表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇子さまは今日も最弱娘に振り回される  作者: こもれびの空


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/50

ソラの覚悟

 信じられないぐらい豪華な部屋に案内されてソラは絶句した。


「嘘だろう?ここのトイレだけで俺の部屋ぐらい余裕で入るぞ」


 ソラが案内されたのは、客人のための部屋。

 特別な部屋という訳ではなかった。

 なにしろ一週間で奥宮を皇子宮殿に変更するために、

 既に準備が始められている。

 ここはあくまでも仮の部屋でしかない。

 と、いっても護衛や近侍の部屋は当然付随している。

 

 アローとセデスまでも当然のように部屋に入ってきたので、

 ソラはうんざりした。

 今まではアローと同部屋でも、そんなものだろうとしか思わなかったが、

 まさかこれだけ広い部屋を貰ってもプライバシーが守られないなんて!


「俺、自分の事は自分でできるから、従僕や近侍は必要ないよ」


 アローは感情のこもらない声で言った。


「畏まりました。殿下。それでは私どもはこの命を殿下にささげます」


 その場で二人が自死しようとするのを、ソラは必死に止めた。


「止めろ!意味わかんねえ。なんでお前らが死ななきゃならねえんだよ」


 セデスが平坦な声で言った。


「我々は皇室の最高機密を知りました。

 皇子から排除されたら我等に待つのは死のみ」


 ソラは喉がカラカラになった。


「機密ってなんなんだよ。死ななきゃならない程の秘密って?」


 アローは少し呆れたような顔をした。


「そう言えば、あなたは異世界でも平和な国からいらしたのでしたね」


「機密とは、あなた自身ですよ、殿下。

 あなたの能力――無効化――これはこの世界にとって脅威だ。

 これを知られたら他国が貴方の争奪戦になる。

 だから皇帝はあなたを養子にしてまで自分の保護下に置いたのです。

 殿下、あなたはこの世界を騒乱に巻き込みたいのですか!」


「そ、そんな。そんなことがあるか?俺の力って。キャンセルのことだろう?

 あれは自分の命を守るために使っただけで……」


「殿下。我が国は魔法国家です。もしも魔法が使えなくなったら、我が国を

 多くの国が襲うことになります」


「被害妄想だろ?そんなの……」


 セデスが静かに語り始めた。。


「我が国は元々、魔女狩りや魔物狩りにあって追い詰められた人々が

 寄り集まって作った国です。

 今は皇帝が世界を統べていますが、その国の自治権は認められています。


 我が国は虐げられる危険のある平民の魔力持ちだけを、

 皇国に献上させている。

 元々魔力を持つものは人として扱われず、

 火あぶりや拷問や処刑の対象だったのです。

 こうして国を造った後でさえ、

 我が国を滅ぼそうと軍を寄越したこともあります。

 今はなんとか平和を守っているが、

 殿下の力を知ればどうなるかお判りになりませんか?」


 そこまで説明されて、やっとソラにも理解できた。

 ソラは魔法は素晴らしいものだと思い込んでいたが、

 この世界の人々にとっては魔法は異端なのだろう。


 その力を無効化できたら、この国の人々は……。

 そしてこの国を亡ぼしたら、ソラだって殺される。

 だってソラも魔法使いなのだから。

 がっくりと項垂れたソラを見てアローはほっとした顔をした。


「ご理解いただけてよかった。殿下、我等は殿下をお支えします」


 その言葉でソラは貴族たちが自分に仕えると言った意味を理解した。

 ソラは自嘲気味に言った。


「最初に俺を殺してしまえば、災いも始末できただろう?」


「我が皇帝は全ての民を保護します。

 ことに魔法使いを保護できるのは我が皇帝のみですから」


 そう答えたセデスは誇らしそうだった。


「そうかぁー。俺は凄い人の養子になったのだなぁ」


「皇帝陛下は殿下の父君であらせられます」


 なるほどなぁ。俺は運が良いらしい。

 皇太子だって、俺に兄上と呼び掛けていた。

 彼らは本気で俺を家族として受け入れてくれたらしい。

 だったら、俺もその想いに応えなきゃな。

 ソラの吹っ切れたような顔を見てアローが声をかけた。


「殿下。皇后陛下から朝食に招待されております」


 マジかぁ。次は皇后かぁ。

 ソラはがっくりと項垂れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ