↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/52

お電話しましょう

生成AI(Grok)による本文作成を行い、微調整しています。

苦手な方はご注意くださいませ。

 新しいスマホに買い替えた。

 古いほうをどうするか、テーブルの上に置いて眺めていると、まりもが窓辺からこちらを見ていた。淡い緑の長い髪が肩に流れ、濃い緑の葉模様が部屋の明かりを弱く返している。視線が、古いスマホに固定されている。


「これ、もう使わないんだけど、まりも使う?」

「ぼくは別にいらない」

「あ、そう」

「……だが、電話というのは気になる」


 珍しい興味の示し方だった。私は古いスマホの電源を入れ、基本的な使い方を説明する。着信の受け方、話し方、切る操作。まりもは黙って聞いているが、耳が時々小さく動いていた。


「外からかけてみるね」

「ああ」


 玄関を出て、少し離れた場所で番号を押す。呼び出し音が鳴る。すぐに、低い声が受話口から聞こえた。


「……出た」

「うん。聞こえる?」


 まりもの第一声に思わず笑みがこぼれてしまったけど、そのまま続ける。


「聞こえる。……これが電話か」


 声のトーンはいつものままだが、どこか手応えを確かめているような響きがあった。短いやり取りを続ける。まりもは質問というより、ただ声が届くことを確認するように言葉を返してくる。


「まぁまぁ聞こえるんだな」

「便利でしょ」

「……まあ、悪くはない」


 通話を切って部屋に戻ると、まりもはスマホをテーブルに戻していた。指先で画面を一度だけなぞってから、手を離す。


「もう一回かける?」

「必要ない。一度分かれば十分だ」


 そう言いながらも、耳の先端は小刻みに踊っていた。何かが鳴るのをまるで待っているかのように。


「これはもう外では使えないけど、お家では使えるから。また何かあったら使っていいよ、まりも」

「まりもって呼ぶな」


 低い声が返る。

 その声には、さっきの通話の余韻が、まだ少し残っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。