第21話 感情エネルギーの暴走
康代たちは学園の地下通路からショッピングセンターの地下玄関に出た。
センターの地下玄関は神聖女学園の女子生徒たちで賑わっている。
康代たちは変装していたので気付く者はいなかった。
万が一を考えエレベーターを避けてエスカレーターで移動した。
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最上階のレストラン街の端にカフェがあった。
平日なので、思ったよりは人は少ない。
天女の静女は可視化モードになっている。
「お客さまは、何名でございますか」
「6名でござる」
康代たちは、学園側が見える大きなテーブルに案内された。
『静女は何がいい』
「拙者はクレープをお願いしたいでござる」
「康代は、チョコレートパフェ」
「信美は、チョコレートショコラ」
「利恵は、イチゴパフェ」
「秀美は、チーズケーキ」
「光夏は、イチゴのショートケーキ」
「これで全部でござるな」
「光夏殿、よろしくでござる」
光夏はテーブルのホログラムディスプレイに慣れた手付きでタッチしてオーダーを完了した。
[オーダーをありがとうございます]
[しばらく、お待ち下さい]
「便利な時代でござるな」
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しばらくして、ウエイトレスがオーダーを運んで来た。
「クレープの味は癖になるでござる」
『静女はクレープの大ファンですね』
静女は窓から見える学園都市の田園風景を眺めるのが好きだった。
「最上階の眺めが最高でござるな。生徒会室はどの辺かな」
『中庭に面しているから、あのあたりじゃなくて』
康代が指を指して言った。
団欒をしていたら、陰陽師の秋野晴美先生が店内に入って来た。
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『先生こんにちは。宜しかったら、ご一緒しませんか』
「康代さん、偶然ねーー ちょうど、みなさんと話たい事があったので嬉しいわ」
秋野はカフェのテーブルの端の席に腰掛けて話を始めた。
「みなさんは、人間の感情エネルギーを知っているかなーー 波動とも呼ばれるエネルギーなんですが」
「拙者は知っているでござる」
「個人エネルギーは小さいので悪さをしないのですが集団となると違うのよ」
『確かに、そうですね』
康代が頷く。
「エネルギーにはプラス側とマイナス側があるのよ」
「ーー 」
「普通はニュートラル前後なので問題無いのーー 永畑や大都で起きた自然災害の引き金になる場合が稀にあるのよ」
[実際は神の天罰だった]
「負のエネルギーの暴走でござるな」
静女は乗り気である。
「不安、恐怖、憎悪、嫉妬などーー 地震や火山だけじゃなくて豪雨、落雷、台風、竜巻などにも影響を与えるのよ」
「ーー 」
「五月の永畑事件は圧政に苦しめられた国民の負のエネルギーの暴走なのかも知れないわ」
「神の裁きでござるな」
「神使セリエさまが事前に知らせてくれるのもそのためよ」
「ーー 」
「みなさんには、再び国民の負のエネルギーが暴走しないように、プラスエネルギーを高めるお仕事をお願いしたいの」
「愛でござるな」
静女が呟く。
『政策は順調ですが膿が多少生じます、大都みたいに』
徳田康代は溜め息をつくのだった。
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三日月未来




