第10話 猶予時間の中で
割愛と分割を繰り返し、各話を2,000文字以下にしました。
加筆含まれます。
三日月未来
大統領執務室の入り口で生徒会役員が田沼と若宮を招き入れた。
「先生、こちらへ、どうぞ」
生徒会役員の女子生徒数人が2人を出迎えた。
「大統領、お招きをありがとうございます」
『徳田です。遠くからありがとうございます』
「田沼光と申します。こちらが助手の若宮です」
「若宮咲苗です。お招きありがとうございます」
別の生徒会のメンバーが田沼に挨拶して言った。
「田沼先生、若宮さん、お茶は何がよろしいでしょうか」
「コーヒーをお願いできますか」
女子生徒は一礼して給湯室へ向かった。
『田沼博士が女性だったとは、知りませんでした』
「職業がら、男性と思われがちです」
美形の田沼が照れ笑いを浮かべている。
『原則男子入室禁止なので先生が女性で助かりました』
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『ところで博士、都心部の時間の猶予を確認したいのですが』
「はいーー 長くて3カ月です」
『3カ月ですか』
「地震ならまだいいのですが、今回は火山ですから危険です」
『人的被害を最小限にするには』
「移転を急ぎましょう」
『博士も、こちらに移転しませんか』
「研究所は、既に処分してーー 移転先を探していたところです」
『手狭ですが学園内の廃部になった部室でよろしければーー 田沼博士、若宮さん、研究室として如何でしょうか』
『住居は神聖学園都市の国民住宅が利用出来ます』
「ありがとうございます。是非、よろしくお願い致します」
『博士が傍にいたら、鬼に金棒ですわ』
「そんな、褒め過ぎですよ、大統領」
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若宮助手がホログラムディスプレイを徳田大統領に見せた。
「大統領、都心部の被害状況です」
『深刻ですね』
「永畑町、溜沼周辺は既に立ち入り禁止ですが問題があります」
『何でしょうか』
「避難エリア半径ニキロメートルは一般論です」
『そう思っていました』
「割れ目噴火が陥没エリアを結ぶように拡大した場合、一般論が無効になります」
田沼博士は続けた。
「自然の落とし穴みたいな状況です・・・・・・」
『それは、どういうことですか』
「下がいつ抜けるかは予測出来ません」
『まあ、地球の人間への裁きみたいな動きですね』
「そういうことです」
『中心部の退避勧告はどうなってますか。織畑首相』
徳田は織畑を見た。
「順調に進んでいます」
「都市改造計画の一環として、順次郊外に移転しています」
織畑が答えた。
『郊外の廃校と公立学校をリフォームして、国民住宅に対応できるように急ぎましょう』
『学園の敷地の一部も開放して受け入れましょう』
『神聖女学園の広大な土地を小さな町の規模にできるか、理事長に相談してみます』
『田沼博士、今日はありがとうございました』
大統領は挨拶して執務室を後にした。
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生徒会の女子高生たちが田沼と若宮に学園内を案内した。
「先生、今夜は学園内の宿泊施設をご利用下さい」
博士には学園校舎に近い場所を提供するようにと大統領から言われています。
女子高生は伝え終えると、その場から離れ別れた。
来客用宿泊施設は、ビジネスホテル規模の大きさで校舎の北側に隣接している。
近くには神聖の大型ショッピングセンターと立体駐車場があった。
そしてセンターの5階にはリニアモノレールの発着駅がある。
「さすがドームスタジアム20個分の広さの学園都市です」
「田沼先生、ここが郊外とは思えませんね」
田沼博士と若宮助手は大統領のアドバイスを受け学園都市に転居することを検討していた。
郊外とはいえ、必要な物はショッピングセンターで確保出来た。
診療所も書店もあり不自由が見当たらない。
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三日月未来




