第26話 水蒸気騒ぎ
第26話は、本編「女子高生は大統領」
『【十五】東都の異変が拡大したの?』を改編割愛加筆しています。
秀美と光夏の活躍で宝田が動き公演日程が決まった頃、原口駅付近で水蒸気騒ぎが起きた。
田沼博士と若宮助手は学園内の研究室で成分データを解析していた。
「先生、間違いありません」
「起こるべくして起きてしまったようね」
「山崎線の原口駅付近まで地下が繋がっているとしたらーー 」
田沼は言葉を切って天井を見上げた。
「先生、事態に変化が起き始めています」
「避難計画を前倒しにしないといけないかも知れないわ」
東都の中心機能の殆どは幕府が移転させた。
鎖国以来ーー 外国政府が支配していた基地や大使館は皇国から退去している。
横川基地は第二羽畑空港として機能する複合空港になって、幕府軍も駐留していた。
大江戸23区の災害拡大を想定した徳田大統領の計画が進んでいる。
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学園の大統領執務室に田沼博士と若宮助手が訪問した。
副大統領の前畑利恵が対応している。
「それで博士、原口駅付近はどうなるのでしょうか」
「大変言いにくいのですが、おそらく立ち入り禁止かと」
「そうですか、周辺住民の避難を優先しましょう」
「そうして頂けると有り難いですが」
「永畑火山の発生以来、多くは都心部を捨てています」
「それならいいのですが」
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徳田大統領が赤い薔薇の花束を持って執務室に入って来た。
「大統領、それは・・・・・・ 」
ガラス窓から差し込んだ夕日に薔薇の花びらが反射して斑色に映る。
『秋野先生がこの花を執務室にと言って下さったのよ』
「ご苦労様手当ですね」
利恵が笑った。
『ところで田沼先生、被害状況が拡大しているのですか』
「前畑副大統領とその事を話していたのです」
『タイムリミットが報道された時、東都を脱出する者が3割増えたわ。残る者の多くも郊外の国民住宅に転居しています』
「ーー 」
『それで前畑さん、今はどうなの』
「永畑町を含め原口駅付近の山崎線内の多くは避難済みです。反対派の一部だけ残っています」
『命よりもエゴを優先する人間がいるなんて、ともかく幕府軍に強制退去を要請しましょう』
「大統領、直ぐに手配を要請します」
前畑は一礼して退室した。
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徳田大統領は窓の近くの青色のソファに腰を下ろした。
『それで田沼さん、若宮さん、立ち話もなんですからソファにどうぞ。そしてお茶にしませんか』
「ありがとうございます。大統領」
遅れて入室した天宮静女が紫色の瞳をギラギラさせている。
「今日はなんでござるか」
『アールグレイと言う紅茶よ』
「良い香りでござる」
『ところで田沼先生、若宮さん、学園都市は慣れましたか』
「はい、大統領のお陰で助かっています」
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三日月未来




