第20話 前政権の隠しファイル
第20話 前政権の隠しファイル
女子高生は大統領
【十二】お蔵入りのスクープ記事!に参照。
徳田政府幹部は生徒会執務室の会議テーブルを囲んでいた。
張り詰めた空気がピリピリして静電気が走った。
一般に公開されていた報道資料では無かった。
それは前政権の圧力でお蔵入りしたスクープ記事のファイルだったのだ。
前畑利恵は、ある記事に着目した。
「康代、これ見て」
『利恵、なんかあって』
利恵は大きなホログラムディスプレイに記事を表示させ指差した。
「当時の総理の記事なんだけど、信じられないことが書かれているのよ」
「たとえば、ここよ・・・・・・」
「為替を円安で誘導すれば」
「円安株高が基本だから輸入物価が上昇して値上げを余儀なくされる」
「輸入単価が上がれば光熱費が高騰する」
「光熱費が高騰すれば工場や店舗に影響して値上がりが始まる」
「結果、全てが値上がり、庶民は悲鳴を上げ利権者が儲かる」
「まだ続くわ・・・・・・」
「為替無しでも値上げるには、元を上げれば良いんだよ」
「たとえば、電気代だけを政府の認可で三割上げたら、どうなるか」
「電気を使う企業の全てが値上げの嵐に晒される」
「それで、追い討ちをしておいて」
「飴を与えれば嘘みたいに感謝するのがお花畑の羊たち」
「円安ドル高でーー 外人が株を買い漁り史上最高値になるのは当たり前」
「これを何度も繰り返せば無抵抗な国民は諦めますよ」
「値上げにはキックバックがもれなく付く」
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前畑利恵の説明に豊下秀美が声を上げた。
「悪魔だ!」
明里光夏も豊下に続いた。
「天罰が無かったらと考えるとーー ぞっとします」
織畑信美は、考えながら話した。
「反面教師と考えれば、どうだろう」
康代も続く
『そうね、今は鎖国で為替市場も株式市場も閉鎖で、自給自足体制拡大で影響はほぼない』
『光熱費に至っては国営化と新エネルギーに宇宙発電で問題無い』
『ダブルデノミの影響で更に値上がり要素は消えている』
『ホワイトドレスの汚れに喩えれば、今は汚れのない新品の状態』
『水道の蛇口から泥水が出るのと同じだった五月とは比較にならない改善』
『私たちは、徳田幕府にもお願いして監視強化をしましょう』
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神使セリエが黒猫姿で康代の前に現れた。
「康代よ、奴らは地獄にゃ、奈良の魂はそれより酷いことになっているにゃ」
「けれどにゃ、負のエネルギーがある限り、悪魔が消えることはにゃい」
「監視している幕府にも監視が必要かもにゃ」
「セリエも監視しているから心配無用かもにゃ」
『セリエさま、ありがとうございます』
セリエは光になって消えた。
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「康代、セリエ殿は、いつも忍者のように現れて、直ぐに消えるでござる」
「康代から事前のアドバイスが無ければ抱きしめていたでござるよ」
執務室にいる政府幹部は静女の言葉に微笑んだ。
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「康代、久しぶりにカフェに行かないか」
『他の人たちも一緒にどう』
「康代、私は賛成よ」
織畑だった。
「私も行くよ」
前畑も続く。
明里と豊下は何やら相談しながら
「お邪魔で無ければ、同行させて頂きます」
「明里と豊下は、相変わらず控えめですね」
前畑が助け舟を出してくれたお陰で二人の表情が綻ほころんだ。
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三日月未来




