表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/84

第26話 ママ、告白される

夕食時にママは帰ってきた。


4人でいつも通りに食卓を囲んでいると、キョウコお婆ちゃんが嬉しそうに口を開く。

「リコ、部活に戻ったの? カイトから聞いたけど、本当なの?」

「うん、色々と迷惑かけてゴメン。今度はサチ婆ちゃんの為じゃなくて、自分の為にソフトボールをやりたいだけだよ」


そう言うと、ママがこちらを向いて笑顔を見せた。

「全部、トキコのおかげだけどな。トキコがハルミ達に謝るきっかけを作ってくれたんだ。だから、本当に感謝しているよ」

「あら、そうなの? トキコちゃんが来てから、色々と良い方向に変わっていくわね。まるで、座敷童みたいで、本当に可愛らしい子ね」


なんか、褒められるのって気分がいい。こうやって、褒められる経験値を増やしていくと、性格の良い人間になるのが分かる。私は説教や怒られる経験値が多すぎるから、性格がねじ曲がったのだ。これからは、褒められる行動を増やしていこう。


そこに、カイトが余計な事を言ってきやがった。

「まあ、座敷童は可愛いけど、トキコはまったく可愛くないけどな。ガハハハ」

「ふん、別にカイトには褒められたくないもん」

そう言うと、みんなは笑い出した。最初のピリピリした食卓の雰囲気はもうなかった。


キョウコお婆ちゃんもそう思ったらしい。

「アハハ、久しぶりに家族の雰囲気がいいわね。私もストレスがなくなるし、煙草もいらなくなるかもね」

「オフクロ、いい加減に禁煙しておけよ。向こうでサチ婆ちゃんも心配しているからよ」

「そっ、そうね……。禁煙頑張ってみるわ」


こうして、竹ノ内家に平穏が戻ってきたのだ。それから、夕食後はみんなでテレビ見ながら過ごした。ママもサチ婆ちゃんも機嫌良くて、幸せな時間が流れていく。


その時、インターホンが鳴った。

「あら、こんな時間に誰かしら? リコ見てきてくれない? だって、私の好きな俳優が出ているのよ」

キョウコお婆ちゃんはテレビに出演しているイケメンに釘付けだ。


ママは渋々と返事をしてリビングから出ていった。

「はいはい、アタシが行けばいいんでしょ」

こんな時間に誰だろう? 来客や宅急便ってわけでもないはずだ。ママは数分後に戻ってくると様子がおかしかった。


カイトも察したのか声をかけた。

「リコ、誰だった?」

「うん、クラスメイトだったから、ちょっと5分だけ家の前で話してくる。すぐに戻るから」

そう言うと、ママは再びリビングから出ていく。


私はクラスメイトという言葉に不安を覚えた。ハルミおばさんやパパだったら、友達という言葉を使うはずだから、ママとあまり親しくない人物だと思われる。何だか凄く嫌な予感がする。


この嫌な予感は負け犬しか分からないものだ。小学校時代にドッチボールで顔面に当てられて、眼鏡がぶっ壊れつつ、鼻血を出した時もこんな感じだった。


私はママの後を追う事にした。

「ちょっと、私も見てきます」

リビングを出ようとすると、カイトが手を引っ張ってきた。

「待て、俺も行くわ」

キョウコお婆ちゃんはテレビに夢中で興味がないみたいだ。私とカイトはリビングから飛び出した。


私は玄関から出ようとするが、カイトが止めに入る。

「バカ、裏口から行くぞ。玄関から出たら気づかれちまうぞ。多分、男だろ」

「私もそう思う」

私達は裏口から忍び足で出て、玄関の門の方を覗くと、ママと桜井シンジがいた。


あれ、これって……。リア充の告白じゃないのか? 

「カイト、これってさ……」

すると、カイトが口を塞いできた。


それから、人差し指を口に当てて、喋るなというポーズをする。まずは黙って聞けよって事だ。私達は家の塀に身を潜めて、2人の会話を盗み聞きした。


どうやら、シンジがママに喋りかけているようだ。

「リコ、ごめんね。家にいきなり来ちゃってさ」

「ううん、こないだは助けてくれてありがとう。それで用って何?」

「実は前からリコの事が気になっていた。俺と付き合ってくれないか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ