表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇子さまは今日も最弱娘に振り回される  作者: こもれびの空


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
30/39

ブルーノ・フォン・フィクトス公子の異能

 ブルーノはすぐに学院生活に慣れた。

 元々学生というのもあるが、ノアやブルーノを見ていると元来の性格ではないかとアローたちは思う。

 ルーンフェル王国の神子はいつの間にか消えてしまったから、もう無理に名前を変えなくてもよいのだが、ブルーノはこのままで良いという。


「俺はこの世界で生きていくのだから、もう過去の名前は必要ないんだ」


 この清々しいまでの潔さが皇太子と似ているとソラは思った。

 自分はどうもすぐに人の目を気にして、くよくよしてしまうのだがブルーノにはそれがない。

 一度ブルーノにそう言ってみたことがある。ブルーノは少し考えて、こう言った。


「俺、一度死んでるからね。

 生贄にされた時に死ぬことが確定していた。

 思いがけず助けられたけど、一度は死を覚悟したから、だから怖くはないさ。

 人からどう思われたってさ。それにラッキーじゃないか。

 魔法が使えて身分もお金もある。ソラなんて皇子さまだろ。

 異世界転生最高!って盛り上がってもおかしくないけどな?」


「最初はね。俺だってそう思ったよ。

 高校受験が目前で、こっちに来て。

 受験も就職活動もしなくてよくて。

 でもなぁ。皇太子を見てると、なんていうか人としての覚悟の違いというか格の違いを見せつけられているみたいでね。へこむのさ」


「なんだよ。同じ年だと思ったのに、お前中坊だったのかよ」


「言い方!15歳なら中学生だろ?」


「そっかー。俺は早生まれなんだよ。だから高校1年な訳。

 せっかく志望校受かったけど、きつくてさ。へとへとだった」


「先輩かぁ。ルーなんて呼べなくなるな。先輩」


「バーカ。皇子殿下に先輩なんて呼ばれてみろ!不敬罪だっていうの。

 ルーでいいよ。お前しかそんな風に呼べないだろ?」


「じゃぁ。殿下なんて言うなよ。ソラって呼んでくれよ。頼むよ」


「おい、大丈夫か?仕事がきついのか?手伝おうか?

 そうとう煮詰まってるぞ!責任なんか抱え込むな。

 それこそお前の尊敬する皇太子殿下にぶん投げちまえ!

 お前、真面目過ぎ」


「ありがとう。こんな悩み晒せるのもルーだけさ。

 それよりまだ覚醒していないだろ?

 皇城に用があるから一緒にいこうぜ。

 あそこなら魔力覚醒もすぐにできるから」


「そんなに簡単に皇城に行こうなんて言えるところが皇子さまなんだって!

 でもすぐに覚醒できるなら、やっときたいな。侍従たちはどうせ治癒ですよ。

 なんて言うんだ。もっとカッコいい技かもしれないだろ?」


「いやいや、神子さま。そこは治癒や浄化でしょう。普通」


 皇城の本宮で皇帝陛下にお会いした。普段なかなかお会いできないのに。


「父上。ノラロー街にご助力頂きありがとうございます」


「ソラ。難題を解決したな。見事な手際だ。よくやった。

 後で皇后宮に寄って行きなさい。お茶でも付き合ってやれ」


「畏まりました。父上。こいつが私と同郷のブルーノです」


「ブルーノ・フォン・フィクトスでございます。皇帝陛下」


「辛い目にあわせたな。良い目をしておる。

 フィクトス公爵家は我が国の礎だ。

 お前に任せる。

 古龍さまが認めた者だ。国を守ってくれ。頼むぞ」


「畏まりました。陛下」


「レオニスが戻れば一度ゆっくり会ってやってくれ。

 そなたはレオニスの右腕なのだからな」


 そう言って皇帝陛下は去っていった。


「ルー。急いで魔力覚醒だけ済ませるぞ。

 ここにいるとどんどん仕事が積みあがるんだ」


 何度も痛い思いをしているらしく、ソラはブルーノを引きずって礼を失しない程度の速足で歩く。

 本当は走りたいと思っているのがバレバレだ。

 見事なぐらい感情が面にでる。

 これで貴族をやるのはつらいだろうなぁ。


 覚醒室に到着した。透明な玉に手を翳す。

 なんだか辺りがどんどん暗くなってくる。

 まるで暗闇に飲み込まれそうになった時、覚醒が終了した。


「お前の固有魔法って??」


「どうやら闇魔法みたいだ」


「はぁ~?なんで神子の固有魔法が闇なんだよ」


「闇の精霊に喰われていたからなぁ。

 俺は一応神子だし闇精霊の力を取り込んでいても不思議じゃないさ。

 それにカッコいいだろ?」


 ブルーノはご機嫌だった。


「お前もしかして中2病だろ?」


「お前だって闇魔法を使ってみたいだろう?」


 ソラはぐっと詰まってしまった。


「お前の固有魔法は何?」


「秘匿事項」


「内緒なんて水臭いぞ」


「違うって!本当に秘匿されているんだよ」


「凄いなぁ。だから皇家の養子になったのか。

 お前さぁ、少しは自信持てよ。

 そんなに凄い固有魔法なのだからさ」


「ルー。なんか俺、お前と話すと元気になる気がする」


「おう、俺で良ければいくらでも喋ってやるから、元気だせ!」


「なんだよ。調子に乗るなよ」


 じゃれていると、ギロリと睨まれた。


「皇子殿下。皇后陛下がお待ちです」


 母上が呼んでいる。親友を合わせてあげよう。

 母上はきっと喜んで下さるだろう。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ