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第32話 パパ、告白する

シンジはいきなり頭を下げてきた。

「リコ、友達と楽しくやっているのにゴメンよ。だけど、2人で10分だけ……、いや5分だけ話をさせてくれ……」


クソ、さすがに2人きりしたら、シンジの方に靡くかもしれない。ママも所詮は女だし、強引に迫られたら分からない。


だけど、ママも覚悟を決めたみたいだ。

「シンジ、こないだ助けてくれた事はありがとう。それは本当に感謝しているよ。でも、他に好きな人がいるからゴメン。シンジとは付きえない」


ママの発言にシンジは信じられないという顔になっていく。

「そっ、そうか……。うん、返事をくれてありがとう。俺の友達も熱くなって、リコの友達に迷惑をかけて悪かった。また、これからも友達としてヨロシク」

「ああ、分かっているよ。それじゃあ、アタシ達は花火大会を楽しむから、またな」

ママがそう冷たく言い放つと、桜井シンジ集団は人込みに消えていった。


他に好きな人がいるって、もうパパしかいないだろう。だけど、当のパパはその事に気が付かず、私に耳打ちをしてきた。

「トキコ、もうダメだ。リコは他に好きな人がいるらしい」


まったく、本当にバカで鈍い男だなあ。私もパパに耳打ちで返した。

「バカ、それはテッペイのことだよ。今すぐ告白しろ」

ここまで、鈍いとはライトノベルの主人公並みだ。


そして、私の言葉がパパの覚悟を決めたようだった。

「リコ、俺は……、前からリコの事がさ……」

「うん、分かっているよ。アタシもテッペイと同じ気持ちだと思う。でも、今日はいいよ。シンジのせいで興覚めしたから、日を改めてほしい」

「そっか……」


パパは少し落ち込んだ表情をしたが、逆にママは照れた乙女のような顔を見せた。

「えーとさ、8月31日がアタシの誕生日だから、その日にもう一度気持ちを聞かせてほしいな。それでも、いいかな?」

そう言って、顔を赤らめて、頬を人差し指でかく。


すると、パパは満面の笑みを浮かべた。

「じゃあ、俺達が出会った神社で会おう。時間は夕方の6時頃でいい?」

「うん、誕生日プレゼント楽しみにしているよ」

「リコ、今日言えなかったことをプレゼントするよ」


2人はお互いに照れ臭そうに見つめ合っていた。もう、見ているこっちが恥ずかしいわ。つまり、パパの告白が誕生日プレゼントってわけだ。アハハ、ママも恋する乙女だったのだ。


さてと、お邪魔虫は消えるとしますかね。

「じゃあ、私は帰るわ。あとは2人で仲良くデートでもしてね」


私は立ち去ろうとすると、パパが手を振ってお礼をしてきた。

「トキコ、ありがとう。全部トキコのおかげだよ」

「いや、お礼を言うのはこっちだよ、じゃあねー」

いつのまにか、2人は惹かれ合っていたみたいだ。


今まではパパを見下していたけど、リア充側の人間だったんだな。夢に向かって頑張っているし、可愛い彼女もいる人生で羨ましい。くそ、勝ち組じゃないか……。あのスペックで頑張れるって凄いな。


私もほぼ同じスペックだけど、パパのメンタルと行動力にはとても敵わない。だけど、私もパパの血を引いているので、何かに挑戦したら意外になんとかなるかもしれない。


そうだよ、今年は漫画の1作品でも完成させてみよう。私だって、それくらいできるはず。


だって、パパの子だから……。

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