第11話 おじさん、封印スキルの正体を知る
本日の2話目です。読み飛ばしにご注意下さい。
北の山道。
魔王城が遠くに見えてきた。
黒い城壁、尖塔、濃い魔力の塊――まさに魔界そのもの。
リィゼが小声で言った。
「……おじさん、魔力の反応がおかしい」
俺も頭の中の表示を見る。
【封印スキル《???》 反応:魔王城付近】
【封印解除まで:残り3割】
「これ、俺の正体に関わるやつか?」
リィゼは顔をしかめる。
「なんか、やばそう」
馬上のレオナ騎士団長が言った。
「サクラ様、待ってください」
「ここから先は魔王城の守護が厳しい。戦う準備を」
俺は肩をすくめた。
「準備って、殴ればいいんだろ」
ルシアが馬車の横で飛び跳ねながら言った。
「ふふ、やっと本番だね!」
「本番?」
「おじさん、秘密がバレる日だよ!」
リィゼがぽつり。
「やっぱり何かあるみたいね…」
魔王城前。
黒い魔法陣が城の周囲に幾重にも重なっている。
空気は重く、息をするだけで体力が削られる感覚だ。
ルシアがにっこり笑った。
「おじさん、見える?」
「……何が?」
「封印の魔力」
俺が《鑑定》を発動する。
――全身の魔力量が表示された。
【封印対象:佐倉潤也】
【封印スキル:SSS】
【封印者:古代魔導師】
【効果:力を制御不能にする可能性を封じる】
俺は一瞬固まった。
「……俺、制御不能になるってこと?」
ルシアは肩をすくめる。
「違うよ、おじさん。これはね、元から強すぎるあなたを安全にするための封印」
リィゼが目を丸くする。
「元から強いって、どれくらい?」
俺は頭をかいた。
「いや、拳でSランクドラゴンをぶっ飛ばすくらい…」
ルシアは笑った。
「世界樹級の魔力と、あなたの身体能力。封印されてる今でも普通じゃない」
「封印されてる…」
「うん、封印解除されたらもっとやばいことになる」
その時、頭の中に声が響く。
【封印スキル《???》 解除条件達成まで:残り1割】
【警告:力の暴走に注意】
俺は小さくため息。
「……どうやら本当にやばいやつだ」
リィゼが言った。
「でも、おじさんなら大丈夫、……たぶん?」
ルシアは少し距離を取り、黒い魔法陣の上に立った。
「さあ、おじさん。封印解除の瞬間、一番近くで見せてよ!」
俺は拳を握った。
「わかった…やるか」
空気が急に振動する。
魔王城全体から黒い光が噴き出し、魔法陣が一斉に光った。
リィゼが声をあげる。
「……おじさん!」
そして――頭の中に文字が浮かんだ。
【封印スキル《???》 解除完了】
【真の力、覚醒】
俺は立ったまま、拳を握りしめる。
風が吹き荒れ、魔力の波動が山を震わせた。
リィゼが小声で言った。
「やっぱり……やばい」
ルシアが目を輝かせる。
「これが……本当のおじさん……!」
遠く北の空で、魔王ベルザードの気配が動いた。
「……来たか」
世界最強のおじさんの、本当の力がついに解放される瞬間。
本日もう1話投稿します。




