第25話 知識武装で一石二鳥でござる!
康代と静女は生徒会執務室に戻った。
殺風景な部屋の青色のソファで豊下秀美と明里光夏が待っている。
『あら、秀美さん、光夏さん、早いわね』
「そこのお花は何でござるか」
「秀美が持って来たのよ」
光夏が言うと秀美が照れる。
「赤いハイビスカスが咲いていたので拝借しました」
「よくないでござるよ」
『そうね、本来なら良くないわね』
「秀美、良くないね」
光夏も康代の言葉尻を追いかけた。
『今回は、お咎め無しですが良くありませんわ』
「すみません」
秀美は、ぺこりと頭を下げ髪をいじる仕草をした。
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『ところで秀美さん、宝田劇団との話はどうなってますか』
「はい、依頼に関しては特に問題点はありませんが劇団員の日程調整がまだです」
『光夏さん神聖女学園の大講堂は、どうですか』
「言いにくいのですが、あまり空きが無い状況です」
『そうですか。日程のすり合わせが峠になりそうね』
『ところで今日、古典の代表作を購入して来たので、古典の勉強会を一緒にしませんか』
「文学でござるな」
『宝田劇団の団員が来た時に古典を知らないじゃ困りますしーー 』
「そう思います」
光夏が賛同した。
『じゃ、勉強会は生徒会を中心にしましょう。みんなで情報を共有する方向でね』
「そうですね。試験勉強じゃないし」
秀美が嬉しそうに言う。
『そうね、試験勉強じゃないわね。これは知識の鎧なのよ』
「鎧でござるか」
『そうなの、知識は身を守る鎧なの』
「無知は悪の肥やしでござるからな」
『前政府時代に不必要な法律や条例が沢山作られていたわ』
『その多くは議員を守るための法律だったの。皇国に必要なのは無知な人達を減らすことなの。それは民のためで無ければいけないの』
「神の法の下でござるな」
『ちょっと、話が逸れたようですが良い機会ですから古典を勉強しましょう』
「一石二鳥でござるな、康代殿」
「康代さん、事前知識があれば、舞台の楽しみも増えますね」
「光夏の言う通りでござる。秀美も光夏と同じでござるか」
秀美は髪をいじりながら頷いた。
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次の日の夕方、明里光夏を中心に古典の勉強会が開かれた。
光夏の説明の後で康代がゆっくり口を開いた。
『今度の新しい企画のための予習です。ある意味、予行練習ね』
『折角、宝田劇団の役者さんが来られた時、何も知らないじゃーー 失礼にならない程度の知識武装をしましょう』
「徳田会長、宝田劇団が来られるのですか」
『まだ調整段階ですが交渉しています。生徒会が中心になって盛り上げてくださると嬉しいのですが』
「私は、会長を応援します」
メンバーの一人が答える。
次々に賛同の声が生徒会室を満たした。
神聖女学園の女子高生は宝田劇団が好きだったのです。
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三日月未来




