猫耳じゃないの?続
生成AI(Grok)による本文作成を行い、微調整しています。
苦手な方はご注意くださいませ。
画面が切り替わった。
今度は、猫耳のカチューシャをつけたメイド服の女性が映っている。両手を顔の横にかざし、首を傾げながら「にゃんにゃん」と声を上げる。スタジオの照明を浴びて、耳が大げさに揺れていた。
「……なんだ、これは」
まりもの声が一段低くなった。視線は画面に釘付けのままだ。
「猫耳メイドだと思う。コスプレの一種だよ」
「メイドが、猫の真似をするのか」
「そういう企画らしい」
まりもは答えなかった。唇がきゅっと結ばれ、目だけが動いている。やがて、はっきりと顔をしかめた。
「……意味が分からん」
「かわいいから、ってことじゃないかな」
「かわいい?」
まりもはゆっくりと首を横に振った。遠い目をしている。自分の耳に触れるでもなく、ただ画面の中の作り物の耳を見つめ続けていた。
「人間はわからんな」
それだけ言って、まりもはソファから立ち上がった。淡い緑の長い髪が肩に流れ、濃い緑の葉模様が部屋の明かりをわずかに返す。いつもの窓辺へ戻り、外の暗がりを見る姿勢に落ち着く。背中が少しだけ硬い。
窓の外を向いたまま、まりもの口がわずかに動いた。聞こえるか聞こえないかの声で、何かボソボソと訴えている。言葉の形にはならない。ただ、不快と、どこか置き去りにされたような響きだけが、空気に溶けて消えた。
私は何も返さなかった。画面の中では相変わらず「にゃんにゃん」という声が続いている。隣の席に残された空白だけが、わずかに冷えていた。
「……まりものほうが、かわいいよ」
ぼそっと口にした言葉に、まりもが短く答える。
「当然だ」
少し間が空く。
「……まりもって呼ぶな」
視線は窓の外に固定されたままなのに、耳がわずかに震えた。淡い緑の髪が頰に触れて、すぐにまた離れる。言い方には、いつもの強さが少しだけ足りなかった。指先が膝の上で一度だけ動いて、止まった。
低い声が、部屋の空気に溶けていった。




