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森の底に瀕死のダークエルフが落ちていた件  作者: 積と和〝


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11/14

第11話 おじさん、封印スキルの正体を知る

本日の2話目です。読み飛ばしにご注意下さい。

 北の山道。

 魔王城が遠くに見えてきた。

 黒い城壁、尖塔、濃い魔力の塊――まさに魔界そのもの。


 リィゼが小声で言った。

「……おじさん、魔力の反応がおかしい」


 俺も頭の中の表示を見る。

【封印スキル《???》 反応:魔王城付近】

【封印解除まで:残り3割】


「これ、俺の正体に関わるやつか?」

 リィゼは顔をしかめる。

「なんか、やばそう」


 馬上のレオナ騎士団長が言った。

「サクラ様、待ってください」

「ここから先は魔王城の守護が厳しい。戦う準備を」


 俺は肩をすくめた。

「準備って、殴ればいいんだろ」


 ルシアが馬車の横で飛び跳ねながら言った。

「ふふ、やっと本番だね!」

「本番?」

「おじさん、秘密がバレる日だよ!」

 リィゼがぽつり。

「やっぱり何かあるみたいね…」


 魔王城前。

 黒い魔法陣が城の周囲に幾重にも重なっている。

 空気は重く、息をするだけで体力が削られる感覚だ。

 ルシアがにっこり笑った。

「おじさん、見える?」

「……何が?」

「封印の魔力」


 俺が《鑑定》を発動する。

 ――全身の魔力量が表示された。


【封印対象:佐倉潤也】

【封印スキル:SSS】

【封印者:古代魔導師】

【効果:力を制御不能にする可能性を封じる】


 俺は一瞬固まった。

「……俺、制御不能になるってこと?」

 ルシアは肩をすくめる。

「違うよ、おじさん。これはね、元から強すぎるあなたを安全にするための封印」


 リィゼが目を丸くする。

「元から強いって、どれくらい?」

 俺は頭をかいた。

「いや、拳でSランクドラゴンをぶっ飛ばすくらい…」

 ルシアは笑った。

「世界樹級の魔力と、あなたの身体能力。封印されてる今でも普通じゃない」

「封印されてる…」

「うん、封印解除されたらもっとやばいことになる」

 その時、頭の中に声が響く。


【封印スキル《???》 解除条件達成まで:残り1割】

【警告:力の暴走に注意】


 俺は小さくため息。

「……どうやら本当にやばいやつだ」

 リィゼが言った。

「でも、おじさんなら大丈夫、……たぶん?」


 ルシアは少し距離を取り、黒い魔法陣の上に立った。

「さあ、おじさん。封印解除の瞬間、一番近くで見せてよ!」

 俺は拳を握った。

「わかった…やるか」

 空気が急に振動する。

 魔王城全体から黒い光が噴き出し、魔法陣が一斉に光った。

 リィゼが声をあげる。

「……おじさん!」

 そして――頭の中に文字が浮かんだ。


【封印スキル《???》 解除完了】

【真の力、覚醒】


 俺は立ったまま、拳を握りしめる。

 風が吹き荒れ、魔力の波動が山を震わせた。

 リィゼが小声で言った。

「やっぱり……やばい」

 ルシアが目を輝かせる。

「これが……本当のおじさん……!」

 遠く北の空で、魔王ベルザードの気配が動いた。

「……来たか」

 世界最強のおじさんの、本当の力がついに解放される瞬間。

本日もう1話投稿します。

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