お電話しましょう
生成AI(Grok)による本文作成を行い、微調整しています。
苦手な方はご注意くださいませ。
新しいスマホに買い替えた。
古いほうをどうするか、テーブルの上に置いて眺めていると、まりもが窓辺からこちらを見ていた。淡い緑の長い髪が肩に流れ、濃い緑の葉模様が部屋の明かりを弱く返している。視線が、古いスマホに固定されている。
「これ、もう使わないんだけど、まりも使う?」
「ぼくは別にいらない」
「あ、そう」
「……だが、電話というのは気になる」
珍しい興味の示し方だった。私は古いスマホの電源を入れ、基本的な使い方を説明する。着信の受け方、話し方、切る操作。まりもは黙って聞いているが、耳が時々小さく動いていた。
「外からかけてみるね」
「ああ」
玄関を出て、少し離れた場所で番号を押す。呼び出し音が鳴る。すぐに、低い声が受話口から聞こえた。
「……出た」
「うん。聞こえる?」
まりもの第一声に思わず笑みがこぼれてしまったけど、そのまま続ける。
「聞こえる。……これが電話か」
声のトーンはいつものままだが、どこか手応えを確かめているような響きがあった。短いやり取りを続ける。まりもは質問というより、ただ声が届くことを確認するように言葉を返してくる。
「まぁまぁ聞こえるんだな」
「便利でしょ」
「……まあ、悪くはない」
通話を切って部屋に戻ると、まりもはスマホをテーブルに戻していた。指先で画面を一度だけなぞってから、手を離す。
「もう一回かける?」
「必要ない。一度分かれば十分だ」
そう言いながらも、耳の先端は小刻みに踊っていた。何かが鳴るのをまるで待っているかのように。
「これはもう外では使えないけど、お家では使えるから。また何かあったら使っていいよ、まりも」
「まりもって呼ぶな」
低い声が返る。
その声には、さっきの通話の余韻が、まだ少し残っていた。




