びをあげた。

一鉄は踞ったまま固まっている。

俺は思わず飛び出した。

そしてギリギリて龍興の刀を防いだ。

そして龍興の腹を蹴った。

龍興は広間の奥まで飛び壁に激突して踞った。

俺は一鉄を見た。

一鉄は右肩を押さえながら立ち上がった。

右肩には血が滲んでいる。

一鉄は龍興を見つめていた。

その目は怒りと言うより驚きだった。

一鉄は

「龍興様…今のは本心ですか…?」

龍興は仏頂面で

「当然だ!お主も本望だろう?わしと共に死ねるのだぞ!」

めちゃくちゃ過ぎるいくら家臣でも…

俺は一鉄を見つめた。

一鉄は右手を握り震わせていた。

その時だった。

「貴方は…貴方は、龍興様じゃない!」

「なんじゃと?」

「貴方は俺に言ったじゃないですか!俺達の事は絶対に死なせないって!忘れたんですか!」

一鉄の目は潤んでいた。

龍興は

「その様な夢みたいなことわしが言うわけなか

ろう!」

「夢見たいって、それでも俺はその言葉があったから貴方についてきたんだ!」

「ならばそれがなければとうにお主もわしを裏切っていたということか!ならばお主とて他の者とおなじしゃっ!」

龍興は既に死んでいた。

一鉄の憧れた龍興はもうここにはいない。

ここにいるのはその脱け殻だ。

他人の事など気にも留めずただひたすら自らの得だけを考える人間。

だがこれも誰が悪いという訳じゃない。

龍興だって昔は皆の為に働く、正義が心にあった。

これも乱世の悲しい所だ。

乱世は人の中身を意図も簡単に変えてしまう。

龍興も初めは正義に満ち溢れていた、だが度重なる謀反に正義等無用と勘違いしてしまったのだ。

そう龍興もこの乱世の被害者なのだ。

一鉄は遂に堪忍袋の尾が切れた。

「わしは…わしはもう、貴方には着いて

いけない!」

一鉄の目から涙が溢れる。

龍興は目を吊り上げた。

「やはりお主も裏切るか!」

「違う!」

思わず俺は叫んだ。

俺は龍興に

「それは違います。一鉄さんは裏切ったんじゃない、貴方を信じるからこそ貴方から離れるんです」

俺は一鉄に視線を送った。

一鉄は龍興の前に出た。

そして膝まづいた。

「龍興様!この不忠義者をお許しください!わしとて龍興様と天下をとりたい!でもわしの夢見た龍興様は貴方じゃ無いのです!お許しください!お許しください…お許し…」

一鉄は踞って泣いた、

俺は龍興を見た。

龍興は泣いていた。

「何故じゃ…何故泣くのだ!お主もわしも…一鉄!お主のことは忘れんぞ!最後までわしに仕えた不忠義者とな!」

そう言い残して龍興は去ろうとした。

その時一鉄が

「龍興様っ!どうか生きてください…」

龍興は一瞬歩みを止めた。

だがそれも一瞬で直ぐに足早に去っていった。

一鉄はさっきまで龍興がいた場所をずっと見つめていた。


稲葉山城 本丸入り口


織田軍は既に掃討戦に入っており生き残りを片っ端から殺すという事をしていた。

信長は本丸の入り口で家臣達と戦況を見守って

いた。

信長は自分達に近づいてくる二人の影を見つけた。

「猿っ!」

信長は叫んだ。

その影は藤吉郎と一鉄だった。

藤吉郎は信長に近づき。

「龍興は逃げました」

と告げた。

信長は

「そうか、殺さなかったのか」

「はい、彼がそう望みまして」

そう言って俺は一鉄を見た。

信長は一鉄に

「誰だお前?」

と聞いた。

一鉄は恐縮しながら。

「稲葉一鉄と申します」

とだけ答えた。

信長はそれだけで全て分かったように

「そうか、お前は俺が面倒見よう」

一鉄は驚いている。

それもそうだ元は敵だそう簡単には雇えない。

更に信長は

「ただし条件付きだ、絶対に死ぬな、それが条件だわかったな?」

一鉄は固まった。

そして信長の目をじっと見ていた。

恐らく若き日の龍興と重ねているのだろう。

信長はふっと笑って

「変な奴だな」

と言ってどこかに行ってしまった。

こうして信長の10年間に及ぶ美濃攻防戦は幕を閉じたのである。


第2章 回り始めた歯車


墨俣城 広間


稲葉山城奪取からしばらくたち、信長達が稲葉山城への引っ越しの準備を始めていた頃。

俺達家臣団は急遽広間に呼び出された。

広間では皆が不安そうにしていた。

利家が隣から

「もしかしてまた戦かな?」

利家はウキウキしていた。

俺は

「それは無いでしょう。それより何で戦だとそんな嬉しいんですか?」

「そ、それは…」

利家は言葉に詰まった。

そこに信長がやって来た。

信長の隣に誰かいる。

髪は俺と同様に現代風で若い。

何が見覚えがあるが顔が良く見えない。

信長は家臣の前に座った。

その男も信長の隣に座る。

その時男の顔が見えた。

「あぁっ!!」

俺は大声をあげて立ち上がった。

皆の視線が集まった。

俺は恥ずかしくなり頬を赤らめながら会釈をして座った。

信長が男の紹介を始めた。

「この男は俺の上洛を手伝ってくれる『明智光秀』だ」

え…!

俺の体に電撃が走った。

何故なら目の前にいる人間は俺のもう一人の幼なじみで信長を殺す人間だったからだ。

光秀が一瞬こちらを見た気がした。

その時俺は思わず目を反らしてしまった。

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