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仮の姿は?

生成AI(Grok)による本文作成を行い、微調整しています。

苦手な方はご注意くださいませ。

 夜、ソファで並んで座っていると、ふと気になってしまった。

 私には、まりもの猫耳も尻尾もちゃんと見える。淡い緑の長い髪の間から、ぴくぴくと動く耳が覗いているし、ソファの上で小さく揺れる尻尾もある。なのに、外を歩くとき、他の人は彼女を特別視していない。猫耳あるのに。


「ねえ、まりも」

「何だ」

「気になってるんだけど、他の人にはまりもってどういう姿に見えてるの?」


 まりもは横目でこちらを見た。いつもの低い声で、すぐに返す。


「……普通の人間だ。耳も尻尾もない」

「へぇ……。見せてくれない?」

「そんなもの、知ってどうする」

「気になるから。ね、お願い」


 少し甘えるように言うと、まりもは小さく息を吐いた。面倒そうな顔をしているのに、すぐに拒む様子はない。


「……一度だけだ」


 まりもは軽く手を上げた。空気がほんの少し揺れて、次の瞬間、目の前の姿が変わる。

 猫耳が消え、尻尾も消える。背丈はそのままだ。淡い緑の髪が真っ黒な長い髪に変わり、全体の印象がきりりと引き締まる。顔立ちは整っていて、どこか冷ややかな美しさを帯びていた。声まで、いつもの低いトーンとは違う、落ち着いた大人の女性の声に変わっている。


「……これか」

「え、すごい。きれい」


 その言葉を聞いた瞬間、まりもの表情がわずかに変わった。すぐに力を解く。猫耳と尻尾が戻り、いつもの姿に戻ると、彼女はいつもより強い声で言った。


「言うな」

「え?」

「きれいなどと言うな。あれは仮の姿だ。本物ではない」


 少し棘のある言い方だった。

 理由は分からない。ただ、仮の姿を「きれい」と言ったことで、まりもの機嫌がわずかに変わったことだけは確かだった。


「満足したか」

「うん。……でも、いつもの姿のまりもが好きだよ」


 まりもは一瞬だけ黙った。それから、窓の外へ視線を戻す。ひとつ鼻息をもらして。


「……分かっているならいい」


 声は少しだけ低くなっていた。淡い緑の髪が、部屋の明かりを鈍く返している。


(でも、今の姿も仮の姿じゃないのかな)


 心の中で、そう思った。猫の姿が本当のまりもで、人の形はどちらも仮なのかもしれない。けれど、それを口に出すのはやめた。

 しばらくして、思い出したように低い声がした。


「……まりもって呼ぶな」


 その声には、いつもの強さとは違う、ほんの小さな動揺が混じっている気がした。

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