第12話 陰陽師 秋野晴美
「女子高生は大統領」
第四章【八】陰陽師・安甲晴美を割愛分割加筆。
改編版では秋野晴美と改名しています。
三日月未来
康代がセリエへの相談を執務室で思案していた時、神使セリエ自身が康代の前に現れた。
康代の心はテレパシーのようにセリエに捕捉されていた。
「康代、我に用事があるようだにゃ」
『はい、セリエ様』
「知っているにゃ」
「アレはにゃ、永畑の大穴で死んだ意識の残骸にゃ」
「想念が生き霊になるのを知っているかにゃ」
「陰陽師の秋野の管轄じゃから、問題ないにゃい」
「陰陽師に相談したら良いニャー」
『ありがとうございます。セリエ様、相談してみます』
「東都の親衛隊は必要にゃい」
『ありがとうございます、セリエ様』
セリエは消えて光になった。
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康代は東都親衛隊の派遣を中止していた。
秋野は皇国で唯一最強の陰陽師だ。
ある意味、彼女は魔法使いだったのだ。
秋野が祈るだけで永畑町の魔物は消え灰燼すら残らない。
『そんなーー 』
康代は驚いて言葉を失う。
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康代は神聖神社の神主に呼ばれ社務所を訪問した。
隣には長い紫色髪の天宮静女が女子高生姿で康代の横に付き添っている。
天女である静女の年齢を知る者はいない。
神主である陰陽師の子孫の秋野晴美。
彼女は神聖女学園の教師をしている。
体育会系の雰囲気がある33歳の女性は生徒の間でも憧れの先生だ。
黒髪のショートポニーテールで背丈は170センチくらいの美人タイプの外見に乖離があった。
「康代さん、隣の女子生徒は?」
『秋野先生は、初対面ですね』
「そうですが、面接した記憶がないけど不思議なオーラを感じます」
『ご紹介しますね。天女の天宮静女様です』
「天女の静女でござる」
「そうでしたか、天女様とは知らずに失礼しました」
「秋野殿、構わんでござる。拙者も神使のお使いでござる」
『ところで先生、先日は魔物駆除をありがとうございます』
「仕事ですから」
『地獄の亡霊が度々出ることは珍しいですが、どうしたのでしょう』
「怨念の残骸の変質かも知れません」
「拙者も同じ考えでござる」
天女の静女は紫色の瞳を輝かせて微笑んだ。
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「転生が出来た魂と違い、地縛霊化した魂は地獄との狭間から抜け出ることがあります」
『それは、厄介ですね』
「大半は、地獄の主人の配下に連れ戻されますーー ある意味、凶悪霊なので駆除するだけです」
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神使のセリエがもふもふの黒猫姿で社務所に現れる。
「あら可愛い猫ちゃん、どこから来たのでしょう」
「秋野殿、神使のセリエ様でござる」
「天女よ、感謝ニャ」
『セリエ様、魔物の話をしていました』
「冥界の管轄じゃが、神使のメリエに相談するニャ」
「メリエ様は上司でござる」
「そうじゃったな、天女よ」
『そうして頂けると幸いです。セリエ様」
「じゃあ、またにゃ」
セリエは消えて光になった。
「康代さん、セリエ様は気さくな方ですね」
『秋野先生、最近のことです』
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「康代さん、ところでーー 」
『なんでしょうか、秋野先生』
「学園に転校生が入ったこと聞いてますか」
『ーー 』
康代は首を振りながら記憶を辿った。
「そうですか」
『ご縁のある方ですか』
「さすがに推察が鋭いです」
『いつの時代でしょうか』
「家康様、信長様の時代です」
『まさか、秀吉ですか』
「はい、豊下秀吉の生まれ変わりの豊下秀美です」
『驚きです。信美が喜ぶと思います』
「生徒会に推薦しますのでよろしくお願いします」
秋野先生が康代にお願いした。
『秋野先生、生徒会は陰陽師の秋野先生の決定に従うだけです』
『生徒会の件は分かりました』
『信美の下で副首相をお願いしようかな』
「信美さんも喜ぶでしょう」
『今世も、猿顔でしょうか』
「前世の風貌を受け継ぐ天界のしきたりがござる」
『神域には何も申し上げられません』
「康代も相変わらずたぬきでござるな」
『そんな、たぬきですか』
「康代さん、ほっぺが膨らんでいるよ」
「秋野殿の申す通りでござる」
『フクロウじゃ、ありませんよ』
秋野の社務所に笑い声が響いた。
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三日月未来




