第2話 不思議な少女
今日は家族で食卓を囲んでいた。私、パパ、ママ、カイト伯父さん、キョウコお婆ちゃんの5人ですき焼きパーティーだ。
なんでも、カイト伯父さんより重大発表があるらしく、それを伝えに帰省したみたいだ。
「俺は今の彼女と結婚するかもしれない」
ええっ、結婚だって? どうせ、また女優とかモデルを選ぶから、ワガママ同士でうまくいかないパターンだろう。そろそろ、見た目重視の癖を考え直した方がいいと思うのだが……。
キョウコお婆ちゃんもそう思ったのか、深いため息をついた。
「また、すぐに離婚するんじゃないの? 前もそんな感じだったし……」
「いや、今度はマジだよ。性格で選んだから大丈夫だ」
ママは不思議そうな顔をしていた。
「でもさ、兄貴が性格で選ぶなんて、どういう心変わりがあったの? いつも美女じゃないと無理だとか言っていたでしょ?」
確かに、いつも美人を抱くために生きているとか言っていたはずだ。なんか、心境の変化でもあったのかな?
カイト伯父さんはビールをグラスに注いで一気に飲み干した。
「ふっー、お前らに聞きたい事がある」
「なによ?」
「サチ婆ちゃんが死んだ20年前の話だ。あの夏は不思議な女がいなかったか? ハッキリとは覚えてないけどな。俺だけの思い違いか?」
すると、パパが席を立ってアルバムを持ってきた。その中の写真の1枚を取り出した。それはパパとママが付き合った瞬間の写真だった。2人ともピースサインをしているが、パパは顔を腫らしている。それは間違いなく、私が撮った写真であった。
パパはこの写真に以前から、ずっと疑問をもっていたそうだ。
「この写真って、義兄さんが撮りましたっけ?」
「どれどれ、見せてみろ……。いや、俺じゃないぞ」
ママも首を傾げていた。
「あの時、神社には2人しかいなかったはずだし、そうなると誰が撮ったのかしら? でも、不思議な少女と出会ったのを覚えているわ。テッペイも記憶にあるでしょ?」
「うん、なんか懐かしいね。でも不思議なことに、顔も名前も思い出せない」
「でも、すごく優しい子だった気がする……」
それを聞いて、カイト伯父さんがやっぱりという顔をする。
「そうだよな、確かドンくさい女だった気がするけどな……。親戚の子だったのかな?」
あきらかに、私の事を言っているのだ。でも、何故か思い出せないシステムになっており、まさにSF映画の設定みたいだ。しかし、ドンくさいは余計なお世話だ。




